おもてなしのシンガポール航空
世界でもっとも優れた航空会社を決める「エアライン・オブ・ザ・イヤー」において、シンガポール航空は2018年が第1位、19年・20年は第2位を獲得しています。
この賞は安全性や機内設備、サービスなどのあらゆる面を審査基準とするもので、シンガポール航空はトップレベルの評価を受けています。
リッチな客室が魅力
シンガポール航空は総2階建てのエアバス「A380-800」や静かで燃費効率のよい「A350-900」など、快適さを追求した最新鋭機を導入しています。機内では1400を超えるオンデマンドエンターテインメントが楽しめ、長距離飛行も苦にならないでしょう。
客室の設備は機体によってさまざまですが、ビジネスクラス以上はプライベートが確保された仕切りのある仕様です。A380-800のスイートはホテルの一室のような豪華な造りで、独立型のベッドも完備されています。
アライアンスは、ANAと同じ「スターアライアンス」の加盟です。ANAマイレージクラブ会員は、ANAマイルでシンガポール航空の特典航空券が予約できます。
ただし、A350-900・A380-800などの一部の機種において、ビジネスクラス以上は特典予約の対象外です。加えて、20年6月15日からはシンガポール航空当局により、特典航空券予約が一時的に制限されています。
空と陸どちらでもマイルを貯められる
シンガポール航空のプログラムは、「クリスフライヤー」です。搭乗のほか、「提携ホテルの予約」や「カード利用」でもマイルが積算されます。
フライト利用が少ない陸マイラーは、三井住友カードの「クリスフライヤーVISAカード」を検討しましょう。支払い額「100円につき1マイル」が貯まるうえ、入会ボーナスも獲得できます。
フライトマイルが積算されるのは、「シンガポール航空」をはじめ、同グループのローコストエアライン「スクート」やアライアンスなど「提携航空会社」の搭乗時です。
搭乗実績を積み「エリートシルバー」または「エリートゴールド」の資格を獲得した会員は、シンガポール航空とスクートの利用時に「飛行実績マイルの25%」が上乗せされます。
マイルの有効期限は付与日より3年が基本ですが、初めて有効期限が残り少なくなるマイルは有料で有効期間が延長できます。
お目当ての特典に交換しよう
貯まったマイルは、航空券の予約や座席のアップグレード、商品交換などに使えます。ホテルやレンタカー予約時の支払いにも充当できるため、旅費がぐっと節約できるでしょう。なかでも「特典航空券の交換」は、マイルの価値が高まる交換先の一つです。
必要マイル目安の確認は簡単
特典航空券の交換に必要なマイル数は、「飛行距離(ZONE)」「航空券の種類」「客室クラス」の組み合わせなどによって決まります。公式Webサイトにある「Miles calculator(マイル計算ツール)」を活用し、特典交換に必要なマイル数を確認しましょう。
検索時、出発地と目的地にはアルファベット3文字の「3レターコード」を入力します。国際航空運送協会(IATA)によって定められた「空港コード」のことで、成田国際空港は「NRT」・シンガポールのチャンギ国際空港は「SIN」・関西国際航空「KIX」です。
Miles calculatorの「フライトをアップグレードする」に必要事項を入力すると、アップグレードに必要なマイル数が簡単に計算できます。
特典航空券の種類と予約方法
特典航空券は、「Saver」と「Advantage」の2種類です。Saverは通常よりも少ないマイル数で交換できますが、利用枠に限りがあるため繁忙期は予約が取りにくくなる傾向があります。
Advantageは各往復航空券につき、2回のストップオーバー(途中降機)が可能です。必要マイル数は1万5000マイル~で、Saverよりも多くのマイルを要します。
予約は、公式Webサイト(singaporeair.com)で行えます。ログイン後、画面の案内に従って手続きを完了させましょう。スターアライアンスメンバーの特典航空券予約も、Webサイト上で行えます。
希望する旅程がオンライン上で選択できない場合は、公式サイトの「クリスフライヤー」→「各種フォーム」から「提携航空会社の特典航空券予約」のフォーマットをダウンロードして申し込むか、クリスフライヤー会員サービスに問い合わせましょう。
必要マイル数は「クリスフライヤー」→「マイルを使う」を選択し、「スター アライアンスの特典航空券について」の「スターアライアンス特典チャート」で確認できます。
アップグレードの条件
座席クラスは、「エコノミー」「プレミアムエコノミー」「ビジネス」「ファースト」が用意されています。「座席のアップグレード」とは、購入済みの座席クラスを1ランクアップさせるサービスです。
エコノミーからビジネスへの2ランクアップは不可ですが、エコノミープレミアムが搭載されていない機種では例外的にビジネスへのアップグレードが可能です。
エコノミークラスの運賃には、「フレックス」「スタンダード」「バリュー」「ライト」の四つの種別があります。シンガポール航空でアップグレードできるのは、手持ちの航空券の種別が「エコノミースタンダード(M・H・W)」または「エコノミーフレックス(Y・B・E)」の場合のみです。
ほかの座席クラスにおいても「アップグレード対象外の予約クラス」があるため、事前に確認をしましょう。
マイルがあと少し足りないという場合
JALやANAでは、口座のマイル数が特典交換に必要なマイル数に満たない場合は交換申請が行えません。シンガポール航空ではマイルと現金の併用ができるため、お目当ての特典に早く手が届きます。特典航空券に満たない少額のマイルが無駄なく使えるのもメリットでしょう。
現金と併用する
シンガポール航空の公式Webサイト(singaporeair.com)で予約する場合に限り、マイルと現金の併用が可能です。
1回の決済に必要な最低マイル数は1050マイル~で、マイル利用後の残金は「クレジットカード」または「デビットカード」で支払うのがルールです。
航空券の予約はもちろん、空港税・燃油サーチャージ・プリファードシート(有料座席)の支払いにもマイルと現金が併用できます。予約画面の「お支払い方法の選択」で、「クリスフライヤーマイルでのお支払い」を選択しましょう。
また、提携ホテルやレンタカーの予約の支払いにもマイルが充当できます。1回の利用につき1500マイル~が必要で、必要マイル数は通貨換算により変動する仕組みです。
所持ポイントをマイルに交換する
アメックスカードのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」では、ポイントの交換先にシンガポール航空のマイルが選択できます。
交換レートは「2000ポイント→1000マイル」ですが、年間参加費3300円の「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すると「1250ポイント→1000マイル」にレートがアップするため参加しておきたいところです。
世界最大級のホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」のプログラム「マリオットボンヴォイ」で付与されるポイントは、シンガポール航空を含む40の航空会社のマイルに交換ができます。レートは「3ポイント→1マイル」で、6万ポイントの交換ごとに5000マイルのボーナスが付きます。
まとめ
日系航空会社では必要マイル数に満たない場合、特典交換ができません。一方で、シンガポール航空では、マイルと現金の併用が認められています。ホテルやレンタカーの予約、ショッピングなど交換先も多彩で、マイルの使い道に困ることもありません。
シンガポール航空は、リッチな設備と行き届いたサービスが高く評価されています。座席のアップグレードで、いつもよりも優雅な旅を満喫するのもよいでしょう。