マイルを特典航空券に交換しよう。ANAとJALの違いや注意点

ANAとJAL特典航空券の必要マイル

「特典航空券」とは有償ではなく、貯めた「マイル」によって交換する航空券のことです。特典航空券の交換に必要なマイル数は、「利用する時期」や「区間」「割引の有無」などによって変わります。

国内線の場合

ANAはロー（L）・レギュラー（R）・ハイ（H）の三つのシーズン区分があり、ハイシーズンは必要マイル数が多くなる傾向があります。

さらに「1区間（片道）ごとのマイル」が4段階設定されており、行先と利用したいシーズンと照らし合わせて必要マイル数を割り出します。交換できる必要最低マイル数は「片道5000マイル～」です。

JALの場合、A・B・Cの「距離による区間」があり、区間ごとに異なる必要マイル数が設定されています。

必要最低マイル数は「片道6000マイル～」「往復1万2000マイル～」で、「普通席」と「クラスJ」の予約が可能です。

一例として、通常期における「東京→大阪（普通席）」のマイル数（1区間・片道）は、ANA・JALともに6000マイルです。

国際線の場合

ANAの国内線は「普通席のみ」に予約が限定されているのに対し、国際線はエコノミーからファーストクラスまでの全席が予約の対象です。必要最低マイル数は「往復1万2000マイル～」で、片道の利用はできません。

出発地・目的地のゾーン・シーズン・搭乗クラスによって必要マイルが変わるため、「シーズン・必要マイルチャート」を確認しましょう。

JALの国際線は「片道7500マイル～」「往復1万5000マイル～」の予約が可能で、路線や予約クラスなどによってマイル数が決まります。

エコノミーからファーストクラスまでが予約の対象で、クラスが上がるほど多くのマイルが必要です。ただし、18～30歳未満の学生であれば、JALカードnavi会員の「減額マイルキャンペーン」を活用すると少ないマイルで海外旅行が楽しめるでしょう。

予約はいつから可能？利用制限期間も

特典航空券は予約できる期間が決まっています。また、予約ができない「利用制限期間」が設定される場合があるため、各航空会社のWebサイトをこまめにチェックしておきましょう。

ANAの場合

ANAでは年2回、運航ダイヤ期間ごとに国内線特典航空券の一斉発売を行います。

3月の最終日曜日～10月の最終日曜日の直前の土曜日搭乗分までは「夏ダイヤ」に区分され、1月下旬頃の発売です。10月の最終日曜日～翌年3月の最終日曜日の直前の土曜日搭乗分までは「冬ダイヤ」で、8月下旬頃に発売されます。

ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期に重なる期間は、「利用制限期間」として予約自体ができないことがあります。

国際線は、旅程の復路搭乗日の355日前（出発日を含まず）の午前9時（日本時間）から、第1区間出発の96時間前まで予約が可能です。国際線の予約において、利用制限期間は設けられていません。

JALの場合

国内線は、搭乗日の330日前の9時30分（日本時間）から搭乗日前日まで、予約申し込みができます。ただし、復路が予約開始日前の場合、往復同時に予約はできない点に注意が必要です。 

国際線は、搭乗日の前日から数えて360日前の日本時間10時～予約が可能です。往復予約の場合、往復ともに「申し込み日から360日以内の旅程」でなければなりません。 

「利用制限期間」は、JALのWebサイトで確認できます。現在、国内線・国際線ともに利用制限期間は設定されていませんが、予約前に必ずチェックするようにしましょう。

ANAマイル特典航空券の注意ポイント

ANAマイルで予約した特典航空券は、変更やキャンセルは可能なのでしょうか？家族の特典利用についても確認しておきましょう。

変更やキャンセル方法

予約便の変更は「ANA ウェブサイト」の会員ページから行いましょう。国内線・国際線ともに、変更できるのは「搭乗日」と「便名（同区間）」で、搭乗者・予約クラス・区間などは変更できません。 

国内線の変更期限は「変更希望便出発日の前日まで、かつ元々の予約便の出発前まで」です。国際線は「予約済の便の出発前で、かつ搭乗希望便出発の24時間前まで」となっています。

ANAウェブサイトから変更できない場合は、ANAの電話窓口に問い合わせましょう。なお、国内線・国際線ともに、「未使用」に限りキャンセルによる払い戻しができます。

マイルは口座に払い戻されますが、1名につき3000マイルの払い戻し手数料がかかる点に注意が必要です。 予約便の出発前までに「ANA電話窓口」に連絡しましょう。

家族の特典利用

特典航空券を本人以外の「家族」が利用することも可能です。ここでいう家族とは、会員の配偶者・同性パートナー・2親等以内の家族を指します。利用の際は、会員専用ページにて「特典利用者登録」を行います。

