ダイヤモンドサービスメンバーになるには
JALには「FLY ON プログラム」、ANAには「プレミアムメンバーサービス」と呼ばれる上級会員向けのプログラムがあります。一般会員の上に複数の「上級ステイタス」が存在し、その最高ランクにあたるのが「ダイヤモンドサービスメンバー」です。
ステイタスの基準となるポイントを貯める
フライトを利用すると、マイルとは別に「ポイント」が付与されます。ANAでは「プレミアムポイント」、JALでは「FLY ON ポイント」と呼ばれ、年間に獲得したポイント数により会員の翌年の「ステイタス」が決まるルールです。
搭乗で貯まるフライトマイルは、「搭乗区間の区間マイル」に「利用運賃・予約クラスのマイル積算率」を掛けて算出されます。ポイントは別の算出方法です。
・ポイント=「フライトマイル」×「路線倍率」+「搭乗(ボーナス)ポイント」
路線倍率は、ANA・JALともに「日本国内線」は2倍、「日本発着のアジア・オセアニア線・ウラジオストク線」は1.5倍、「その他の国際線」は1倍です。搭乗ポイントは運賃種別や予約クラスごとに規定があり、0~400ポイントの間で積算されます。
どれくらい飛行機に乗れば貯まるの?
ANA・JALともに、各ステイタスを獲得するための「年間ポイント数」が決まっています。フライトのうち半分は、「自社のグループ運航便」を利用するルールです。
JAL FLY ON プログラム
・クリスタル:3万ポイント(うちJALグループ便1万5000ポイント)
・サファイア:5万ポイント(2万5000ポイント)
・プレミア:8万ポイント(4万ポイント)
・ダイヤモンド:10万ポイント(5万ポイント)
なお、プレミア資格は、「JGC(JALグローバルクラブ)」の入会者のみ適用されます。
ANA プレミアムメンバーサービス
・ブロンズ:3万ポイント(うちANAグループ便1万5000ポイント)
・プラチナ:5万ポイント(2万5000ポイント)
・ダイヤモンド:10万ポイント(5万ポイント)
ANAのWebサイトには、「ANAフライトマイル・ポイントシミュレーション」があります。どの路線でどう稼ぐかの計画を立ててみましょう。
ANA SKY WEB : ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション
ステイタス維持は難しい
ポイントは年間(1月~12月)で積算され、1年ごとにリセットされます。毎年一定数のポイントが獲得できなければ、翌年にはランクが下がってしまう仕組みです。
一方で、ステイタスをキープする方法も存在します。ANAでは「プラチナ」に到達すると「スーパーフライヤーズカード(SFC)」の申請資格が得られます。
カード発行でSFC会員になると、カードを保有している限りプラチナとほぼ同等の待遇が受け続けられる方法です。
JALの場合「サファイア」到達でJGCへの入会資格が得られ、年会費を支払っている間は「ワンワールドサファイアサービス」が享受できます。
ただ、ダイヤモンドランクに関してはカード発行によるステイタス獲得はなく、キープする際も地道にポイントを貯め続ける方法しかありません。
上級ステイタスを目指す大きなメリット
上級会員になると、ステイタスに応じた特典やサービスが享受できるようになります。ステイタスが上がれば上がるほど、サービスの質も上がる仕組みです。ダイヤモンドサービスメンバーになると、旅の多くの場面で便利さや快適さを実感するでしょう。
優先チェックイン
国内・海外の空港には、ステイタスに合わせた「優先のチェックインカウンター」が用意されています。列に並んで待つストレスから開放されるうえ、フライトまでの時間をゆっくり過ごせるのがメリットです。
ANAのダイヤモンドメンバーは、プレミアムメンバー専用の「ANA PREMIUM CHECK-IN」及びANAのダイヤモンドメンバー専用の「ANA SUITE CHECK-IN」が利用できます。
JALのダイヤモンドメンバーは、ダイヤモンド・プレミア専用の「JALファーストクラス・チェックインカウンター」のほか、所属する「ワンワールド」のエメラルドステイタスのサービスを同時に受けられるのが特徴です。「oneworld」の表示がある、優先チェックインカウンターも利用できます。
あらゆる場面で優遇される
ダイヤモンドメンバーは、空港での手続きのほとんどが優遇されるといっても過言ではありません。グループ便やアライアンス加盟航空会社便に搭乗する際は、到着空港で優先的に手荷物が受け取れる「プライオリティバッゲージサービス」が適用になります。
無料で受託できる手荷物の個数や重さが優遇されるため、お土産を買いすぎてしまっても慌てる必要がありません。国内線の場合、JAL・ANAともに「通常の手荷物許容量+20kg」までが無料です。
搭乗日当日は「空港での空席待ち」が最優先され、乗りたい便に乗れる確率が高くなるでしょう。JALでは他社運航のコードシェア便を除き、ワンワールド加盟会社便の搭乗でも同サービスが受けられます。
もっと多くの旅に出かけられる
上級ステイタスを獲得すると、一般会員よりもさらに多くのマイルが獲得できるようになります。航空券の「優先予約サービスも」あり、繁忙期でもスムーズにお目当てのチケットが取れるでしょう。
マイル積算率がアップ
ダイヤモンドメンバーは、対象便の搭乗でフライトマイルの積算率がアップするのが特徴です。ANAの場合、ステイタスとその継続年数によって積算率が変わります。
ダイヤモンドステイタス1年目は115%、継続2年以上は125%です。さらに「ANAゴールドカード」や「ANAカード プレミアム」の保有者であれば、積算率が5%上乗せされます。
