LINE Payは安心して使えるの?
スマホコード決済サービスでは、支払元として銀行口座やクレジットカード登録があることで、安全性が気になる人も多いでしょう。LINE Payでは登録や決済に必要な情報を守るため、さまざまな試みを行っています。
暗号化や生体認証で情報が守られている
LINE Payは、さまざまな方法でセキュリティの安全性強化に努めています。不正アクセスや情報漏えいを防ぐための国際基準「PCI DSS(PCIデータセキュリティスタンダード)」の最高レベルであるレベル1を獲得するなど、クレジットカード会社と同等のセキュリティに準拠しているのも特徴です。
登録した情報も、外部への流出を防ぐため暗号化されています。送金や決済に利用しても、友だちや店舗に情報が渡ることはありません。
また、パスワードレスを推進する認証システム「FIDO2」を利用した顔認証などの生体認証を取り入れており、コード決済時のセキュリティを高めています。認証に使われる情報は「登録したスマホのみ」で使えるなど、万が一の流出にも対応できるのが魅力です。
支払いコードは5分で使えなくなる
LINE Payのコード決済表示は、5分で新しいものに更新が必要です。コードのコピーやスマホの盗難など、何かあった場合でも5分後にはコードの更新とパスワードの入力が求められるため抑止力になり得ます。
5分の間にコードをコピーして複製することは不可能ではありませんが、できる限り悪用を防ぐための処置が取られているといえるでしょう。
パスワードによる認証については、LINE Payの設定で「ログイン・お支払い時のパスワード認証」がオンになっている必要があります。
また自分でできるセキュリティ対策としては、LINE Pay決済画面のコードを他人に見られないよう注意する方法があげられます。
LINE Payだけでなく、そのほかのコード決済サービスも同様のセキュリティ対策を考えておきましょう。
支払い情報を入力しても大丈夫?
LINE Payに銀行口座やクレジットカードを紐付ける場合、強固なセキュリティ対策が施されています。ただし、パスワードや登録情報そのものを管理するのは本人です。3Dセキュアなどの本人認証サービスの設定や、パスワードの徹底管理は心がけましょう。
銀行口座登録の場合
LINE Payでは、銀行口座情報の保管はしていません。あくまでも銀行口座側で情報を保管しているため、LINE Payから口座情報や暗証番号が流出する可能性はないでしょう。
また、以前は本人確認として銀行口座を登録することもありましたが、現在は銀行口座連携のみによる本人確認は行っておらず「スマホでかんたん本人確認」が必要です。この場合は口座登録は不要です。
しかし、不正利用の原因は銀行口座だけではありません。ほかのサービスで利用していた個人情報が流出した場合も、LINE Payへの不正アクセスにつながります。
普段からパスワードや口座情報が他の人に知られることがないよう、自らセキュリティ対策を行っておくことが重要です。過去にLINE Payで起きた不正利用では、「利用者の身近な人物」による不正アクセスのケースもあります。
クレジットカード登録の場合
LINE Payにクレジットカードを登録するには、「3Dセキュア」の認証が必須となっています。3Dセキュアは「事前に本人が設定したパスワード」で本人認証を行うサービスで、カード番号やセキュリティコードがわかっているだけでは登録できません。
3Dセキュアにはいくつか種類があり、カードや設定によって認証方法が異なります。クレジットカードの会員向けサービスのログインパスワードを入力するタイプや、自身でパスワードを入力するタイプなどカードによっても異なるのです。
ワンタイムパスワードを設定できるタイプもあり、アプリ上での発行やSMS・メールで送られてくる、毎回変わるパスワードを使えばセキュリティを高められます。
もちろん、クレジットカードに記載された「セキュリティコード」の入力も必要です。カードや端末が手元にあり、ワンタイムパスワード方式の3Dセキュアを設定しているなら、不正利用のリスクを大幅に下げられるでしょう。
LINEを乗っ取られた場合
LINE PayはLINEに紐付いたサービスです。もしLINEが乗っ取られた場合には、LINE Payも使えてしまうのでしょうか?