登録時は続柄を証明できる書類の提出が必要になる場合もあるため、事前に準備しておくとよいでしょう。利用者の登録は最大10名までです。

また、3歳未満の「幼児」が特典航空券を利用する場合、大人と同じマイル数を利用すれば、生後8日以上から座席が確保できます。そのほか、小児運賃で航空券を購入するか、大人1人につき1名まで大人のひざの上に乗せることで、無料で同じ便への搭乗が可能です。

なお、3歳以上12歳未満の「小児」は、大人と同じマイル数が必要となります。

ANAマイルの有効期限が切れそうなとき

ANAマイルの有効期限は3年間です。マイルの有効期限があと数日で切れそうなときは、航空券の予約や旅行関連商品の購入に使える「ANA SKY コイン」に交換するのがおすすめです。

ANA SKY コインの有効期限は1年間（交換月の1年後の月末）のため、マイルを失効させずに済むでしょう。

基本は「1マイル＝1コイン（1倍）」ですが、1万マイル以上を交換すると「会員のステイタス」や「ANAカードの種類」によって1マイル当たりの価値が変わります。 

たとえば、ブロンズサービスメンバーで、かつANAカード（一般）を所持している場合、「1万マイル→1万2000コイン」に換算され、換算率が1.2倍にアップします。

コインは1マイル単位で交換でき、10コイン単位で利用が可能です。期限が近いマイルを無駄なく使いたい人にぴったりでしょう。

JALマイル特典航空券の注意ポイント

JALは国内線特典航空券の予約変更は可能ですが、国際線は変更ができないのが特徴です。貯めていたマイルの期限が切れそうなときの対処法も覚えておきましょう。

変更やキャンセル方法

JALの国内線は、有効期限内に限り「日付」「便名（同区間）」「クラス」の変更が可能です。予約変更締切日は「航空券の有効期限内」で、かつ「元の予約便の出発時間前」の必要があります。

出発時間の20分前までは「JAL Webサイト」で変更申し込みが可能ですが、20分を過ぎた場合は「JMB会員専用国内線予約」で手続きを行います。

国際線は予約変更ができません。予約を変更したい場合は、キャンセル・払い戻しの手続きを経て、再度予約を行いましょう。

国内線・国際線ともに「未使用の特典航空券」のみ払い戻しが可能です。払戻手数料は1特典・1名につき3100円（税込）です。マイル口座から差し引かれるのではなく、「カード払い」になる点に注意しましょう。

家族の特典利用

JALでは会員本人のほかに、会員の配偶者・会員の2親等以内の親族・義兄弟姉妹の配偶者も特典が利用できます。会員と異なる名字の場合、会員との間柄を示す証明書類の提出が必要になる場合があります。

特典への交換は、利用者ではなく「会員本人」が申し込むのがルールです。幼児が座席を利用しない場合マイルは不要ですが、JAL国際線特典航空券において座席を使用するときは、同伴者が同じ特典種別を利用する場合に限り、大人の必要マイル数の10％で利用できます。

JALマイルの有効期限が切れそうなとき

JALマイルの有効期限もANAと同じ3年間です。期限が近くなったら、「e JALポイント」に交換するのがよいでしょう。

e JALポイントの有効期限は1年間（交換月の1年後の月末）ですが、追加で交換をするたびに残高ポイントの有効期限が更新されます。つまり、こまめに追加交換をすれば、貯めたマイルは実質無期限で使えることになるのです。

航空券やJALパックツアー（国内は2022年3月末で終了）、燃油サーチャージの支払いに1ポイント単位で使えるため、交換するメリットは大きいでしょう。

通常は「5000マイル＝5000ポイント（5000円相当）」に換算されますが、1万マイルを交換した場合はレートが上がり、1万5000ポイントが獲得できます。

まとめ

特典航空券に交換するために、マイルをコツコツ貯めている人は多いものです。必要なマイル数は、路線やシーズン、予約クラスなどさまざまな要素によって決まります。

航空会社によっては予約ができない「利用制限期間」が設けられているため、旅の計画を立てる前にチェックしておきましょう。 

マイルの期限はJAL・ANAともに3年間です。期限切れになる前に「ANA SKY コイン」や「e JALポイント」などに交換しておくのがよいでしょう。

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