PiTaPaの特徴とメリット
株式会社スルッとKANSAIが運営するPiTaPaは、入会金も年会費も無料の交通系ICカードです。関西を中心に全国で使用できます。特に、関西の私鉄や地下鉄・JR・バスなどに乗車するときに便利です。
ショッピングや飲食店でも利用できるPiTaPaには、どのような特徴があるのでしょうか?
ポストペイ型の交通系ICカード
まず挙げられるのは、「後払い方式」のポストペイ型を採用しているという点です。
使った分だけ指定の口座から引き落とされる仕組みのため、PiTaPaポストペイエリア内であれば、残高不足で改札を通過できないということがありません。
交通系ICカードの多くは、事前に入金して使用するチャージ式を採用しています。残高不足に気付いていないと、改札前で手間取ることもあるでしょう。PiTaPaなら、そのようなチャージ式の不便さを解消できます。
ポイントが貯まる、使える
ショップdeポイントを貯めて、自動的にPiTaPaの「利用代金に充当」できる点もメリットです。PiTaPaショッピング加盟店において、PiTaPaを使用した電子マネーによる支払いをすると、通常100円ごとに1ポイントが貯まります。
店舗によってはポイントが5倍や10倍、20倍ということもあるため、上手に活用することで、どんどん貯められるはずです。
貯まったポイントは500ポイント=50円として、PiTaPaポストペイエリアでの交通料金の引き落とし時に自動的に差し引かれます。500円に満たなかったポイントは、翌月以降に繰り越される仕組みです。
各種運賃割引サービスが適用されお得
PiTaPaに加盟している交通機関は、それぞれ割引サービスを提供しています。そのため、普段利用している電車やバスの運賃が、PiTaPaを使って支払うだけでお得になるのです。運賃割引サービスには、主に下記の3種類があります。
利用額割引
利用回数割引
登録型割引サービス
利用額割引と利用回数割引は、条件を満たすことで自動的に適用されるサービスです。PiTaPaを使って加盟交通機関に乗車するだけで、お得に使用できます。
一方、登録型割引サービスは、事前の登録をすることで適用される割引です。区間指定割引や1カ月乗り放題などがあるので、自分のライフスタイルに合うサービスを選べば交通費を節約できるでしょう。
提携カードのバリエーションが豊富X
さまざまなバリエーションの提携カードがある点も、PiTaPaの特徴です。PiTaPa機能のみのカードはもちろん、クレジットカード機能が付いているカードも豊富にあります。
クレジットカード機能付きの場合、発行している会社ごとに独自の特典があるのも見逃せません。自分の使い方に合っている提携カードを選ぶことで、さらに便利かつお得に利用しやすくなります。
デメリット
関西エリアでの交通機関の乗車時に便利なPiTaPaですが、デメリットもあります。メリットと合わせてチェックしておくことが大切です。
相互利用地域では事前チャージが必要
後払いが特徴のPiTaPaですが、ポストペイ方式で乗車できるのはPiTaPaポストペイエリアに限定されています。エリア外の相互利用地域では、「事前にチャージ」していないと乗車できないのです。
残高が一定以下になったときに自動でチャージされるオートチャージも、PiTaPaポストペイエリア内でしか適用されません。エリア外で使用する場合には、手動による事前チャージが必須です。
電子マネーとしての互換性はない
SuicaやICOCAといった交通系ICカードとの互換性が、交通機関乗車時に限定されるのもPiTaPaのデメリットです。交通系ICカードは、コンビニやスーパーといった店舗でも支払いに使用できます。
しかし、店舗での支払いにPiTaPaを使えるのは、PiTaPa加盟店の場合のみです。SuicaやICOCAなどのマークがある店舗でも、PiTaPaのマークがない場合には支払いができません。
オートチャージでもっと便利に
オートチャージは、残高が一定以下の場合に自動でチャージされる仕組みです。特に、JRと私鉄を乗り換えて利用することが多い場合に、便利な方法です。
入会時にオートチャージ登録済の場合
入会するときにオートチャージに登録している場合には、手持ちのPiTaPaでそのままオートチャージができます。使うときに、特別な手続きは必要ありません。
PiTaPaポストペイエリア内(JR西日本ポストペイエリア以外)で改札を通過するときに、オートチャージが実施されます。
改札機や運賃箱にタッチするだけで、カード内の残額が1000円以下の場合に2000円がチャージされるのです。キッズカードの場合には、カード内残額が500円以下の場合に1000円がチャージされます。
オートチャージ未登録の場合
オートチャージの登録をせずにPiTaPaを作った場合でも、「設定変更」をすることで、オートチャージが使用可能です。
PiTaPaポストペイエリア内にある主要な駅や営業所で、手続きを行います。本人確認のために、免許証・健康保険証・学生証などが必要です。ただし、エリア内の駅であっても、JR西日本の駅では設定の変更ができないことに注意しましょう。
更新などでカードを交換した場合
クレジットカード機能付きのPiTaPaを使用している場合、更新によりカードが変更になることがあります。この場合、オートチャージの設定自体は引き継がれるため、新たに設定をする必要はありません。
注意が必要なのは、旧カードの「チャージ残高が引き継がれない」という点です。新しいカードのチャージ残高は、最初0円になっています。
ただし、旧カードの残高が、そのままなくなるわけではありません。後日、指定の口座へ払い戻しされるので、返金されているかどうかは口座を確認しましょう。
楽天カードでのオートチャージは可能?
便利なオートチャージ分の金額は、ポストペイ分と合わせて、あらかじめ指定した口座から引き落とされます。
そのため、クレジットカードにひも付けして、オートチャージをクレジットカード払いにはできません。楽天カードも例外ではなく、PiTaPaのオートチャージには設定できない仕組みです。
チャージ残高利用時の注意点
PiTaPaを使うときに事前チャージした残高は、PiTaPaポストペイエリア内での運賃の支払いや、ショッピングには利用できません。
エリア内では自動的に支払いが後払い方式に変わります。そのため、チャージしてある残高が減ることはないのです。
また、チャージした残高が不要になった場合でも、原則として払い戻しはできません。ただし、紛失・盗難・任意で退会する場合は、手数料550円を払えば指定口座に返金されます。
日頃乗車したり買い物をしたりするのがエリア内のみという場合、支払いは後払いのため、チャージの必要はないかもしれません。チャージをするときやオートチャージを設定するときには、その点に注意して入金しましょう。
まとめ
関西エリアで交通機関に乗車するときに便利なPiTaPaは、ポストペイ方式という後払い式を採用している点が特徴の、交通系ICカードです。
チャージ残高を気にせずに改札を通れることや、ショッピングで貯めたポイントを運賃の支払いに充当できること、さまざまな運賃割引サービスなど、メリットがたくさんあります。
一方、相互利用地域での乗車には事前のチャージが必要な点や、ショッピング利用時のSuicaやICOCAとの互換性がない点などは、デメリットです。
また、楽天カードにひも付けして、オートチャージの支払いに使うこともできません。メリットとデメリットを考慮して、自分に合っていると判断したうえで作成しましょう。