QUICPayとは
「QUICPay(クイックペイ)」は、非接触型ICカード「FeliCa」 を利用した非接触決済サービスです。2005年にJCBにより運用が開始されたQUICPayは、ポストペイ型の決済方法のみに対応していました。
ポストペイ型のイメージが先行しがちなQUICPayですが、2016年に運用開始された機能拡張版の「QUICPay+(クイックペイプラス)」では、ポストペイ型に加えてプリペイド型・デビット型の決済方法にも対応しました。
支払いタイプは三つ
QUICPayは180社以上のカード会社が発行するクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードで利用できます。
すべてのカードが利用できるわけではなく、QUICPayまたはQUICPay+の機能要件を満たすカードのみが利用可能です。
基本的には、FeliCa搭載(かつQUICPay対応)のiPhoneやAndroid端末でQUICPay対応カードを読み込みます。「Apple Pay」や「Google Pay」が自動的にQUICPay・QUICPay+として認識し、QUICPay対応の決済端末でサインレスの非接触決済ができる仕様です。
読み込むカードがクレジットカードならポストペイ(後払い)、プリペイドカードならプリペイド(先払い)、デビットカードなら支払い時に銀行口座から即時引き落としをします。
カードの情報をFeliCa(及びアプリ)で中継しているため、QUICPay自体にチャージ機能はなく、プリペイド型の場合はプリペイドカードにチャージする仕組みです。
スマホもしくはカードなどで使える
QUICPayは多くの場合、FeliCa搭載かつ対応アプリをインストールしたスマートフォンで利用します。
カード会社によって独自アプリを提供している場合もありますが、iPhoneなら「Wallet」アプリで管理するApple Pay、Android端末なら「おサイフケータイ」アプリ及びGoogle Payで利用するのが一般的です。
iPhoneやAndroid端末の機能要件、Apple PayやGoogle Payでのカード登録方法・決済方法については詳しく後述します。
また、QUICPay専用の単機能カードやQUICPay一体型クレジットカードなどもあり、カード会社によってはプラスチックカードでのQUICPay利用も選択可能です。
なお、QUICPayは機能要件を満たせばデバイスの形状は問いません。QUICPay対応のコイン型デバイス「QUICPayコイン」や、キーチェーン型の「QUICPay for ディズニー★JCBカード」などもあります。
利用するメリットとは?
QUICPayは、2021年6月時点で利用者数が1800万人を超えるほど社会に浸透した電子マネーです。
「QUICPay」加盟店ではポストペイ型のみの決済に対応しますが、「QUICPay+」加盟店ならプリペイド型・デビット型でも簡単かつ安全に決済できるでしょう。
かざすだけで決済完了
QUICPayでの支払いは、QUICPay機能搭載デバイスをQUICPay対応決済端末にかざすだけで完了します。
使用するデバイスによっては支払い時に本人認証が必要ですが、決済は通常1秒以内で完了します。混雑するコンビニやレストランでの決済をスピーディーかつストレスフリーに行えるのが大きなメリットです。
スマートフォンで利用するなら、ひも付けしたカードを持ち歩く必要はありません。カード情報はFeliCa及びアプリで中継するため、小銭も紙幣もカードも必要なく、スマートフォンさえあれば決済できます。
使える店舗が多い
QUICPayは「QUICPay」または「QUICPay+」のマークがある全国の豊富な店舗で使えます。加盟店は2021年6月時点で160万カ所以上にのぼり、さまざまな店舗ジャンルでQUICPayの利用シーンが拡大中です。
コンビニならセブン-イレブン・ファミリーマート・ローソンをはじめ、ミニストップ・デイリーヤマザキ・ポプラなどでも使えます。
イオングループ・イトーヨーカドー・マックスバリュなどのスーパーマーケット、マツモトキヨシ・ウエルシア薬局・ココカラファインなど、ドラッグストアも加盟店が豊富です。
ほかにも、カフェやレストラン、百貨店や家電量販店、カラオケ・タクシー・遊園地・空港施設などでも使えます。
より安全に使える
QUICPayではクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードを登録したデバイスで決済するため、支払い時にプラスチックカードを取り出したりサインしたりする必要がありません。
プラスチックカードによる支払いではカード番号や暗証番号を盗み見られるなどして悪用される恐れもありますが、QUICPayによる支払いはセキュリティ面で安心です。
さらに、支払い時に指紋認証や顔認証による生体認証を行うデバイスであれば、万が一デバイスを紛失しても第三者による悪用を防止できます。
ポストペイ型ならチャージ不要
プリペイド型ならプリペイドカードにチャージ、デビット型なら銀行口座の残高を準備する必要がありますが、ポストペイ型なら支払い前のチャージや入金が不要です。
