大韓航空マイルの特徴と魅力
「大韓航空(コリアン・エア)」は「仁川国際空港」を拠点に全世界に航路を持つ韓国のフラッグ・キャリアです。太極図とプロペラに由来するシンボルマークは日本でもおなじみでしょう。
有効期限が10年
大韓航空のマイレージプログラムは「スカイパス」と呼ばれます。会員登録(無料)をして「スカイパス会員」になると、搭乗するたびに「フライトマイル」が積算されます。
マイルの有効期限は搭乗日から起算して10年目の年末(12月31日)です。例えば、22年に獲得したマイルは、10年後の32年12月31日(韓国標準時)まで利用できます。
提携航空会社のフライトで獲得したマイルの期限も同様の10年間です。
なお、新型コロナウイルスの影響により、例外的な延長対応がとられています。21年末に有効期限がきたマイルに関しては、22年末へ1年間延長可能です。
家族会員マイルを合算できる
スカイパスには自分のマイルを使って家族に特典を譲渡したり、家族会員同士のマイルを合算したりできる「ファミリープラン」があります。
合算や譲渡が可能なのは、スカイパスへ入会済みの配偶者・2親等以内の親族・義理の娘・義理の息子です。合算するマイレージ数や合算する家族の順番の指定が可能なため、用途に合わせて無駄なくマイルが使えるでしょう。
ファミリープランを利用する際は事前に「家族登録」を行う必要があります。「ファミリープラン申込書」と「家族であることを証明する書類」を提出しましょう。手続きはFAXまたはWebサイトで行えます。
少数マイルも無駄なく使うことが可能に
大韓航空Webサイト(モバイルアプリも可)で通常の航空券を購入する場合、マイルと現金の併用が可能です。
対象は共同運航便を除く「大韓航空便」で、航空券を「韓国ウォン建て」で購入した場合に限ります。マイルの利用限度は「500マイル~航空運賃の20%相当額」です(税金・燃油サーチャージを除く)。
今後は、特典交換に満たない少額のマイルも無駄なく使えるようになるでしょう。なお、マイルの価値は変動制です。時期・需要・路線・予約状況などで変わり、「購入時の価値」が基準となります。
知っておきたいデメリットも
マイルの有効期限が長く、現金との併用ができるのは便利ですが、スカイパスのデメリットも知っておく必要があります。21年4月からマイルの加算ルールが変更になったため、旅行に行く予定がある人は要チェックです。
日本・韓国間の必要マイル数が多い
貯まったマイルで交換できる航空券を「特典航空券」と呼びます。スカイパスでは、航空券の交換に必要なマイル数がWebサイト上で確認できます。
行先が「日本・中国・北東アジア」の場合、通常期のエコノミークラスは往復で3万マイル、繁忙期では4万5000マイルです。
ANAやJALの場合、1万5000マイル前後で韓国への特典航空券(通常期・往復・エコノミー)に交換できるため、日本-韓国路線の必要マイル数の多さが際立ちます。
エコノミーのマイル加算率が改悪
フライトマイルは「飛行距離×予約クラス別の加算率」で算出します。スカイパスではマイルの加算率の見直しを行い、21年4月からは新たな基準でマイルが積算されることになりました。
ファーストクラス・プレステージクラスの加算率を引き上げ、エコノミークラスの加算率は航空券の水準に合わせて細分化するという内容です。
改定後の加算率を見ると、エコノミークラスにおいて「K / L / U」は100%→75%、「G」は80%→50%、「Q / N / T」は70%→25%と大幅にダウンしています。
大韓航空マイルのおすすめ交換先は?
大韓航空のマイルの使い道は多彩です。王道は「特典航空券との交換」ですが、「提携航空会社」のフライトを利用すれば、ハワイやドバイにも足が延ばせます。超過手荷物料金の支払いに充てれば、現金を使わずに済むでしょう。
ハワイアン航空の特典でハワイ旅行へ
大韓航空は「ハワイアン航空」と独自にマイレージ提携を行っています。スカイパスの会員は、貯めたマイルを「ハワイアン航空の特典航空券」に交換できます。
韓国-ハワイの往復航空券に必要なマイル数はエコノミーで7万マイル、ファーストクラスで14万マイルです。特典は往復便のみ有効で、片道でも往復と同数のマイレージが必要です。
JALもハワイアン航空と独自のマイレージ提携を行っています。参考までに「東京(羽田・成田)-ホノルル(カウアイ島・マウイ島)」の特典航空券(往復・エコノミー)は4万5000マイルです。
エミレーツ航空やエティハド航空でドバイへ
大韓航空は、アラブ首長国連邦を拠点とする「エミレーツ航空」や「エティハド航空」ともパートナー関係にあります。スカイパス会員は貯めたマイルを各航空会社の特典航空券に交換ができます。
アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ「ドバイ」への旅行を計画してみてはいかがでしょうか?
韓国-アラブ首長国連邦の往復航空券に必要なマイル数は、エコノミーで7万マイル、ビジネスで10万5000マイルです。エディハド航空のみファーストクラスがあり、往復14万マイルで搭乗できます。
発券時は各国の税金に加え、各種手数料がかかる点に注意しましょう。
空港ラウンジや超過手荷物にも使える
マイルは特典航空券以外にもさまざまな用途に使えます。旅行の際は、マイルを「KALラウンジボーナス」と交換し、フライト前のひとときを優雅に過ごしましょう。
ラウンジ利用には「大韓航空の便名で発券されている航空券」が必要です。必要マイル数は国際線ラウンジが4000マイル、韓国国内線ラウンジが2000マイルとなっています。
また、スカイパス会員は「超過手荷物料金」の「マイル払い」が可能です。超過手荷物1個あたりの必要マイル数は「日本・中国・北東アジア・グアム」では1万マイル、「北米・ヨーロッパ等」では2万マイルです。
まとめ
大韓航空はマイルの有効期限が10年と長く、自分のペースでじっくりとマイルを貯められるのがメリットです。
ただ、日本-韓国路線は特典航空券に必要なマイル数がやや多いのがネックです。21年度からはエコノミークラスのマイル加算率が大幅にダウンし、変更前よりもマイルが貯まりにくくなっています。
メリットとデメリットを踏まえたうえで、上手にスカイパスを活用しましょう。