JALの場合、ボーナスマイルの積算率は航空会社ごとに異なります。JAL及びアメリカン航空では130%、ブリティッシュエアウェイズ(イギリス)及びイベリア航空(スペイン)では100%の積算です。対象となる予約クラスや運賃種別は、各航空会社のWebサイトで確認しましょう。
特典航空券が予約しやすい
「特典航空券」とは、有償ではなくマイルで交換した「無償航空券」を指します。特典の座席枠には制限があり、繁忙期はあっという間に満席になりますが、ダイヤモンドメンバーは予約が優先されるのがメリットです。
JALの国内線特典航空券は「搭乗日の330日前」からの予約が通常です。しかし、ダイヤモンドサービスメンバーはそれよりも早い「搭乗日の334日前」から予約が行えます。
ANAの国内線特典航空券は、運航ダイヤごとの一斉発売です。ダイヤモンドサービスメンバーは「先行予約サービスの特典」により、ほかのメンバーよりも一足先に予約ができます。
なお、国際線特典航空券には、先行予約制度がありません。ダイヤモンドサービスメンバーは、空席待ちの際に優先されます。ANAの場合は、予約時も優先的に対応してもらえるでしょう。
優雅な旅をサポート
旅をより優雅に、快適にしてくれるのがワンランク上の「空港ラウンジ」です。ダイヤモンドサービスメンバーにはアライアンスの上級会員の資格が付与されるため、世界中のどこに行っても上質なサービスが受けられます。
上級ラウンジの利用
国内外の主要空港には、各航空会社の「専用ラウンジ」が用意されています。通常は有料ですが、ダイヤモンドサービスメンバーとその同行者1名は「ステイタスカード」を提示すれば無料で入室が可能です。
ANAのラウンジには「ANA LOUNGE」「ANA ARRIVAL LOUNGE」のほか、上級会員やファーストクラスにあたる「プレミアムクラス」利用者のみが入室できる「ANA SUITE LOUNGE」などがあります。
JALのラウンジは「共有ラウンジ」「サクララウンジ」「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」の三つです。
サービス内容は各ラウンジによって異なりますが、上位のラウンジにはシャワー室やマッサージチェアなどが完備されており、リラックスしたひとときが過ごせるでしょう。オリジナルメニューや、アルコールを提供するラウンジもあります。
アライアンス加盟会社のラウンジも
同じ航空連合(アライアンス)に加盟する航空会社間では、マイレージの提携だけでなく航空ラウンジの共有も行っています。
ANAは、三大アライアンスのうち「スターアライアンス」加盟です。ダイヤモンドサービスメンバーには「スター アライアンス・ゴールドステイタス」が自動付与され、スターアライアンス加盟航空会社に搭乗の際は「スターアライアンス ゴールドのロゴ」が入ったすべてのラウンジが利用できます。
JALは「ワンワールド」に加盟しており、ダイヤモンドサービスメンバーにはワンワールドのエリートステイタスである「エメラルド」が与えられます。
全世界約600カ所以上にある「ワンワールド アライアンス加盟航空会社のラウンジ」が利用できるため、旅がぐっと快適になるでしょう。
旅でさらなる喜びを
ダイヤモンドサービスメンバーの優待は、予約時やフライト時だけにとどまりません。自分が好きな特典が自由に選べるのも魅力です。ANAのプレミアムメンバーは、ステイタスの基準となるポイントとは別に「アップグレードポイント」というご褒美が与えられます。
ANAのアップグレードポイント
ANAの「アップグレードポイント」は、「プレミアムメンバー」のみに特別にプレゼントされるポイントです。ポイント数は「前年度に獲得したプレミアムポイント数」に基づいて計算され、「座席のアップグレード」や「ラウンジの利用」などに使えます。
お金をかけずに、普段よりも贅沢で快適な旅が実現できるでしょう。有償航空券やツアー、燃油サーチャージの支払いに使える「ANA SKY コイン」にも交換が可能です。
なお、ポイントの有効期限はステイタスの期限と同じ「4月1日~翌年3月31日」で、1年間の間に使い切るのが原則です。
選択できる特典
ダイヤモンドサービスメンバーは、複数のコースから自分の好きなものが選べる「選択式特典」が享受できます。
ANAでは、6万円相当のANA SKYコインがもらえる「ANA SKYコインコース」や「IHG・ANA・ホテルズグループ宿泊・お食事コース」をはじめとする、計九つのコースから選択が可能です。
今後もステイタスを維持し続ける会員は、航空券の予約に使えるANA SKYコインやアップグレードポイントがもらえる「アップグレードコース」が役立つでしょう。
JALのコースは5種類と少なめですが、現金のようにグループ内の支払いに充当できる「e JALポイントコース」や「ギフトコース」などのほか、パートナーや家族の会員ステイタスを本会員と同等にランクアップさせる「パートナーステイタスコース」も用意されています。
まとめ
ダイヤモンドサービスは、金銭的・時間的・体力的に厳しいマイル修行を乗り越えてきた人のみが得られるステイタスです。「そこそこのステイタスで十分」という人は、ANAのプラチナやJALのサファイアを目指し、SFCの発行やJALグローバルクラブへの入会で会員資格を維持する方法もあるでしょう。
ダイヤモンドを目指す場合は、1年でどれくらいのポイントを獲得しなければならないのか、綿密な計画を立てる必要があります。
ANAやJALのマイルはポイントサイトで貯まったポイントをドットマネー経由で交換することでお得に貯めることができます。さらに今ならドットマネーおすすめのポイントサイトで新規会員登録キャンペーンを開催中です。