Suicaの基礎知識
Suicaとは「Super Urban Intelligent Card」の略です。「スイスイ」行ける「ICカード」を意味したものでもあります。 交通系ICカードとして広く利用されていますが、どのようなサービスなのでしょうか?概要や基礎知識を紹介します。
JR東日本運営の交通系ICカード
Suicaは、JR東日本が運営する交通系ICカードです。首都圏を中心に、全国のエリアで利用できます。オーソドックスな「カード型」をはじめ、スマホにSuicaの機能を搭載した「モバイルタイプ」も便利でしょう。
学生証や社員証にSuica機能を付与したサービスもあり、種類はさまざまです。「JRE POINT WEBサイト」に登録すれば、チャージしたり買い物したりすることで「JRE POINT」がたまります。
還元率はモバイルタイプも含めると、0.5~2%です。ためたポイントは「1ポイント=1円」として、Suicaにチャージしたり商品に交換できたりします。
電車利用や買い物が便利に
改札機やレジの読み取り機にかざすだけで決済が済むため、切符の購入や小銭を出す必要はありません。スピーディな精算ができることで、後ろの人に気を使わなくて済む点がメリットです。
Suica一体型クレジットカードである「ビューカード」を登録すれば「オートチャージ」もできるようになり、事前入金などの手間が省けます。
電車利用では、Suicaへチャージしていた金額よりも遠方に乗り越してしまった場合、「乗り越し精算機」でチャージや精算が可能です。オートチャージを利用すれば、入出場の残高不足時に自動でチャージしてくれます。
Suicaは「IC」マークが印象的な「交通系IC相互利用サービス」にも入っており、「PASMO」や「ICOCA」などの区間でも利用可能です。
Suicaカードの作り方
Suicaカードを作る際は、種類によって自動券売機や窓口など購入できる箇所が異なります。それぞれのSuicaカードについて、作り方を見ていきましょう。
記名式Suicaカードの場合
Suicaカードを作る場合は、大きく分けて「記名式」と「無記名式」の2種類があります。どちらも「みどりの窓口」や多機能券売機で購入が可能です。
価格は1000・2000・3000・4000・5000円・1万円の中から選択でき、「預かり金」500円を含みます。預かり金とは、カードの廃棄を減らす取り組みです。利用しなくなった場合にカードを返却すると、この500円は返金されます。
記名式はMy Suicaと呼ばれ、本人以外の使用は禁止です。氏名・生年月日・性別などの情報を登録することで、紛失または破損した場合でも新しいSuicaの再発行が叶います。
こども用のSuicaは記名式のみ販売され、みどりの窓口での受付です。利用すれば「小児運賃」で決済してくれるため、小学生以下の人は通常のSuicaカードよりもお得になるでしょう。
Suica定期券の場合
Suica定期券は、Suicaが使えるエリアのJR東日本駅構内で購入できます。
指定席券売機・多機能券売機・みどりの窓口の3カ所で入手可能です。新規の購入はもちろん、磁気定期券から変更することもできます。記名式と同じく、それぞれ預かり金として500円が必要になるため注意しましょう。
Suica定期券には「通勤定期券」のほか、「通学定期券」や「新幹線定期券(FREX)」「新幹線定期券(FREXパル)」があります。
新幹線定期券(FREX)は指定席券売機・多機能券売機・みどりの窓口のすべてで買えますが、学生が利用できる通学定期券と新幹線定期券(FREXパル)はみどりの窓口でしか購入できません。
通学定期券の購入時は、学生証の裏などにある「通学証明書」または「通学定期券購入兼用証明書」の提示が必要になるため、忘れず持参しましょう。
Suica連絡定期券の場合
連絡定期券とは、JR線と他社線(私鉄・地下鉄)が混ざった区間の定期券のことです。Suicaエリア内のJR東日本駅にある指定席券売機・多機能券売機・みどりの窓口で購入できます。
JR東日本が発行した「磁気連絡定期券」から「Suica連絡定期券」へ変更する場合も、指定席券売機・多機能券売機・みどりの窓口で手続き可能です。
また、JR線の定期券と他社線の定期券を併用している人は、一つのSuica連絡定期券へ変更できます。定期券はそれぞれ、磁気定期券でも対応可能です。
購入場所は、みどりの窓口のみとなっています。連絡可能会社は、30社を超える鉄道各線です。
JR線に加え、2社をまたぐか3社をまたぐかで発行可能範囲が異なります。公式サイトの発売範囲を確認しましょう。
モバイルSuicaも便利
Suicaをより便利に使うためには、モバイルSuicaは欠かせないでしょう。お財布がかさばらず、決済方法も簡単です。サービスの概要や、使い方を紹介します。
スマホがあればサービス利用可能
モバイルSuica最大の魅力といえば、鉄道使用時の高い還元率でしょう。Suicaカード(0.5%)と比べて4倍の2%還元です。
定期券もモバイルSuicaで登録できるため、毎日の通勤・通学でカードを持たずに済みます。スマホであれば、ポケットから素早く出して改札を抜けられるでしょう。
仮にスマホが破損したり、アプリをアンインストールしたりしても心配は要りません。再発行の手続きを踏めば、再度使用できるようになります。
モバイルSuicaの始め方
モバイルSuicaは、スマホがあればいつでも始められます。受付時間は午前4~翌朝2時までです。まずは、モバイルSuicaアプリに対応している機種のスマホを用意します。
端末のOSは、Android・iOSの両方に対応可能です。年数の古い型は対象外となる場合があるため、公式サイトで対応機種を確認しましょう。
次に、モバイルSuicaに登録するクレジットカードも用意します。こちらも、登録できるカードの種類やブランドが限定されているため確認が必要です。
