1マイルの価値を意識して使おう
ANAマイルは、1マイルあたりの価値が固定されていません。交換する特典によって価値が変動し、大きく得することもあれば損をしてしまうこともあります。マイルを使うときは、「どのくらいの価値になるか」を意識して使うのがポイントです。
価値を高めるなら特典航空券
「特典航空券」とは、マイルで交換できる航空券のことです。ANA国内線は片道5000マイル～、国際線は往復1万2000マイル～交換できます。
「通常の航空券の購入金額÷特典航空券の必要マイル数」で、1マイルあたりの価値を算出してみましょう。国内線の場合、必要マイル数は「シーズン」と「区間」によって決まります。
たとえば、Rシーズン（通常期）における「羽田（東京）-那覇（沖縄）」のマイル数は、片道で9000マイルです。
一方、同じ路線を空席連動型運賃「ANA FLEX」で購入すると、片道は4万6710円です。「4万6710円÷9000マイル＝5.19円」で、1マイルあたりの価値は約5円ということになります。
A-styleでのお買い物もお得
旅行の予定がない人は、ANAマイルが使えるショッピングサイト「A-style」で、マイルを商品の購入代金に充てるのもよいでしょう。「1マイル＝1円」に換算され、不足分はクレジットカードで補えます。
カード決済をした分には、購入金額100円（税込）ごとに1マイルが積算される仕組みです。「ANAカード」の所持者は100円につき最大3マイルが積算されるほか、カード決済で対象商品が5％オフになるサービスも享受できます。
マイル決済で「ボーナスマイル」を還元するキャンペーンも不定期に行っており、キャンペーンや割引を上手に活用すればマイルの実質的な価値は1円以上になるでしょう。なお、初回利用時には、「A-styleショッピング登録」が必要です。
ようこそANAショッピング A-styleへ| ANAショッピング A-style
現金への交換は1マイル1円以下に
使い道が決まらずにマイルの期限が迫っているときは、「現金」に交換して普段の買い物で消費する手もあります。
ただし、マイルは直接現金化することができません。ANAマイレージの利用規約には、「マイルの売買・共有・合算・贈与」ができないと記載されています。
ANAが提携する「他社ポイント」を経由して、現金に交換する方法が有用でしょう。ただ、1マイルの価値が1円以下に下がってしまったり、換金ルートが複雑になったりするのがデメリットです。
たとえば、共通ポイントの「Tポイント」は「1万マイル→1万ポイント」に換算されます。Tポイントを現金にするには「Yahoo!ウォレットの受取口座」に「PayPay銀行」を登録する方法のみです。
交換レートは「100ポイント→85円」で、1万マイルは実質8500円になります。1マイルに換算すると0.85円で、価値は減少するということです。
交換率が高いANA SKYコイン
「マイルの価値を下げたくない」という人は、「ANA SKYコイン」に交換しましょう。10コイン単位で気軽に使えるうえ、会員のランクやカードの種類によって換算率がアップします。
ANA SKYコインとは
ANA SKYコインは、航空券やツアーなどのANA旅行商品に使える電子クーポンです。利用単位は10コイン（＝10円分）で、クレジットカードとの併用もできます。
特典航空券の場合、大型連休などの繁忙期は予約枠が制限されるケースも珍しくありません。ANA SKYコインは利用制限などがかからず、空席がある限り予約ができるのがメリットです。
また、特典航空券はマイルで交換するため、「フライトマイルの積算対象外」となります。対して、ANA SKYコインで予約した分には、マイルが通常通り積算されるのも魅力でしょう。
コインの有効期限は「積算月から数えて12カ月後の月末」です。マイルの有効期限は「獲得した月から起算して36カ月後の月末まで」となっています。マイルの有効期限が切れる直前に交換すれば、そこから1年間、ゆっくりと使い道が考えられるでしょう。
こんどの旅に、すぐ使える。ANA SKY コイン | ANAマイレージクラブ
1マイル1円以上になる
ANA SKYコインは、1マイルから交換が可能です。1～9999マイルまでは「1マイル→1コイン」の等価交換となっています。
1万マイル以上の交換になると、所持する「ANAカード」の種類や会員のステイタスによって交換率が変動する点は要チェックです。人によっては、交換率が最大1.7倍にもアップするため、マイルのままで使うよりもずっとお得になるでしょう。
