ANAアメックスマイルの貯め方を紹介。使い方やメリットデメリット

ANAアメックスの特徴とは？

「ANAアメックス」とは、航空会社のANAとアメリカン・エキスプレスが提携して発行する、ANAマイレージクラブ（AMC）会員向けのクレジットカードです。ANAマイルとポイントがダブルで貯まるため、陸でも空でも手放せない1枚になるでしょう。

1000ポイント単位でANAマイルへ

アメックス全般のポイントプログラムは「メンバーシップ･リワード」と呼ばれます。カード決済100円ごとに1ポイントが付与され、貯まったポイントはさまざまな特典と交換が可能です。

ANAアメックスでは、年会費6600円（税込）の「ポイント移行コース」に参加すると、「1000ポイント→1000マイル」でポイントをANAマイルに移行できるようになるのが特徴です。1日の移行の上限は99万9000ポイントまでで、年間の移行上限はありません。

無期限にポイントとマイルを貯められる

アメックスのポイントの有効期限は3年間です。アイテムと交換すると無期限になりますが、3年の間に一度も交換しなければポイントはそのまま失効してしまいます。

ANAアメックスではポイント移行コースに参加すると、登録期間中はポイントの有効期間が「無期限」になります。ANAマイルの有効期限は36カ月間です。

ポイントをプールしておき、好きなタイミングでマイルに移行すれば、実質無期限でマイルが利用できることになるでしょう。

トラベルサービスが充実

ANAアメックスは、旅行関連のサービスや優待が充実しています。空港ではアメリカン・エキスプレスが提供する「空港ラウンジ」が無料で利用できます。

海外旅行時の「手荷物無料宅配サービス」や、国内外を問わずカードで購入した商品の破損・盗難などの損害を補償する「ショッピング・プロテクション」も付帯しており、旅行時は安心感や快適さが増すでしょう。

また、国内・海外旅行では、公共交通機関や航空券、宿泊代金などをカードで決済した場合に限り「旅行傷害保険」が付帯されます。

アメックス利用で知っておきたいキーワード

アメックスカードと一口にいってもさまざまな種類のカードがあり、カードによって参加できるコースやプログラムが異なります。

メンバーシップ・リワード・プラス

「メンバーシップ・リワード・プラス」は「アメリカン・エキスプレス・カード」や「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」などの保有者が入会できるオプションプログラムです。年会費は3300円（税込）で、以下のようなメリットがあります。

・ポイントの有効期限が無期限になる
・ポイントをマイルに交換する際、お得なレートが適用になる
・ボーナスポイントプログラムへの無料参加が可能
・ポイントをお得なレートでカードの支払いに充当できる

メンバーシップ・リワード・プラスに未入会の場合、提携航空会社のマイルへの移行レートは「2000ポイント→1000マイル」ですが、入会後は「1250ポイント→1000マイル」になります（ANAは1000ポイント→1000マイル）。

ボーナスポイント・プログラム

「ボーナスポイント・プログラム」はメンバーシップ・リワード・プラス登録者限定のプログラムです。

通常はカード利用100円につき1ポイントが付与されますが、プログラムに登録すると通常ポイントのほかに「2ポイントのボーナスポイント」が加算されます。

ポイントアップの対象加盟店は「Yahoo! JAPAN」「iTunes Store/App Store」「JAL公式Webサイト」「HIS公式Webサイト」「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン」「Amazon.co.jp」などでのショッピングです。

ポイント移行コース

ポイント移行コースは、ANAアメックスカードの独自のコースです。

通常のアメックスカードの場合、ポイントとANAマイルを「1000ポイント→1000マイル」で交換するには、年会費5500円（税込）の「メンバーシップ・リワード ANAコース」と、年会費3300円（税込）の「メンバーシップ・リワード・プラス」の両方に加入しなければなりません。カード年会費のほかに、8800円がかかる計算です。

一方、ANAアメックスカードの場合は、年会費6600円（税込）のポイント移行コースに加入するだけで、ANAマイルに「1000ポイント→1000マイル」で移行できるようになります。

ポイントをANAマイルに換えたいAMC会員にとっては、通常のアメックスカードよりもANAアメックスのほうが断然お得です。

ANAアメックスはこんな人におすすめ

ANAアメックスは、ANAマイルを効率よく貯めたいAMC会員や陸マイラーに人気のあるカードです。年会費がそれほど高くないため、「アメックスのカードを保有してみたい」という人にも適しています。

ステイタスの高いカードが欲しい人

「アメックスカード＝ステイタスが高い」という印象を持つ人は少なくありません。実際、他社カードに比べると年会費は割高です。

スタンダードな「アメリカン・エキスプレス・カード」でも年会費は1万円以上で、ゴールドカードになれば年会費は3万円以上に跳ね上がります。

ANAアメックスの年会費は7700円（税込）です。ポイント移行コースに加入しても年間総額は1万4300円で、アメックスカードの中ではもっともリーズナブルです。「お金をあまりかけずにアメックスカードを持ちたい」という人にはぴったりでしょう。

