マイルが積算対象外になる場合とは？加算されない事例を紹介

マイレージプログラムの仕組み

「マイレージプログラム」とは、航空会社が独自に設けるポイント制度のことです。フライトの利用や買い物により「マイル」が還元され、貯まったマイルを特典航空券や旅行商品といった「特典」に交換できます。

マイルは飛行機への搭乗や買い物で貯まる

マイルを貯める方法は、「フライトの利用」と「カード利用（買い物）」に大別されます。フライトで貯まるマイルは「フライトマイル」と呼ばれ「マイル積算のルール」に基づいて算出されます。

ANAカードやJALカードなど、航空会社のクレジットカードを保有している場合は搭乗ごとに「ボーナスマイル」が上乗せされるのが特徴です。

マイレージ機能付きのクレジットカードを使い、普段の買い物で地道にマイルを貯める方法もあります。決済により、JALカードはマイルが直接付与されますが、ANAカードはカード会社のポイントが貯まります。

「マイレージの会員カード」の提示でマイルが積算される店舗や宿泊施設も多く、フライトを利用することなくマイルを貯める「陸マイラー」もいるほどです。

フライトマイルはマイル積算率に注意

国内線のフライトマイルは「搭乗の区間基本マイル×利用運賃の積算率」で算出されるため、距離や利用運賃により獲得できるマイル数が変わります。

区間マイルはIATA（国際航空運送協会）のTPM（運賃計算に使用する区間距離）が基準で、距離が長くなるほど多くのマイルが積算されるのが一般的です。

利用運賃とは、普通運賃や割引運賃などの「運賃種別」のことです。普通運賃のマイル積算率が100％なのに対して、JALの「特便割引」やANAの「ANA SUPER VALUE」などの割引運賃は積算率が75％に下がります。

国際線は「区間基本マイル×予約クラスごとの積算率」でマイル数が決まるのが特徴です。「予約クラス」はアルファベット1文字で表記され、積算率を一覧表で確認できます。

マイルが積算対象外になるのはどんなとき？

フライト利用はマイルが大きく貯まるチャンスですが、中には「マイル積算対象外」の予約クラスや便も存在します。マイルが積算されない主な事例について確認しましょう。

マイル特典を利用している場合

有償の航空券に対し、マイルから交換した無料の航空券を「特典航空券」と呼びます。通常は、航空券を予約すると一定のフライトマイルが積算されますが、特典航空券の利用ではマイル積算はありません。

この場合、料金を支払って座席のアップグレードをしても「アップグレード分のマイル」は積算されません。

同様に、宿泊施設に対してマイルで支払った場合や、マイルから交換した各種クーポン券を利用した場合もマイルの積算対象外です。

積算対象外の予約クラスで搭乗

予約クラスや運賃種別によっては、フライトマイルの積算が不可となっています。ANA国内線では「団体割引運賃」「包括旅行割引運賃（個人名の記載がないタイプ）」「いっしょにマイル割」などの運賃種別は、積算の対象外です。

JALでは「幼児運賃」「代理店割引運賃」「添乗員割引運賃」などの特殊運賃は、マイルが積算されません。

各航空会社には「マイル積算対象予約クラス」の一覧表があります。「積算対象予約クラス以外」で予約した航空券は、基本的にマイルが積算されないと考えましょう。

ANA国内線で「プレミアムクラス」にアップグレードした場合、もともと予約している運賃に一律で50％のマイルが上乗せされます。ただし「マイル積算対象外の航空券」を予約している場合は、プレミアムクラスを利用してもマイルは上乗せされません。

チャーター便やコードシェア便を利用

ANA及びJALの国内線では「チャーター便の利用」はマイルの積算対象外です。チャーター便とは、顧客のニーズに合わせて不定期に運航する便で、観光地向けのほか各種イベントに参加する人向けのチャーター便もあります。

この場合、旅行会社が契約して「ツアー商品」として顧客に販売するか、法人や団体が貸し切る形となります。

2社以上の航空会社が飛行機を共同運航する「コードシェア便」にも、注意が必要です。JALでは、他社が運航する便に「JAL便名」で搭乗した場合のみマイルが積算されます。

提携航空会社の便名が記載されている場合は「提携航空会社のルール」に基づいてマイルが積算されるため、積算率が異なったり、積算されなかったりするケースもあるでしょう。

こんな場合も加算対象外に

「マイル積算対象のフライトを利用したのに、積算されない」というときは、他社のマイレージプログラムに積算されていないかをチェックしましょう。「マイルの登録をうっかり忘れてしまっていた」というケースもあります。

他のマイレージプログラムに加算済み

マイル提携を行っている航空会社や、同じアライアンス（航空連合）に加盟する航空会社同士では、マイルの相互利用が可能です。

複数のマイレージプログラムに加入している人の場合「マイルが積算されていない」と思っても、他の航空会社のマイレージプログラムにすでに積算されている可能性があります。

一度積算されたマイルは、積算先を間違えたからといって他のマイレージプログラムへ積算し直すことは原則できません。予約前に積算先を確認しておきましょう。

事後登録期限を過ぎた場合

マイルは「予約時」または「出発空港」でマイレージクラブの会員番号を登録することで積算されます。搭乗前に登録を忘れた場合や何らかのトラブルで積算されなかった場合は、搭乗後の「事後登録」が必要です。

また、マイレージクラブに入会したばかりで、搭乗前にマイレージクラブカードを受け取れなかった場合も、忘れずに事後登録を行いましょう。

事後登録期限はJAL・ANAともに「搭乗日から6カ月以内」で、6カ月を過ぎてしまうとマイルの積算ができません。まれに航空会社の「加算漏れ」もあるため、搭乗後はマイル口座残高を確認するようにしましょう。

まとめ

買い物やフライトの利用など、マイルはさまざまなシーンで貯まります。特にフライト利用はマイルが大きく稼げるチャンスです。

「予約した航空券がマイル積算対象外だった」という惜しい結果にならないよう、予約前にマイル積算のルールを確認しましょう。

搭乗後は、所定のマイルがきちんと積算されているかをチェックしてください。積算されていない場合は事後登録を行いましょう。