公式サイトには「ANA SKYコイン シミュレーター」が用意されており、コインがいくら獲得できるかを簡単に把握できます。「マイル数」「保有するANAカードの種別」「会員のステータス」を入力し、「結果を確認する」をクリックしましょう。
たとえば、「ANAカード（一般）」を持つ「一般会員」の場合「1万マイル→1万2000コイン」に換算され、2000コイン分（＝2000円）お得になります。
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交換するときの注意点
家族にANAマイレージクラブの会員がいたとしても、基本的にそれぞれが保有するコインを合算して使うことはできません。
ただし、クレジット機能付きの「ANAカード会員」であれば、家族のマイルを合算し、代表者が特典に交換する「ANAカードファミリーマイル」サービスが利用できます。
合算の対象は、「本会員と生計を同一にし同居する配偶者や同性パートナー」と「一親等以内の家族」のマイルです。登録手続きが完了すると、代表者である「プライム会員（親会員）」の口座残高に合算されたマイル数が反映されます。
なお、合算するのが「プライム会員の家族会員」のみの場合は、即日オンライン上で申し込みが可能です。家族会員以外は「ANAカードファミリーマイル参加申込書」を提出する必要があり、合算完了までは2週間ほどかかります。
ANA SKYコインの交換率は？
ANA SKYコインの交換率は、カードの種類や会員のステイタスによって変動しますが、具体的にはどれくらいのコインが獲得できるのでしょうか？お得なカードの種類をピックアップして紹介します。
SFC会員は最大1.6倍
ANAが発行する「スーパーフライヤーズカード（SFCカード）」の所持者は「SFC会員」と呼ばれます。1～4万マイルまでは、普通カード会員と同じ交換率ですが、5万マイル以上では交換率が1.6倍になるのが特徴です。
ANAには、年間フライトマイル獲得数（プレミアムポイント）をもとにした「プレミアムメンバーサービス」という上級ランク制度があります。
「ブロンズ」「プラチナ」「ダイヤモンド」に区分され、ランクに応じたサービスが享受できるのが魅力です。
ただ、年単位で獲得マイル（プレミアムポイント）のノルマがリセットされ、基準に達しなかった場合これまでの実績にかかわらず会員資格が消失します。
SFCカードを申請してSFC会員になれば、年間の獲得数に関係なく「プラチナ会員」とほぼ同等の扱いが受け続けられる点が魅力です。
申請資格があるのはプラチナ会員またはダイヤモンド会員で、カード年会費が1万1275円（税込）～かかります。
スーパーフライヤーズカード | プレミアムメンバーサービス | ANAマイレージクラブ
一般カード会員も最大1.5倍とお得
SFCカードや「ゴールドカード」などのランクの高いカードは、コインの交換率が高くなる傾向があります。一方で、取得までにノルマがあったり年会費が高めであったりとハードルが高く感じる人もいるでしょう。
年会費2200円（税込・初年度無料）の「ANA一般カード」会員でも、マイルの交換率を最大1.5倍にアップさせることが可能です。
ANA 一般カードやANA ワイドカードの場合「3万マイル→4万2000コイン（1.4倍）」「4万マイル→6万コイン（1.5倍）」「5万マイル→7万5000マイル（1.5倍）」と、1万マイル増加につれて交換率も段階的にアップしていきます。
ANAカードを持たない「ANAマイレージクラブカード会員」の場合、交換率は最大1.2倍までしか上がりません。「5万マイル→6万コイン（1.2倍）」となり、ANA一般カード会員と比べてみると1万5000コインもの差が出てしまいます。
まとめ
ANAマイルの価値がもっとも高まる使い方といえば特典航空券ですが、「繁忙期の予約が取りにくい」「不足分を現金で補えない」などのデメリットがあります。
マイルの価値をできるだけ下げたくない人は、ANA SKYコインに交換するのがおすすめです。特典航空券のデメリットがカバーできるうえ、カードの種類や会員のランクに応じて交換率がアップします。フライト利用が比較的多い人は、SFC会員を目指すのもよいでしょう。
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