ANAマイルを効率的に貯めたい人

ANAアメックスの魅力は、陸でも空でもマイルが効率的に貯まるところです。

ANAグループのフライト利用では、通常のフライトマイルに加え、カード保有者限定の「搭乗ボーナスマイル」が積算されます。

通常のショッピングではアメックスのポイントが貯まりますが、「ANAカードマイルプラス加盟店」での買い物ではポイントのほかに、金額に応じたマイルが自動積算されます。

ANAアメックスを持つメリットとは？

ANAアメックスではアメックス独自の特典も享受できます。特に、旅行関連のサービスが充実しており、旅行や出張が多い人にとってはメリットが大きいでしょう。

空港ラウンジは同伴者1名まで無料で使える

カード会員とその同伴者1名は、アメックスが提供する国内・海外の空港ラウンジが無料で利用できます。ラウンジの入口で搭乗券とカードを提示しましょう。

アメックスの空港ラウンジは国内28カ所、海外1カ所です。羽田空港や成田国際空港などの主要空港はもちろん、青森空港や秋田空港、新潟空港などの地方空港にもラウンジがあるため、国内旅行のときは重宝します。

ハワイ旅行時は「ダニエル・K・イノウエ国際空港」の「IASS HAWAII LOUNGE」が利用可能です。

ショッピングや旅行保険が付帯

ANAアメックスには「国内旅行傷害保険」と「海外旅行傷害保険」が付帯しています。ただし、自動付帯ではなく「交通費や宿泊代金をカード決済すること」が付帯条件のため、旅行時はカードを忘れずに携帯しましょう。

また、カードで購入した商品が破損したり、盗難に遭ったりした場合、「ショッピング・プロテクション」によって、年間最高200万円までが補償されます。

オンラインショッピングにおいては、不正取引の損害を補償する「オンライン・プロテクション」が適用されるため、安心して買い物ができそうです。

魅力的な会員向けのイベントも

アメックスでは、会員向けのイベントやキャンペーンを豊富に用意しています。これまでには、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「貸切ナイト」や清水寺の「夜間特別拝観」、「#amexrun for 東京マラソン」などが開催されています。

アメックスを登録したApple Payで支払いをすると、加盟店で特典がもらえるキャンペーンも実施されました。

今後開催されるイベントやキャンペーンは、公式Webサイトの「会員向けイベント＆キャンペーン」で確認しましょう。

会員向けイベント・キャンペーン

デメリットもある？

ANAマイルが貯まりやすく、旅行関連の特典が充実している半面、電子マネーへの対応の弱さが目立ちます。他社のクレジットカードに比べると年会費が高いのもネックでしょう。

一般カードの割に年会費が高い

ANAアメックスは、アメックスカードの中では年会費がもっともリーズナブルですが、他社の「一般カード」と比べると年会費は高額です。

「楽天カード」や「dカード」はポイント還元率が1％以上ながら、年会費はかかりません。楽天カードの付帯特典には「海外旅行傷害保険（利用付帯）」や「カード盗難保険」などがあり、無料カードとは思えないほど特典が充実しています。

また、マイルが貯まる「ANA VISA 一般カード」の年会費は2200円（税込）で、ANAアメックスの年会費の1/3です。ANAアメックスには他社カードにはない魅力がありますが、最初に「年会費の元が取れるか」を考えたほうがよいでしょう。

電子マネーチャージではポイント還元なし

ANAアメックスから下記の各種電子マネーへのチャージは可能ですが、チャージポイントは還元されないのがデメリットです。チャージポイントを稼ぎたい人はほかのカードを検討しましょう。

・楽天Edy
・モバイルSuica
・SMART ICOCA
・モバイルPASMOチャージ

セブン＆アイグループの「nanaco」やイオングループの「WAON」については、チャージ可能なクレジットカードが限定されているため、アメックスカードではチャージそのものができません。

利用できない店舗がある

アメックスはクレジットカードの国際ブランドの一つですが、VisaやMastercardに比べると、利用できる店舗が少ないのがデメリットです。

現在、アメックスはJCBと提携関係にあり、JCBが使える店舗ではアメックスが利用できる可能性が高いです。国内での買い物に不便を感じることは少ないですが、海外にはJCBやアメックスに対応していない店舗があります。

海外旅行時はアメックスのカードに加え、VisaやMastercardが付帯したカードを携帯したほうが安心です。

マイルを上手に貯める方法

旅行や普段の暮らしの中で、ANAマイルを賢く貯めましょう。「なかなか貯まらない…」という人は、マイルやポイントが複数のカードに分散している可能性があります。

ANAグループや特約店でのカード利用

カード決済のポイント加算レートは「100円で1ポイント」ですが、「ANAグループ（航空券・旅行商品・機内販売・通信販売）」での利用では「通常の1.5倍」のポイントが積算されます。