基本的には、LINE系列で利用しているすべてのパスワードが漏えいしていない限り、不正利用の可能性は低くなっています。普段からID・パスワードの管理を徹底しましょう。
別端末での支払いは専用パスワードが必要
LINEが乗っ取られた場合でも、すぐにLINE Payが使えるわけではありません。LINE Payの決済や出金には、LINE Payに紐付いた「6桁のパスワード」が必要です。
LINE Payにアクセスできても、パスワードは確認できないようになっており、アプリ内ではわかりません。再設定には、クレジットカードや銀行口座を利用した本人認証などが必要です。
ただし、LINEに登録しているパスワードの一部を流用しているなど、状況によってはリスクもあります。推測しにくいパスワードを設定している場合は、リスクも低いでしょう。
日ごろからパスワードの取り扱いに注意
LINEの乗っ取りや不正アクセスの原因として、パスワードの管理不足によるものが考えられます。意図しない場所から情報が流出するケースもありますが、不定期にパスワードを変更するだけでも、流出した情報が役立たなくなりトラブルを防げるでしょう。
しかし、複数のパスワードを覚えておけないからと簡易なパスワードを設定するよりは、複雑なパスワードを設定する方が効果的です。
「パスワード生成や管理ができるアプリ」を活用するのもよいでしょう。複雑なパスワードを暗記することは難しいため、自宅保管のノートなど流出しにくいものにメモしておきます。
そのほか、情報流出の原因となりやすいフィッシング詐欺を避けるため、不審なメールやURLにアクセスしないよう心がけましょう。
「確認のため下記URLからLINEへのログインをお願いいたします。」など、運営を装ったメッセージなどは要注意です。
別端末でLINEにログインする際には「2段階認証」を設定しておくなど、パスワードに加えて確認コードを取り入れた認証システムを利用するとセキュリティが高まります。
スマホを紛失した場合
スマホを紛失した場合でも、LINE Payには限度額までの補償システムがあります。トラブルを防ぐためには、「利用停止手続き」などの対策も有効です。いざというときの対処法を、常日頃から確認しておくようにしましょう。
利用停止の手続きをする
スマホの紛失など、急を要するトラブルの場合は「LINEサポート」に連絡すると利用停止の手続きが可能です。ただし、LINEにログインして、メールで問い合わせる必要があります。
後からスマホが発見されたときは、利用停止解除も可能です。LINE Payパスワードを設定済みの場合は自分で解除できますが、未設定の場合は問い合わせによる解除申請が必要となります。
スマホが見つからなかった場合でも、新しい端末に引き継ぎができます。ただし、パスワードなど本人確認のための情報が必要です。LINEアカウントのメールアドレス・電話番号・パスワードは、最新のものにしておきましょう。
また、旧端末でLINE Payパスワードを設定していなかった場合は、原則旧アカウントは利用停止状態となります。引き継ぎの手続きを希望する場合は、サポートセンターに問い合わせましょう。
LINEに登録している情報がわからない場合は、通信会社にスマホの電話回線の停止を依頼する方法もあります。iPhoneの場合はAppleに連絡して、端末にロックをかけて利用できなくすることも可能です。
場合によっては、自分でスマホの遠隔操作をして利用停止ができるケースもあります。しかし、対応できない通信会社もあるため注意しましょう。事前に「スマホの所在を確認できるサービス」に登録しておくなど、自ら対策を取っておくことをおすすめします。
限度額までの補償が受けられる
LINE Payでは、「被害者に責任のない不正利用」に対して補償が設けられている点が強みです。本人確認なしのLINE Cashアカウントは原則限度額10万円ですが、本人確認済のLINE Moneyアカウントは10万円を超えた場合でも補償限度額の引き上げが個別に検討されます。
ただし、被害者がパスワードを教えてしまった場合や自分から送金してしまった場合は、対象外です。家族の利用など、見知らぬ第三者の利用でない場合はパスワード管理の状況が問われる可能性もあります。
補償システムを利用するには、「不正利用の発生から30日以内」に「LINE Payお問い合わせフォーム」への申告が必要です。LINE Payから決済通知がきたときは、不審な点がないか都度確認しておきましょう。
LINE Payカードを紛失した場合
LINE Payのプラスチック式プリペイドカード「LINE Payカード」は2020年12月頃に新規発行を終了していますが、カードの有効期限までは利用できます。万一紛失した場合には、どのようなセキュリティ対策が行われているのでしょうか。
アプリから利用停止が可能
LINE Payカードの停止は、アプリ上から設定できます。LINE Payメニュー画面より「LINE Payカード」を選択し、「カードを利用」をタップしましょう。カードの利用停止の文言が出てきます。確認ボタンをタップして、利用停止手続きを行いましょう。
本来、利用停止後はカードの解約手続き後に再発行をしますが、LINE Payのプラスチックカードは新規発行を終了しています。「Visa LINE Payプリペイドカード(バーチャルカードのみ)」への切り替えを行いましょう。
LINE Payカードで利用できたJCB加盟店では買い物ができなくなりますが、Visaのオンライン加盟店のほか、Google PayやApple PayにLINE Payを紐付けるとVisaのタッチ決済加盟店や、「iD」としてiD加盟店でも利用可能です。
利用されるとお知らせが来る
コード決済やVisa LINE Payクレカだけでなく、LINE Payカード、Visa LINE Payプリペイドカードの利用もLINEに決済通知が届きます。通知の内容は加盟店側で変化しますが、利用日や店舗名などの状況で自分が使ったものか判断できるでしょう。不審な決済通知がきたときは、自分が使ったものなのか確認が必要です。
利用のたびにLINEから通知が来るため、比較的不正利用に気づきやすい仕様になっています。うまく活用し、気になる決済通知は問い合わせるなどして状況把握に努めましょう。
まとめ
LINE Payはセキュリティ対策に力を入れており、安全性の高いコード決済サービスです。パスワードや端末の管理ができているなら、うまく活用できます。
PayPayなど、ほかのコード決済サービスであってもパスワードやスマホを管理するのは自分自身です。不正利用などの被害に遭わないよう、普段から自衛を心がけましょう。