ICOCAはApple Payに未対応
JR西日本の交通系電子マネー「ICOCA」は、2023年春ごろにモバイル版のサービス提供が予定されています。
しかし、現状では、モバイル端末での決済には対応していません。Apple Payとの連携も未対応です。オンラインチャージやオートチャージも対応しておらず、都度チャージが必要となっています。
現状、カードをタッチして使うのみ
ICOCAは、カードタイプのみ販売されています。Apple Payだけでなく、おサイフケータイなどのウォレットアプリにも対応していません。スマホを改札にタッチして利用したい場合は、別の交通系電子マネーを検討する必要があります。
JR西日本の利用でポイントが貯まるのは、「ICOCAポイント」です。利用する路線によっては、別の交通系電子マネーを利用するとポイント還元の対象とならないため注意が必要です。
利用する路線がJR西日本以外の場合や、ポイント還元を目的としていない場合はほかの交通系電子マネーを検討しましょう。
オンラインチャージも不可
ICOCAは、「駅や店舗での現金チャージ」と「クレジットカードによるクイックチャージ」に対応しています。
現金チャージがオンラインに対応していないのは仕方がない面もありますが、クレジットカードとICOCAを紐付けていてもオンラインチャージはできません。
一定の残高を下回ると自動でチャージができる「オートチャージ」にも対応しておらず、定期的に駅や店舗でのチャージが必要となります。
JR西日本のクレジットカード「J-WESTカード」を保有している場合も、同様です。オンラインでJ-WESTポイントをポイントチャージする手続きができますが、SMART ICOCAへの入金はクイックチャージ機での操作が必要です。現状、チャージをするには、駅や店舗での操作が欠かせません。
2023年「モバイル ICOCA(仮称)」の導入を発表
このようにモバイル端末での利用ができなかったICOCAですが、20年10月に「モバイル ICOCA(仮称)の導入計画」が発表されました。
Apple PayやGoogle Payに対応するかなどの詳細は不明ですが、定期券の購入や払いもどし、チャージなどがスマートフォンのアプリでできるようになるようです。
自動改札でのタッチもスマートフォンで行えるようになり、利便性の向上が期待されます。
iPhoneでICOCAを使う方法
ICOCAをiPhone内のツールで決済することはできませんが、残高確認を行う方法はあります。また、ICカード収納ケースを使うのもよいでしょう。モバイル端末決済にこだわらないのであれば、スマホをかざして改札を通れます。
アプリを使って残高確認は可能
ICOCAの残高確認は、基本的に駅の券売機やクイックチャージ機で行います。SMART ICOCAは「JRおでかけネット」で利用履歴が確認できますが、ICOCA専用のアプリはありません。
しかし、「電子マネーや交通系ICカードの残高をチェックするアプリ」をダウンロードしておけば、iPhoneでカードをかざすだけで残高確認ができます。
チャージが必要になりそうな時期を知りたいときは、別途複数の電子マネーの残高がわかるアプリを用意しておきましょう。ICOCAだけでなく、ほかのカードタイプの電子マネーも合わせて確認できて便利です。
荷物を減らすなら収納ケースを使う
改札を通るとき、わざわざ財布や定期入れを出すのが面倒な場合は、スマホアプリで交通系電子マネーを使いたいものです。しかし、未対応のICOCAでは、スマホをかざして利用できません。
スマホをかざすのと同じように使うには、スマホに装着できる「ICカード収納ケース」を使いましょう。手帳型になっているものから、背面に取り付けるものまであります。
カードが落ちないようスロットタイプになっているものもあり、形状はさまざまです。ICOCAはICカードのため、磁気カードに比べると磁石などによるトラブルは起きにくいですが、周囲の磁気に注意する必要があります。
また、スマホの電磁波などによりカードの読み取りに不具合が出ることがあるため、「電磁波カット」の機能を備えたシートやカードを使うのもおすすめです。
SuicaはApple Payに対応
JR東日本が運営するSuicaは、Apple Payに対応しています。別エリアの定期券を搭載することはできませんが、電子マネーとして使う場合や乗車回数が少ない場合は、Suicaでも大きな問題はありません。
エリアをまたがない移動に使える
