ETCマイレージサービスとは
「ETCカード」には、道路事業者が発行するカードとクレジットカード会社が発行するカードがあります。どちらを利用する場合でも、まずはETCマイレージサービスへの登録が必要です。
どのようなサービスなのか、概要を理解しておきましょう。
ETC利用額に応じてポイントがもらえる
「ETCマイレージサービス」とは、ETCカードを利用して高速道路や有料道路の料金所ゲートで通行料金を支払った際に、支払額に応じてマイレージポイントを獲得できるサービスです。
使用したカードがクレジットカードなら、発行会社独自のポイントとは別にETCカードとしてのマイレージポイントも貯められます。獲得したマイレージポイントは「無料走行分」へ交換することにより、交換後に走行した際の通行料金決済時に充当可能です。
交換単位は、道路事業者ごとに定められています。 無料走行分のことを還元額といい、還元されたものに関して有効期限はありません。交換した道路事業者以外の道路でも使えます。ただし、2枚以上のカード間でのポイントや、還元額の合算や還元額の換金はできません。
登録や年会費無料で平日朝夕割引がお得
ETCマイレージサービスは、登録料・年会費ともに無料で利用できます。
平日の朝と夕方の時間帯に利用すると、通行料金の割引が適用される「平日朝夕割引」も魅力です。対象区間100km分までの走行に対して、 最大50%の割引額が還元額として付与されます。曜日は月~金で、祝日は含まれません。
割引の対象となる時間帯は、朝は6~9時、夕方は17~20時です。 対象区域内に入った時間か、出た時間のどちらかが当てはまれば適用されます。一部例外をのぞき、1日に適用されるのは朝・夕各初回のみです。
還元率は、毎月1日~月末までの1カ月間の利用回数により決定します。平日朝夕割引サービスを実施している道路事業者の管轄区間の中には「東京と大阪の近郊部分のみの利用は認められない」など、一部割引適用外の区間もあるため注意が必要です。
登録の手順
ETCマイレージサービスに登録する手順を紹介します。準備するものや、2種類の申込方法を覚えておきましょう。
まずはETCカードと車載器管理番号を準備
ETCマイレージサービスを利用するためには「ETCカードに記載されているカード番号」と「ETC車載器の管理番号」、「車両番号」が必要になります。
ETC車載器とは、料金所のアンテナと無線通信する機器です。クレジットなどの支払い機能を持ったETCカードを挿入することで、自動で区間分の通行料が引き落とされます。ETC車載器は、カー用品店やディーラーで購入しましょう。
ETCカードは、道路事業者が発行するクレジット機能なしの「ETCパーソナルカード」とクレジットカード会社が発行する「ETCカード」に分けられます。
すでにクレジットカードを持っている場合でも、別途ETCカードまたはクレジット機能とETC機能が一体化したカードの発行が必要です。
パーソナルカードの場合は、口座登録によるデポジット(預託金)が条件となっています。
ネットか郵送で申し込み
ETCマイレージサービスを利用したい場合、手続きを行わないままゲートを通過してもポイントは貯まりません。インターネット、もしくは郵送での登録が必要です。
インターネットで申し込んだ場合は、申込当日の利用額からポイントが付与されます。郵送で申し込んだ場合、登録完了まで数日かかります。
郵送での手続きを希望する際は、高速道路の「料金所事務室」やSA(サービスエリア)・PA(パーキング)などに用意されている専用の申込書を利用しましょう。
登録時に必要な情報は、氏名・生年月日・住所・連絡先・ETCカードの番号と有効期限・車両番号(4桁)・車載器の管理番号(19桁)です。車載器管理番号は、本体に記載されています。
ポイント還元について知ろう
ETCマイレージサービスで獲得したポイントは、還元額に交換して初めて価値か生まれます。還元に関する大切な点をチェックしておきましょう。
事業者別の還元率
ETCマイレージのポイントは、利用道路の道路事業者の定める基準によって付与される仕組みです。
「NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社」と「本州四国連絡高速道路株式会社」の管轄内では、10円につき1ポイント貯まります。「愛知県道路公社」「広島高速道路公社」「福岡北九州高速道路公社」では100円につき1ポイント(加算あり)、「神戸市道路公社」では50円につき3ポイント(加算あり)の付与です。
ポイントは事業者ごとに貯まり、NEXCO東/中/西日本および宮城県道路公社間以外のポイント合算はできません。また、還元されたポイントによる利用額に対しては、いずれの区間も還元対象外です。
愛知・広島・福岡北九州・神戸の事業者では、通常のポイント以外に月間利用額に応じて「加算ポイント」が付きます。付与数はそれぞれ異なり、愛知県は100円につき4~18ポイント、福岡北九州と広島県は100円につき3~19ポイント、神戸市は50円につき3~10ポイントです。
平日朝夕割引は翌月に還元
平日朝夕割引サービスの還元率は、対象となる時間帯に走行した月々の回数に応じて、都度決定します。
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社では、利用額の総額に対して1カ月の走行回数が5~9回の場合は30%、10回以上の場合は50%です。4回以下の場合は、還元の対象とはなりません。
本州四国連絡高速道路は、10回以上利用の際にETCの料金が「現金を利用したときの50%を上回る区間」のみ差額分の還元があります。現金料金を上回っていない場合に割引はありません。5~9回は10回以上利用したときの対象区間に対して60%です。
