フライトマイルはどのように計算されるの?
航空会社のマイルは提携クレジットカードでの買い物や宿泊施設の利用などさまざまな場面で積算されますが、フライトの利用で貯まるマイルは「フライトマイル」と呼ばれます。マイルの積算方法を知り、1回のフライトでどれだけのマイルが貯まるかを計算してみましょう。
JALとANAの計算方法
JALとANAのフライトマイルの計算方法は、ほぼ同じです。「IATA(国際航空運送協会)」の「TPM(発着地点の直線距離)」を基準とした「区間マイル」に、運賃種別や予約クラスごとの「積算率」を掛けて算出します。
フライトマイル=「区間マイル」×「運賃種別・予約クラスごとの積算率」
東京-大阪は280マイル、東京-札幌は510マイル、東京-北京は1313マイル、東京-パリは6194マイルといったように、距離の長さとマイル数は比例するのが通常です。
積算率とは
区間マイルに掛け合わせる「積算率」は、「運賃種別」や「予約クラス」によって決まります。国内線の航空券には、「普通運賃」や「割引運賃」などの運賃種別があります。割引率が高いものほど積算率は低く、逆に割引が少ないものほど積算率が高くなるのが一般的です。
国際線の航空券は、予約クラスによって積算率が変わります。アルファベット1文字で示された運賃種別のことで、同じエコノミークラスでも複数の予約クラスが存在することを覚えておきましょう。
積算されない場合もある
フライトマイルの積算一覧に掲載されていない予約クラスや運賃は、「積算対象外」と考えましょう。特に、「提携航空会社の運航便」や「コードシェア便」では、積算対象外の予約クラスがいくつも存在します。
有償ではなく、貯めたマイルを使って予約する「特典航空券」は、マイルの積算対象外です。「幼児運賃」「代理店割引運賃」「添乗員割引運賃」などの特殊運賃でも、マイルは積算されません。
「個人包括旅行(パッケージツアー)」もマイルが積算されないケースがあるため、申し込み前は旅行社に確認をしたほうがよいでしょう。JALの場合、積算対象になるツアーパンフレットには「マイルがたまります」の表示があります。
積算率の決まり方
フライトマイルの積算率は、運賃種別や予約クラスのほか、搭乗クラスや会員のステイタスによっても大きく変化します。積算率の決まり方や注意点を、JALとANAを例に挙げて解説しましょう。
国内線航空券は運賃とクラスで変わる
国内線航空券は、「運賃種別」や「予約クラス」が積算率の基準です。JALやANAの場合、運賃種別とマイル積算率の関係は以下のように規定されています。
普通運賃・往復運賃・ビジネス運賃:100%
早割などの割引運賃:75%
個人包括旅行割引運賃:50%
ANAには、ワンランク上の「プレミアムクラス」があります。プレミアム運賃の積算率は125~150%と高く、1回のフライトでも多くのマイルが稼げるでしょう。
JALには、普通席の一つ上に「クラスJ」という座席クラスがあり、マイル積算時は「区間マイルに10%」が加算されます。区間マイルの75%の運賃種別をJクラスで利用する場合は、75+10=85%です。
国際線航空券は予約クラスで変わる
国際線航空券は、「予約クラス」で積算率が変わるのが特徴です。ファーストやエコノミーなどの「座席クラス」と混同されがちですが、予約クラスは「運賃」や「予約変更の可否」など、さまざまな条件によってつけられています。
ANAやJALの場合、エコノミークラスの積算率は30・50・70・100%に区分され、それぞれの運賃種別に対応する予約クラスが決まっています。積算対象予約クラスであれば、パッケージツアーの「包括旅行運賃」もマイル積算の対象です。
「提携航空会社」のフライトでもマイルが貯まりますが、積算対象となる予約クラスや路線が会社ごとに異なるため必ず確認しましょう。
積算率が希望よりも少なかった場合、予約変更可能なクラスであれば追加料金を支払って積算率の多いクラスへ変更する方法も一つです。
同区間内で日付や時間のほか、「より高い運賃」や「上位予約クラス」への変更が認められている場合もあります。
上級ステイタス会員は積算率アップ
搭乗回数が増えると、一般会員から上級会員へとレベルアップします。ANAでは「プレミアムメンバー」、JALでは「サービスステイタス」と呼ばれ、ランクが上がれば上がるほどきめ細やかなサービスが受けられる仕組みです。
ANAにはブロンズ・プラチナ・ダイヤモンドの上級ステイタスがあり、フライト時は通常のマイルのほかに「ボーナスマイル」が積算されます。「プラチナ」の場合、ステイタス1年目の積算率は90%、継続2年以上は100%です。対象のクレジットカードの保有者は、さらにマイル積算率がアップします。
JALの上級ステイタスは、クリスタル・サファイヤ・プレミヤ・ダイヤモンドです。ボーナスマイルは、ランクごとに付与対象となる航空会社が決まっています。
「サファイヤ」の場合、日本航空・アメリカン航空は105%、ブリティッシュエアウェイズは100%、イベリア航空は50%の積算です。
予約クラスはどこで確認をするの?
航空券の券面には、さまざまな情報が記載されています。アルファベットと数字の表記が多く、旅慣れた人でなければ運賃種別や予約クラスを判別するのは難しいでしょう。予約確認画面や比較予約サイトの検索から調べる方法もあります。
eチケット、予約確認画面
ANA・JALともに、電子搭乗券「eチケット」や「eチケットお客様控え」にはアルファベット1文字で「予約クラス」が記載されています。「クラス(CLASS)」の項目をチェックしましょう。
ANAの場合、同券「運賃種別」の項目に記載されている英数字のコードからも確認可能です。運賃の適用規則を示しており、1桁目が予約クラスにあたります。
コード1桁目:予約クラス
コード2・3桁目または3・4桁目:運賃タイプ(予約変更や払い戻しの可否)
4桁目または5桁目:「Z」または「P」の場合は期間限定運賃
JAL Webサイトでは、予約画面の「フライトの選択」で予約画面が確認できます。希望便を選択すると右側に「旅程パネル」が表示されます。「+フライトの詳細を開く」をクリックし、「予約クラス」の項目を確認しましょう。
比較予約サイトの検索画面
「比較予約サイト」の場合、予約クラス表示されるサイトとされないサイトがあります。「エクスペディア」の場合は、検索結果で確認ができます。
まず、出発日や行先を入力し、検索ボタンをクリックしましょう。検索結果に表示された航空会社の便で「フライトの詳細」を開くと、「座席クラス(予約クラス・アルファベット1文字)」で記載されています。たとえば、「エコノミー(U)」といった形式です。
予約クラスや運賃種別を調べたら、次はANAやJALの「マイルシミュレーションツール」を使って実際に獲得できるマイル数を計算してみましょう。
ANAは「ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション」、JALは「FLY ONポイントを簡単計算」で検索すると、該当ツールが出てきます。
まとめ
国内線は運賃種別、国際線は予約クラスでマイルの積算率が変わります。上級ステイタスになるとボーナスマイルがプラスされ、さらに多くのマイルが獲得できるでしょう。
マイラーにとって、「フライトでどのくらいのマイルが貯まるか」は重要です。予約時は「予約クラス」がわかるサイトで検索し、実際に獲得できるマイル数をシミュレーションしてみましょう。