「ANAカードマイルプラス」加盟店では「100円で1マイル」、「ANAグルメマイル」参加店では「100円で最大2マイル」が積算されるため、フライトを利用せずともマイルが貯められるでしょう。

また、「楽天Edyマイルプラス」対象店舗でカード付帯のEdyを使うと「200円で2マイル」が積算されます。

日々の支払いをANAアメックスに集約

日頃から複数のカードを使い分けている人はポイントが分散して、利用可能なポイント数に到達しないケースがあります。ポイントによっては使わないまま失効してしまうかもしれません。

日々の支払いをANAアメックスに集約し、集中的にポイントを貯めましょう。コンビニやスーパーでの買い物はもちろん、携帯料金や公共料金などの固定費もすべてカードで支払います。

通常のポイント付与率は「100円で1ポイント」ですが、ガス・水道・電気などの支払いは「200円で1ポイント」になる点に注意が必要です。

入会や継続、ANA便搭乗でボーナスマイル

カード保有者には、カード入会時（1回のみ）と毎年のカード継続時にそれぞれ1000マイルの「ボーナスマイル」が進呈されます。年会費を指定期日までに支払った場合、支払い月の翌月末頃までに加算されると考えましょう。

ANAの国内線特典航空券に必要なマイル数は片道5000マイル～なので、目標のマイル数に一気に近づくはずです。

また、カード保有者がANAグループのフライトを利用すると、通常のフライトマイルに加え、区間ごとに「クラス・運賃倍率×10％」のボーナスマイルが積算されます。

ボーナスポイント・パートナーズを利用

アメックスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」には、「ボーナスポイント・パートナーズ」というパートナー制度があります。提携店でカードを利用すると通常よりもポイントが多く加算されるため、利用しない手はありません。

ポイント付与率は加盟店ごとに異なります。たとえば、「高島屋オンラインストア」では100円で2ポイント、ホテル「THE HIRAMATSU」では100円で5ポイントが貯まります。

対象店舗の検索や詳細確認は、公式Webサイトの「ボーナス・ポイントパートナーズ」で確認しましょう。

ボーナスポイント・パートナーズ｜クレジットカードはアメリカン・エキスプレス®（アメックス）

貯まったポイントの使い方

ANAアメックスではANAマイルへの交換が王道ですが、商品券やEクーポンに交換したり、カードの支払いに充当したりとさまざまな使い方が選択できます。

ANAや提携航空会社のマイルに交換

ANAアメックスで貯まったポイントは「ポイント移行コース」に参加することで、ANAマイルに交換が可能です。ただし、本コースではANAマイル以外のマイルには交換ができません。

ほかの航空会社のマイルに交換したい人は、ANAアメックスではなく「アメリカン・エキスプレス・カード」を申請しましょう。「ポイント・プログラム」では、ANAを含む16の提携航空パートナーのポイントに交換が可能です。

商品券や多彩なクーポン類への交換

旅行の予定がない人は、普段の暮らしで使える「全国百貨店共通商品券」や「百貨店ギフトカード」「Eクーポン」に交換するのがおすすめです。メンバーシップ・リワードの「カタログサイト」には、ポイントで交換できる500以上の商品が掲載されています。

「体験」をテーマにしたユニークなアイテムもあれば、日々の暮らしで役立つ実用的なアイテムもあり、ポイントの使い道に困ることはありません。アイテムや商品券への交換を行うには会員専用サイト「オンライン・サービス」への登録が必要です。

買い物などの支払いに充てる

貯まったポイントをカード利用後の代金に充当することも可能です。ANAアメックスの場合、通常は「1ポイント→0.3円」に換算されますが、ポイント移行コースに入会している場合は一部の例外を除き、以下のレートが適用されます。ポイントはすべて3000ポイントからの交換です。

・カード年会費への充当：1ポイント→1円
・航空会社での利用：1ポイント→0.8円
・ホテル・旅行代理店での利用：1ポイント→0.8円
・旅行関連以外での利用：1ポイント→0.5円

また、「高島屋」と「ヨドバシカメラ」では「商品券」との交換が可能です。「3000ポイント→1000円分」に換算され、その場ですぐに使用ができます。

まとめ

ANAアメックスは、一般的なアメリカン・エキスプレス・カードよりも「ANAマイルへの交換」が有利に行えるのが特徴です。

他社の一般カードに比べると、年会費はやや割高ですが、マイルの交換を含め、旅行・フライト関連の特典が充実しており、ANAを利用する人にとっては魅力が多い1枚といえるでしょう。

ただ、電子マネーのチャージではポイントが還元されません。チャージポイントを稼ぎたい人はほかのカードとの併用も検討しましょう。