還元額はすぐに適用されるわけではなく、当月の走行回数が確定した段階で還元率が決定します。還元額が付与されるのは、翌月の20日です。
たとえば、5月分(5月1~31日)の請求額が2万円で15回がNEXCO東日本の平日朝夕割引の対象となっていた場合、6月20日に50%分の1万円が無料通行分として還元されます。
還元対象かどうか確認する方法
当月に走行した情報について平日朝夕割引の対象になるかどうか知りたい場合は、ETCマイレージサービスのWebサイトの「還元額明細画面」で内訳がわかります。翌月20日以降の反映で、対象区間の走行と還元額が記載されています。
よりリアルタイムで知りたい人は、「ETC利用照会サービス」またはETCマイレージサービスのWebサイトにある「平日朝夕割引対象走行一覧」を参照しましょう。
ETC利用照会サービスは、別途利用登録が必要です。無料で登録できますが、ETCクレジットカード・ETCパーソナルカードで「過去15カ月のうちに1回以上、ETC無線通行(手渡し通過ではない走行)」を利用していることが入会条件となります。
年に1回程度、ETC無線通行で高速を利用していれば問題ありません。過去の利用明細の確認のほか「利用証明書の発行」もできます。確定申告で経費として計上する人は、登録しておいて損はありません。
自動還元サービスを利用しよう
「自動還元サービス」とは、所定のポイントが貯まった段階で、自動的に還元額へ交換するサービスです。ポイント交換数の基準は、事業者により異なります。
設定方法は「インターネットのマイページで手続き」「自動音声ダイヤルで手続き」「事務局へ電話」の3種類です。
ポイントには有効期限があり、「ポイントが付いた年度~翌年度末まで」となっています。 4月にポイントが付いた場合は、2年後の3月までです。
ただし、所定のポイント数に達していない分のポイントは失効します。有効期限までであれば、自分で手続きを行い還元額に交換することは可能です。
なお、一旦交換してしまえば、還元額に有効期限はありません。ポイントの失効リスクを回避するためにも、自動還元サービスの利用は有効です。
ETC利用におすすめのカード
ETCをよく利用する場合は、カードの利用がおすすめです。以下で紹介するおすすめカードの特徴や魅力を確認し、使いやすそうなものを選んでみましょう。
二重取りが可能 オリコカード ザ ポイント
ETCのマイレージポイントと「オリコカード」独自の「オリコポイント」を二重で貯められます。年会費はクレジットカードもETCマイレージサービスへの登録も無料で、所有コストがかかりません。
オリコポイントは、常に1%以上の高還元率を実現し、入会後半年間は還元率が2%にアップします。「iD」と「QUICPay」の2種類の電子マネーとしても使えるため、普段使いでも貯めやすいポイントです。貯まったオリコポイントを、500ポイントからすぐに交換できる強みがあります。
ポイント高還元率のクレジットカード Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)|クレジットカ
首都高速利用者向け イオン首都高カード(WAON一体型)
クレジットカード機能と電子マネー機能の両方を1枚で利用できる「イオンカード(WAON一体型)」です。クレジット支払時には「イオン(AEON)」の「WAON POINT」、「電子マネーWAON」利用時には「WAONポイント」が貯まります。
「ETC専用カード」付帯で、追加の申し込みの必要がありません。毎週日曜日に首都高速で利用した際に、通行料金が請求時に20%オフとなります。首都高速はETCマイレージサービスの対象外のため、割引は大きな魅力です。
ほかにも、首都高速PAの売店やレストランで支払いに利用すれば、WAON POINTが通常の5倍獲得できます。発行手数料や年会費は無料で、首都高速をよく利用する人におすすめのカードです。
イオン首都高カード(WAON一体型)│首都高速道路サービス株式会社
特典満載で魅力的 イオン イオン NEXCO中日本カード(WAON一体型)
イオン首都高カード(WAON一体型)と同様、ETC機能が自動付帯したWAON一体型のイオンカード(WAON一体型)です。「NEXCO中日本エリア」の高速道路をよく利用する人にとって、お得なカードといえます。
毎月20・30日にエリア内をETC走行したり、エリア内のSA・PAで買い物をしたりすれば、WAON POINTが2倍貯まります。
WAON POINTは、1000ポイントをETCマイレージサービスの還元額1000円分に交換可能です。ポイント交換後は、NEXCO中日本エリアだけでなく全国の高速道路で走行できます。
ほかにも、カード発行時にエリア内のSA・PAで利用可能なお買い物券が200円分プレゼントされるなど、NEXCO中日本の管轄道路利用者にとって魅力的な特典が満載です。
イオン NEXCO中日本カード(WAON一体型)|イオンカード 暮らしのマネーサイト
まとめ
ETCマイレージサービスは、ETC利用額に応じてポイントを貯められるサービスです。貯めたポイントは、無料走行分として還元額に交換できます。
平日朝夕割引などを利用すれば、よりお得にポイントを貯められることも魅力です。自動還元サービスを利用すれば、ポイントの失効リスクも防げるでしょう。
ETCマイレージポイントを効率よく獲得するためには、高速道路の利用に対して優待のあるカード利用がおすすめです。自分がよく利用するエリアに合ったカードを選び、お得にポイントを増やしましょう。