スカイチームとは
スカイチームは、2000年に設立された航空会社のアライアンス(加盟連合)です。ANAが加盟するスターアライアンスやJALが加盟するワンワールドと合わせて、「三大アライアンス」とも呼ばれます。加盟している航空会社や、主な特徴を見ていきましょう。
19社が加盟するアライアンス
スカイチームは、メキシコの「アエロメヒコ航空」、フランスの「エールフランス」、アメリカの「デルタ航空」、韓国の「大韓航空」の4社によって設立されたアライアンスです。2022年現在は19社が加盟しています。
「チャイナエアライン」や「ベトナム航空」、「ガルーダインドネシア航空」など、アジア系の航空会社も複数加盟中です。日系の航空会社は加盟していませんが、アジア・アメリカ・ヨーロッパの各航空会社が加盟していることもあり、国際線を利用するなら目にする機会もあるでしょう。
スカイチームは獲得した航空会社のマイレージを取りまとめているだけで、独自のマイレージプログラムは持っていません。加盟している航空会社で貯めたマイルは、「航空会社ごとのルール」によって利用できます。
スカイチーム・エリート会員のメリット
各航空会社で定められたマイルを貯めると、「スカイチーム・エリート会員」の条件を満たします。エリート会員になる条件は航空会社ごとに異なりますが、たとえばエールフランスであれば「シルバーステータス」以上の会員がスカイチーム・エリートです。
エリート会員は、スカイチーム所属の航空会社すべてで特典が使えます。優先チェックインカウンターや優先的な座席指定、手荷物の追加など特典は豊富です。予約時の空席待ちが優先され、優先搭乗もできます。
なお、さらに上のステイタスを持つ会員は「スカイチーム・エリートプラス」の資格が付与されるのも特徴です。
エリートプラスになると、長距離便で24時間以上前に満席となった便でも、エコノミークラスの座席が確保できるようになります。世界中にあるスカイチームのラウンジの利用や、手荷物受取の優先なども可能です。
マイルを貯めるならどこがおすすめ?
スカイチーム所属の航空会社では、どの会社がマイルを貯めやすいのでしょうか。主な航空会社の独自のサービスやマイレージプログラムの特徴を押さえて、利用しやすいエアラインを選びましょう。
デルタ航空
アメリカを拠点とするデルタ航空の「スカイマイル」は、日本国内でも貯めやすいマイルです。有効期限は無期限で、国内線も利用できます。日系では、「スカイマーク」の特典航空券に交換できるのも魅力でしょう。
上級会員へのハードルも低めで、「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード」を発行すると自動的にシルバーメダリオン会員の資格が付与されます。入会時はボーナスのほか、期間内の対象の航空券購入で最大3万マイルが獲得できるお得なカードです。
スカイマイルは片道から特典航空券へ交換でき、現金との併用もできます。マイルの購入や譲渡もできるため、家族のマイルの合算なども簡単にできるでしょう。
チャイナエアライン
台湾に拠点があるチャイナエアラインは、日本~台湾路線が充実しています。航空券の価格も抑えられており、ビジネスクラスの航空券も日本(成田)~台湾(台湾桃園)間なら片道10万円以下での購入も可能です。
台湾を経由して別の国に行く路線もあり、こちらも価格は抑えられています。乗り換え時間で台湾観光ができる無料半日ツアーが組まれていることも特徴で、2カ国での旅行を楽しめるでしょう。
また、チャイナエアラインと提携した「CAL JCBカード」の利用では、100円の利用につき1~1.5マイルが貯まります。
乗り継ぎを予定していない場合、単距離の利用となり貯まるマイルは少なめですが、マイルはVIPラウンジの利用や手荷物料金超過の際にも利用が可能です。ラウンジ利用は5000~1万マイル・手荷物超過料金は1200マイルからと、比較的使いやすいでしょう。
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大韓航空
大韓航空は、日本と韓国を結ぶ路線が充実しています。日本の地方都市からも仁川行きの便が出ているため、居住地を問わず利用しやすいでしょう。
東京~仁川の基本マイレージは758マイルです。積算率はクラスや運賃によって変わりますが、エコノミーの割引運賃でも70~80%の積算率で利用できることが多いでしょう。
貯めたマイルはラウンジでの利用や、スカイチーム所属のエアラインを利用した「世界一周ボーナス」にも利用できます。エコノミークラスでは14万マイルで世界一周の旅ができるなど、魅力的な特典です。
大韓航空は、ほかのアライアンスに加盟する「JAL」や「ハワイアン航空」などとも独自に提携しています。フライトマイルが貯まるほか、特典航空券への交換も可能です。
フライト以外では「SKYPASS/JCBカード」の利用で、「100円(税込)につき1マイル」が貯まります。
日系のエアラインとの提携
スカイチーム所属の航空会社は、別のアライアンスに加盟する航空会社とも提携していることがあります。提携会社はそれぞれ異なりますが、ANAやJALのマイルを貯めている人も使いやすい航空会社を紹介しましょう。
ANAのマイルが貯まるのは?
コードシェア便を運航しているスカイチームの航空会社の利用では、ANAマイルが貯まります。ただし、ANAマイルが貯まるのはコードシェア便限定です。一部の航空会社では、提携航空会社の運航するもののみが対象になることもあります。
「ガルーダ・インドネシア航空」は東京や大阪~インドネシアへの直行便を運航しています。エコノミーの割引運賃では30%の積算率です。
「ベトナム航空」もANAとのコードシェアを実施しています。東京・大阪などからベトナムへの直行便の利用が可能です。エコノミーの割引運賃の積算率は30~50%となっています。
なお、ANAの上級会員「プレミアムメンバー」のステイタスをもっていれば、コードシェア便利用の場合でも、ANAの上級会員サービスを利用可能です。
JALのマイルが貯まるのは?
JALは、スカイチーム所属の航空会社と一部提携しています。コードシェア便だけではなく、対象の便であればマイルが加算されるのも特徴です。一部の航空会社とは、マイルの相互利用もできます。
「大韓航空」の場合は、JLまたはKE便名で運航している飛行機の積算対象クラスの搭乗でマイルが貯まります。コードシェア便に限り、「KE便名でJAL運航のもの」のみです。
「エールフランス」も、JL便またはAF便の特定予約クラスがJALマイル加算対象です。コードシェア便は、「AF便名かつJAL運航のもの」に限ります。
中国・上海に拠点を置く「中国東方航空」は、20年5月よりプレミアムエコノミークラスの搭乗でもJALマイルが積算される仕組みに変わっています。
JL便またはMU便の対象予約クラスで積算されるほか、コードシェアは「MU便名でJAL運航」の場合にマイル積算が可能です。「中国発着国際線」と「中国国内線」で対象予約クラスや積算率が一部異なる点を押さえておきましょう。
まとめ
スカイチームは、日本発着路線を持つ多くの航空会社が加盟するアライアンスです。日系エアラインの加盟がなく利用する機会は少ないですが、JALやANAと提携している会社もあります。
特定の国に行くことが多い場合やJALとANAのコードシェア便を利用することが多い場合には、スカイチーム所属の航空会社も活用してみましょう。