ポストペイ型ではクレジットカードの限度額内で支払いをし、クレジットカード利用分とQUICPay利用分の利用料金が合算され、後日銀行口座から引き落とされます。
チャージもサインも必要がないポストペイ型は、スピーディーかつ安全な決済方法を求めている人にとって魅力的な選択肢といえそうです。
デメリットもある
QUICPayでは、現金払いやカード払いよりスピーディーかつ安全に支払いできますが、利用限度額やポイントプログラムについては注意が必要です。
1回の利用限度額が2万円
「QUICPay」マークの加盟店でQUICPay払いをする場合、支払い1回あたりの利用限度額は2万円までです。
「QUICPay+」マークの加盟店では仕様上の利用限度額はありませんが、カード会社によって利用限度額は異なります。また、QUICPay・QUICPay+加盟店ともに、店頭での支払い方法は1回払いのみです。
独自のポイントプログラムがない
QUICPayは「残高をチャージして支払う電子マネー」ではなく、「カードによる支払いをFeliCa搭載デバイスで中継する決済サービス」です。
この仕様により、QUICPayとしての独自のポイントプログラムはありません。利用できるのはカード会社のポイントプログラムです。
QUICPay払いで貯まるポイントの種類や還元率はカードによって異なるため、還元率の高いQUICPay対応カードを選びましょう。
QUICPayの使い方
QUICPayはさまざまなデバイスで利用できますが、ここでは主なデバイスとしてiPhoneやAndroid端末での支払方法を解説します。
iPhoneでの支払い
QUICPayをiPhoneで使う場合は、「QUICPay」加盟店または「QUICPay+」加盟店の店頭レジで「QUICPayで支払います」と伝えます。決済端末にiPhoneをかざせば決済できますが、その前に生体認証が必要です。
iPhone 7やiPhone 8などの「Touch ID」搭載端末の場合は、ホームボタンをダブルクリックして、ホームボタンに指を載せたまま決済端末にかざします。
iPhone X以降の「Face ID」搭載端末の場合は、サイドボタンをダブルクリックして、顔認証を済ませてから決済端末にかざしましょう。
しばらくかざしたまま待って「クイックペイ」という決済音が鳴れば、支払いは完了です。
Androidでの支払い
QUICPayをAndroid端末で使う場合も、iPhoneの場合と手順はほぼ同様です。まずは店頭レジで「クイックペイで支払います」と伝えます。
Android端末の場合は生体認証が必要ないため、そのまま決済端末にかざしましょう。しばらくかざしたまま待って「クイックペイ」という決済音が鳴れば、支払いは完了です。
QUICPayの始め方
QUICPayを使い始めるにあたっては、まずQUICPay対応カードが必要です。iPhoneとAndroid端末では対応カードが異なる場合もあるため、あらかじめQUICPay公式サイトから対応カードを確認しておきましょう。
対応カードをすでに所有していれば、iPhoneやAndroid端末で登録を行うと自動的にQUICPay・QUICPay+として認識されます。
iPhoneで使いたい場合
QUICPayに対応するiPhoneは、iOS 10.1以降をインストールしたiPhone 7以降です(Apple Payを利用するにはiOS 12.5.2以降が必要)。まずはApple Payで使うカードを登録するために、「Wallet」アプリを起動しましょう。
「追加」か右上の「+」をタップして画面を進め、カードの種類は「クレジット/プリペイドカード」を選択します。カード情報をカメラで読み込むか手入力して画面を進め、「完了」をタップすればカード登録は完了です。
Androidで使いたい場合
QUICPayに対応するAndroid端末は、Android 5.0以降とおサイフケータイアプリ6.1.5以上をインストールしたFeliCa搭載端末です。
OS・アプリのバージョンが要件を満たしていることを確認したら、Google Payアプリを起動しましょう。
「+お支払い方法」「クレジット/デビット/プリペイド」の順にタップし、カード情報をカメラで読み込むか手入力して画面を進めます。最後にSMSかメールで本人認証を行えばカード登録は完了です。
スマホ以外のタイプの場合
スマートフォン以外のタイプでQUICPayを使う場合、事前にカード発行会社への申し込みが必要です。クレジットカード一体型の他、カードに紐付けて使える、「QUICPayカード」を追加発行できるカード会社もあります。
また、裏面にQUICPayマークがついた「nanacoカード」なら、申し込み手続きを行えばnanacoとQUICPayが1枚で使える「QUICPay(nanaco)」として利用可能です。
まとめ
QUICPayはカードタイプやコインタイプでも使えますが、iPhoneやAndroid端末にQUICPay対応カードをひも付けて使うのが一般的です。
ひも付けするカードによって入金・引き落としのタイミングが異なります。好みの支払い方法に合わせてクレジットカード・プリペイドカード・デビットカードをひも付けて使いましょう。
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