iPhoneで交通系電子マネーを使いたい場合、Suicaを利用するのも一つの方法です。JR西日本の乗車ではポイント獲得はできませんが、ICOCAエリア内でSuicaを使うことはできます。
「ICOCAエリアからSuicaエリアへの移動」など、複数のエリアをまたぐ場合は利用できません。関西圏ではICOCAとPiTaPaが使われていますが、エリアをまたぐ場合は一旦改札を出ましょう。同じICOCAエリア内を移動するなら、問題はありません。
Suicaは、Suica機能付きクレジットカード「ビューカード」からのチャージで最大1.5%のポイントが貯まります。特別なポイント還元を期待しない場合は、Suicaを活用してみましょう。
なお、ICOCAエリアではSuicaのオートチャージが発動しないため、残高がなくなる前に都度チャージが必要です。オンラインからチャージできます。
専用アプリかWalletでSuicaを設定
SuicaをApple Payで利用するには、「Suicaアプリケーション」またはiPhoneの標準アプリ「Wallet」を使います。
Walletからは無記名タイプ、Suicaアプリからは記名タイプも発行が可能です。対応端末は、日本で発売された「iPhone7以降」の端末となっています。外国発売のものは一部非対応となっているため注意しましょう。
Suicaは、Apple Payで新幹線予約にも使える「エクスプレスカード」の登録が可能です。利用時にパスコードなどの設定が必要なくなり、画面がロック状態でも改札を通れます。
「iPhone XS」や「iPhone XR」以降の機種なら電池がなくなってから数時間決済ができる「予備電力」機能も備えており、万が一のときも安心です。
ただし、ICOCAなどほかのICカードをスマホに取り付けて利用する場合は、両方が読み取りされてエラーが発生することがあります。収納場所を変えるか、エクスプレスカードの設定を外す方が使いやすくなるでしょう。
アプリ名:Suica
価格:無料
App Store:ダウンロード
2020年10月よりPASMOも対応
PASMOも、20年10月よりApple Payに対応しています。ただし、PASMOには独自のポイントシステムがなく、「連携したクレジットカードや鉄道事業者のポイント」が貯まります。
ICOCAエリアにはポイントプログラムを設定している事業者がなく、乗車でポイントは貯まりません。
ICOCAエリアの鉄道やバスの乗車に対応
PASMOは、ICOCAエリア内の鉄道だけでなくバスにも対応しています。16年からは「スルッとKANSAI」加盟のバス会社16社が対応しており、伊丹市バスなども20年から利用が可能です。
ICOCAが利用できるエリアよりは多少狭くなりますが、JR西日本やPiTaPaエリアの私鉄など対象の範囲は広がっています。
旅行や電子マネーとしての利用など、ポイント還元をそれほど重視しない場合はPASMOの利用も検討できるでしょう。
WalletでPASMOを設定
PASMOの設定は、iPhoneの「Walletアプリ」または「PASMOアプリ」から可能です。Walletアプリからは、無記名のPASMOが発行できます。記名PASMOを発行したい場合は、PASMOアプリから会員登録と発行を行いましょう。
対応端末は、「iPhone8」以降かつ最新iOSを搭載したiPhoneです。Walletアプリで登録する場合は、カードの追加を選択しクレジットカードから入金を行います。すでにPASMOを保有している場合は、カードの取り込みを行いましょう。
PASMOもSuicaと同様に、エクスプレスカードとして設定ができます。ただし、設定できるのは1枚のみです。Suicaも合わせて利用する場合は、どちらを優先して使うか考えておきましょう。
アプリ名:PASMO
価格:無料
App Store:ダウンロード
まとめ
ICOCAはApple Pay未対応のため、iPhoneでのスマホ決済はできません。似たような使い方をしたい場合は、iPhoneの背面に取り付けるカード収納ケースなどを利用しましょう。
SuicaやPASMOなど、Apple Pay対応の交通系電子マネーを利用するのも一つの手段です。ただし、ICOCAのポイントプログラムは利用できません。大幅な割引などは、期待しないでおきましょう。
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