なお、クレジットカードを登録しなくても「EASYモバイルSuica会員」に登録すれば、モバイルSuicaの機能を使用できます。 その際は、オートチャージなどの機能は活用できないため、用途に合わせて選択しましょう。
クレジットカードを会員情報に追加した時点で、EASYモバイルSuica会員から一般のモバイルSuica会員に変更が行われます。変更後は、クレジットカード情報を消してEASYモバイルSuica会員に戻ることはできません。
・アプリ名:Suica
・価格:無料
・App Store:ダウンロード
・Google Play:ダウンロード
Suicaクレジット一体型ビューカードを活用しよう
Suicaを最大限に利用したい人は、クレジットカード機能が付いた「Suicaクレジット一体型ビューカード」を使うと便利です。ポイントもたまりやすく、使いやすい機能も充実しています。 Suica機能の付いたビューカードについて、メリットや使用開始方法などを紹介します。
利用やチャージでJRE POINTやマイルがたまる
Suicaとクレジットが一体型となった「ビューカード」を利用すると、チャージや買い物の際にJRE POINTがたまります。 ためたポイントは電子マネーとしてSuicaへチャージやグリーン券への交換が可能です。
JRE POINT WEBサイトからは、ホテルの共通利用券やマッサージの利用券などにも交換できます。 ポイントは、買い物時にビューカードのクレジット機能を使用すれば、1000円(税込)につき5ポイントの付与です。
ビューカードのうち「JALカードSuica」「JALカードSuica CLUB-Aゴールドカード」はJRE POINTではなく、マイルがたまります。鉄道だけでなく飛行機に乗ることが多い人であれば、こちらのカードも選択肢の一つでしょう。
還元率の改定でよりお得に
JR東日本には、ビューカードで対象商品やサービスを利用すると、JRE POINTが通常よりも多く付与されるポイントシステム「VIEWプラス」があります。
2021年7月にJRE POINTの還元率見直しが行われ、これまでよりもポイントが貯まりやすくなりました。
従来、「モバイルSuica」で定期券を購入した際のポイント還元率は1.5%でしたが、改定後は、ビューカードゴールドでは4%、一般カードでは3%と大きくアップしています。
さらに、指定券予約サービス「えきねっと」でJRのきっぷを予約した場合、ビューカードゴールドでは8%、一般カードでは3%の還元が受けられます。
ゴールド会員は、みどりの窓口や券売機でのきっぷ・定期券購入でも1%のポイント還元が受けられるため、JRの利用頻度が高い人はゴールドカードの発行を検討しましょう。
カード申し込みとあわせてJRE POINT WEBサイトへ登録
Suicaクレジット一体型カードを申し込む際は、事前にSuicaを用意する必要はありません。Suicaを新たに申し込みたい人は、一体型カードを申し込むと一石二鳥です。
Suicaクレジット一体型カードのうち「Suicaクレジット一体型ビューカード」を利用する際も、JRE POINT WEBサイトへ登録するとよいでしょう。
一体型カードの利用でも、クレジットカード機能のないSuicaカード各種と同じようにJRE POINTがたまります。
サイトでは、ポイントを商品やSuica(電子マネー)に交換できたり、ポイントの履歴を確認したりすることも可能です。
JRE POINT WEBサイトの新規登録手続き後にログインし、「登録するポイントサービス」から「ビューカードで登録される方」を選択します。カード情報を登録すれば完了です。
定期券対応カードは書き込みが必要
ビューカードの中には、定期券として活用できる「Suica定期券機能付きビューカード」もあります。対象のカードは「ビュー・スイカカード」「ルミネカード」など5種類です。
カードを定期券として使用するためには、多機能券売機で情報の書き込みが必要です。定期券の「新規購入」または「発行替え」のいずれかの手続きを行いましょう。
新規購入する場合は、画面の「新規購入」をタッチし、定期券の種別を選択します。「定期券タイプ」の選択画面で「お手持ちのSuicaを利用する」を選び、画面の案内に従ってチャージを行いましょう。
手持ちの定期券からビューカードに定期情報を移し替える場合は、画面で「発行替え」を選択します。「移し替えの種類」では「Suica定期券機能付きビューカード」を選択し、使用中の定期券を挿入しましょう。続けてビューカードを挿入すると、定期情報の移行が行われます。
オートチャージ設定できるクレカはビューカードだけ
Suicaとクレジットカードを結びつける「リンク設定」をすれば、オートチャージが可能になります。リンクできるクレジットカードは「ビューカードのみ」です。
リンク設定は、駅にあるATM「ビューアルッテ(VIEW ALTTE)」で操作できます。まず、「ビューカードのサービス」から「Suicaのリンク」を選択します。
「リンク設定/変更」をタッチし、ビューカード・Suicaカードを2枚挿入しましょう。ビューカードの暗証番号を入力し「お申込み」を押せばリンク完了です。
画面に従って進めると、引き続きオートチャージ設定もできます。チャージの基準値となる「実行判定金額」と、チャージ額である「入金実行金額」をそれぞれ決めましょう。 「残高1000円(実行判定金額)以下で、3000円(入金実行金額)チャージする」のように、細かく設定できます。
なお、1日にオートチャージを利用できる上限は、2万円までです。
まとめ
Suicaにはカードタイプや定期券タイプ、モバイルタイプなどがあり、それぞれ購入方法が異なります。いずれも簡単に入手でき、さまざまなシーンで活用できるサービスです。
クレジット一体型のSuicaであれば、オートチャージで入金の手間が要りません。利用方法も簡単であり、ポイントもたまりやすいメリットがあります。普段の生活の中で使いやすいSuicaを検討してみてはいかがでしょうか?