主なマイルの有効期限と確認方法
日本で利用される主なマイルは、ANA・JAL・デルタ航空・ユナイテッド航空などの大手航空会社です。それぞれの有効期限や確認方法を紹介しましょう。
また、新型コロナウイルスの影響で、各航空会社での利用可能本数や対象区間の飛行禁止によるマイルの使用機会が大幅にダウンしています。
各社マイルに関して、有効期限延長の措置などを見ていきましょう。
ANAマイルは36カ月後の月末
ANAで取得できるマイルは「取得月から36カ月後の月末」が有効期限です。2022年7月5日に獲得したマイルは、25年の7月31日に失効します。
ただし、ANA「ダイヤモンドサービス」メンバーであれば、マイルの有効期限が実質無期限です。ANAの「プレミアムメンバーサービス」で、最高ランクである「ダイヤモンドステイタス」を獲得した人が受けられる特典となっています。
年間の搭乗実績やANAサービスの利用数、ANAカードやANA Payの支払総額でランクは変動し、降格した場合はすべての未使用マイルの有効期限が36カ月に戻る仕組みです。
また、ミリオンマイラーになると「ミリオンマイラープログラム」の特典として、生涯マイルが失効しません。
「ANAマイレージクラブ」に入会してから、ANAグループ運航便での総飛行マイルが100万LTマイル以上に達した人が対象です。
ANA|マイル・マイレージを貯めて多彩な特典ANAマイレージクラブ
JALマイルも同様
JALのマイルも同様、有効期限は「36カ月後の月末」になります。ためたマイルはJALのWebサイトにログインし「有効マイル数」の表示を見ることで確認可能です。
「マイル詳細」を選択すると「有効期限別マイル」の項で、毎月末日に失効するマイル数が表示されます。「有効期限別マイル詳細」をクリックすると、上から順に有効期限の短いマイルの失効日とマイル数が確認可能です。
Webサイト以外にも、会員向けメール配信サービス「JALメールニュース」に登録することで定期的にマイル実績の通知が受け取れます。
現在の有効マイル数の下に、直近3カ月の月末日に失効する予定のマイル数が書かれている仕様です。ひと目でわかりやすく、うっかり無効になってしまうことも少ないでしょう。
デルタやユナイテッドは有効期限なし
アメリカの主要航空会社である「デルタ航空」のスカイマイルや、「ユナイテッド航空」のマイレージプラス・マイルは、有効期限がありません。将来を見据えて、長期的にマイルをため続けられます。
なお、マイルを特典航空券へ交換した後、もう一度マイルに戻せるかの扱いについては両者に違いがあるようです。デルタ航空は、予約の取り消しやマイルの返還は一切認められていません。
一方で、ユナイテッド航空は、キャンセルと返還を受け付けています。ただし、出発までの日数ごとに、所定の「変更手数料」が必要です。
ユナイテッド航空のマイルを確認するには、ホームページから「マイレージプラス」へログインしましょう。その際、会員番号と入会時に設定したPINコードまたはパスワードの入力が求められます。
デルタ航空のマイルも、ホームページから確認可能です。
新型コロナウイルスによる各社のマイル対応
ANAは21年3月31日~翌22年2月28日までに期限が切れるマイルとANA SKYコインに対し、有効期限を22年3月31日まで延長することを決定しました。有効期限の延長は、公式サイトからの「参加登録」が必要です。
万が一延長対応が反映される前に失効してしまった場合も、期間内に参加登録を済ませていれば後日、同じ数のポイントまたはマイルを再付与してくれます。
JALでも公式サイトから「事前登録」をした人限定で、21年11月30日~翌22年月2月末日までに有効期限が切れるマイルとe JALポイントを「有効期限が22年3月末のe JALポイント」に変える対応をとっています。事前登録期間は「日本時間の22年2月28日23時59分までです。
デルタ航空では「メダリオン会員」に対し、23年1月末まで資格を延長しています。また、上位会員になるための「メダリオン資格マイル」のプログラムも、21年度取得済のものは22年度末まで繰り越されました。
ユナイテッド航空は上級会員の「2023プレミアステータス」に対して、プレミアム資格の基準を大幅に下げています。また、22年のフライト状況が未定のため、フライトの飛行区間数に基づくポイント(POF)の基準は審査の対象外です。
