マイレージとは?
航空会社には「マイレージ」というプログラムがあり、フライト利用などで「マイル」が貯まります。マイルは家族や友人などに譲渡できるのでしょうか?マイルを家族と合算して特典に利用する方法や、コインやクーポンに替えて相手に渡す方法を解説します。
特典航空券や電子マネーなどに交換できる
マイレージに入会すると、飛行機を利用するたびにマイルが積算されます。一定数が貯まると「航空券」「ツアー」「宿泊クーポン」など、自分の好きな商品やサービスと交換ができる仕組みです。
会員のみが利用できる「ショッピングサイト」もあり、航空会社のオリジナルアイテムや日本全国から取り寄せた旬の厳選グルメなども手に入ります。
旅行の予定がないという人は、「電子マネー」や「他社ポイント」に交換し、普段の生活の中でマイルを使うことも可能です。
なお、マイルが大きく貯まるのは主にフライトの利用ですが、「航空会社とカード会社が提携するクレジットカード」での買い物でも積算されます。
基本的にマイルは譲渡できない
日系航空会社の場合、マイルの有効期限は搭乗日から起算して36カ月後の月末です。「期限が切れる前に誰かにあげたい」「旅行好きの友人に譲渡したい」という人もいるでしょう。
残念ながら、JALやANAではマイルの譲渡・売買・共有・換金などは固く禁じられています。違反があった場合、会員資格の取り消しやマイルの没収、特典の利用停止など、厳しい罰則が科される可能性があるでしょう。
ただし、一部例外もあり、正しい手続きを踏めば「家族のマイル」を合算して特典に交換することが可能です。
家族間ならマイルを合算できる
JALやANAには、家族のマイルを合算し、特典に交換できるサービスがあります。JALカードやANAカードなどの「クレジット機能付きのマイレージカード」を持っていることが条件で、事前の手続きが必要です。
JALの合算方法
JALの合算サービスは「JALカード家族プログラム」と呼ばれます。「JALカード会員限定」のサービスで、合算できるのは、自分と生計を同一にする「配偶者」「同性パートナー」及び「一親等の家族」のマイルです。
配偶者や家族が「家族カード」を持っていれば、本カード会員が「親会員」、家族カード会員が「子会員」となり、親会員が代表して手続きを行います。家族がそれぞれJALカードの本会員であれば、親会員を1名選びます。
親会員はJALカード会員専用オンラインサービス「MyJALCARD」にログインし、所定の手続きを完了させましょう。
なお、会員が家族と離れ、海外に住んでいる場合は「JALファミリークラブ」に入会すると、家族のマイルが合算できるようになります。
JALカード家族プログラム(カードの機能) - JALカード
ANAの合算方法
ANAには、ANAカード会員限定の「ANAカードファミリーマイル」というマイル合算サービスがあります。合算できるのは、会員と生計をともにし、同居する「配偶者」「同性パートナー」または「一親等以内の家族」です。
JALと同様に、カード会員の中から「プライム会員(親会員)」を1名選出し、代表者が手続きを行います。
子会員となる家族が「家族カード」を持っている場合、ANAのWebサイトですぐに手続きが可能です。子会員が「家族カード以外」の場合は「ANAカードファミリーマイル参加申込書」での申し込み(郵送)が必要です。
また、会員が日本国外在住の場合は「ANAマイレージクラブ ファミリーアカウントサービス」で家族のマイルが合算できます。登録手数料が1000マイルかかる点に注意しましょう。
e JALポイントやSKY コインを使う手も
マイルをJALの「e JALポイント」やANAの「ANA SKY コイン」に交換してから、家族に譲渡する方法もあります。これらはWeb限定の電子クーポンで、航空券や旅行代金(ツアー)の支払いなどに使えます。
e JALポイントの場合、ツアーは「ツアーに申し込んだ代表者(JMB会員)本人のみ」しか使えませんが、それ以外は「会員の配偶者」や「会員の二親等以内の親族」も利用が可能です。
ANA SKY コインを会員本人以外が使う場合は、事前に「特典利用者登録」を行わなければなりません。特典が利用できるのは「会員の配偶者(同性パートナー含む)」及び「二親等以内の親族」です。旅行商品は、利用資格者が「旅行代表者」となる場合のみ使えます。
友人や恋人にマイルを譲渡する方法はある?
JALやANAのサービスでは、マイルやポイントを家族や親戚以外の第三者に譲渡することはできません。他社のポイントやマイル割りのサービスを使って、相手とシェアする裏技を紹介します。
SPGアメックスのポイントをシェア
JALやANAのマイルを直接譲渡はできませんが、クレジットカードのポイントを相手とシェアし、マイルに交換する裏技もあります。
たとえば、SPGアメックスカードでは、カードを使うたびに「Marriott Bonvoyポイント」が貯まり、会員同士であれば年間1~10万ポイントをシェアできるのです。
Marriott Bonvoyポイントは、JALやANAを含め、40以上もの航空会社のマイルに移行が可能です。ほとんどの航空会社は「3ポイント→1マイル」の交換レートで、6万ポイントを移行するごとに5000マイルが進呈されます。
おともdeマイルなら割引運賃で買える
JALの国内線には、「おともdeマイル割引」というサービスがあります。JALマイレージバンク会員を含む2~4名までのグループに適用され、同一便・同一クラス・同一路線に搭乗する場合にのみ利用が可能です。
具体的には、JMB会員は往復1万マイル、その同行者(3名まで)は割引運賃で航空券が予約できます。
マイルを譲渡できるわけではありませんが、グループで旅行する際にサービスを利用すると、旅費がぐっと安くなるでしょう。
なお、おともdeマイル割引には予約ができない「利用不可期間」があります。予約変更は不可で、予約を含めて当日中に購入しなければいけないことも覚えておきましょう。
まとめ
通常、個人のマイルは譲渡・合算ができませんが、家族の場合は例外です。条件がそろえば、合算して特典に利用できるため「1年後にみんなでハワイに旅行に行く」という大きな目標も立てられるでしょう。
恋人や友人とは、直接マイルのやりとりはできないものの、他社ポイントのシェアなどを通して、相手にマイルのメリットを贈ることができます。