実質的に期限を延長する方法
苦労してためたマイルが期限切れになったら、もったいないことです。そこで、実質的にマイルの有効期限を延長できる裏技を紹介します。
ANA SKY コインに交換する
ANAでためたマイルの有効期限を、実質的に1年間延長できる方法があります。マイルを「ANA SKYコイン」に交換する手です。同コインの有効期限は、交換月の翌年月末までとなります。
交換比率は「1マイル=1コイン」です。しかし、1万マイル以上の交換になると、ANAマイレージクラブ会員のステータスや、ANAカードの種類に応じて交換比率が1.2~1.7倍に上がります。
ANA SKYコインでは航空券も購入できるため、交換比率が高ければマイルで購入するよりもお得です。 なお、通常は1マイル=1コイン~交換できますが、レートが変わる1万マイル以上の交換からは1万マイル単位での交換となります。
e JALポイントに交換する
JALのマイルも「e JALポイント」に交換すれば、有効期限を1年間延長することが可能です。5000マイル=5000ポイント・1万マイル=1万5000ポイントポイントの交換比率で、5000マイル単位で交換できます。
e JALポイントの有効期限は、1年間です。しかし、マイルをe JALポイントに交換するたびに「手持ちすべてのe JALポイントの有効期限」が1年後の月末へ延長されます。
マイルやe JALポイントの有効期限が近くなったとき、最低交換単位の5000マイルを移行すればマイルの維持が叶うでしょう。ためたe JALポイントは「1ポイント=1円」で使用でき、航空券や海外ツアーの支払いに活用できます。
知らないと損!e JALポイント - JALマイレージバンク
ポイント期限がないカードの利用も
有効期限があるマイルではなく、「ポイントが無期限」のクレジットカードでポイントをためる手段もあります。カードのポイントは、マイルに交換することが可能です。
マイルに交換した後は有効期限が発生するため、無期限のポイントでギリギリまでためて使う前に交換する方法がおすすめです。
ANAアメックスやANAダイナースがおすすめ
ANAには「ポイントが無期限のカード」があります。ポイントはマイルに交換できるため、必要なときだけポイントをマイルに換えれば、実質マイルの有効期限は気にしなくても済むでしょう。
「ANAアメックス(アメリカン・エキスプレス)カード」は、年間6600円(税込)の「ポイント移行コース」への加入で有効期限が無期限になります。
加盟店で100円につき1ポイント・ANAグループでは1.5倍のポイント付与です。「年間移行可能ポイント」の上限もなく、ためたマイルに一気に交換できます。
「ANAダイナースカード」は、カードの基本特典として、有効期限の期限がありません。100円の利用につき、1ポイントが付与されます。ポイントは、手数料無料でいつでもANAマイルへ移行可能です。
さらに「ANAカードマイルプラス」の提携店・対象商品の利用時は、ポイントに加え100円または200円につき1マイルが加算されます。
JALマイルならSPGアメックス
「SPGアメックスカード」であれば、航空券をクレジット払いで購入するだけでカードポイントがたまります。宿泊施設などで有名な「Marriott Bonvoy」のポイントです。
JALマイルをはじめ、ANAマイルなど40社以上の航空会社のマイルにも交換できます。還元率が最大1.25%と高く、ポイントの有効期限もありません。JALマイルに交換できるポイントの中でも、ためやすさと使い勝手のよさを両立させた1枚といえるでしょう。
年会費が3万4100円(税込)と高額ですが、高級宿泊施設の無料利用特典やMarriott Bonvoyの「ゴールドエリート」会員資格が付与されるなど、それなりのリターンが得られるお得なカードです。
まとめ
各航空会社のマイルは有効期限が付いているものが大半です。ANAやJALマイルの有効期限は約36カ月です。マイルの有効期限を延長させるために、各ポイントへ交換する手段もあります。
マイルによっては「航空系クレジットカード」の利用がお得です。必要なときにマイルへ交換すれば、実質マイルの有効期限を気にする必要はありません。保有しているマイルは将来のためにできる限り長く保存し、賢く使いましょう。