PASMO定期券には2種類ある
「PASMO(パスモ)」は首都圏を中心に、全国の鉄道やバスで使える「電子マネー機能付きの交通ICカード」です。1枚のPASMOに「鉄道定期券」と「バス定期券」がそれぞれ1種類ずつ購入できます。
電車の定期券
PASMOは27の鉄道事業者で利用ができます。PASMOに定期券を付帯すると、定期区間・区間外が1枚のカードで移動できるようになるのがメリットです。定期区間を乗り越した場合は自動改札機で自動精算されるため手間がかかりません。
鉄道定期券は「通勤用定期券」「通学用定期券」「小児用定期券」の3種類です。PASMOをすでに持っている人はPASMOの新規購入は不要で、そのままPASMO定期券に切り替えられます。
PASMO定期券には「二つ以上の区間」が同時に載せられないため、1枚の定期券として購入できない区間は、磁気定期券を利用しましょう。
期限満了の前に「継続購入」をすれば定期券は繰り返し使用が可能です。期限が切れた場合は窓口で券面を書き直してもらえます。
なお、PASMOまたはPASMO定期券を初めて購入する場合「デポジット(預り金)」として500円を支払うのがルールです。
バスの定期券
PASMOは首都圏を中心とする多くのバス事業者で利用ができますが、そのうち「バス定期券」を取り扱っているのは30の事業者のみです。発売事業者・発売場所・定期券の種類については、利用するバス事業者に直接問い合わせましょう。
バス定期券の情報はPASMOの券面には印字されません。その代わり「IC定期券内容控」が発行されます。バスの乗務員に提示を求められる場合があるため、「控」は常に携帯しましょう。
バスに乗車する際はカード読み取り機にPASMO定期券をタッチして「ピ」「ピピッ」という音が鳴るのを確認します。運賃後払い方式区間は乗車時と降車時に定期券をタッチする必要があります。
手続きはどこでできる?
手持ちのPASMO定期券が不要になったときは「払い戻し」が可能です。鉄道定期とバス定期は同じ窓口で手続きができないため、各事業者の窓口に足を運ぶ必要があります。
発行鉄道事業者の駅の定期券窓口で
鉄道定期券は鉄道事業者の「駅の定期券窓口」で払い戻しができます。その定期券を購入した鉄道事業者以外では解約できないため、払い戻し可能な窓口は限られてくるでしょう。
例えば、「小田急電鉄」で発行した定期券は「小田急電鉄の定期券窓口」で手続きを行います。営業時間は事業者によって異なるため、Webサイトで事前に確認しておきましょう。
バス定期はバス事業所窓口で
バス定期は「バス事業所窓口」で払い戻しができます。鉄道とバスの定期券を両方持っている場合、同時の手続きはできない点に注意が必要です。
例えば、「京成バス」の定期券を持っている場合は、京成バスの事業所の窓口に行き「定期券を解約したい」と申し出ましょう。バスの乗車時に運転手に解約を申し出ても、手続きや返金は行ってもらえません。
手続きのやり方は?
PASMOの種類にもよりますが、PASMOの払い戻し手続きを行うと「デポジット金(500円)」「定期券残期間の差額」「チャージ済残高」が払い戻されます。PASMO定期部分だけを解約して、通常の乗車券としてPASMOを使うことも可能です。
払い戻しの手順と手続きに必要な書類について確認しましょう。
払い戻しの手順
払い戻し手続きには「使っていたPASMO」と「公的証明書」の2点が必要です。
ここでいう公的証明書とは、運転免許証やパスポート、健康保険証などを指します。学生証・社員証・住民基本台帳カードでも可能ですが「顔写真入り」でなければなりません。
バス事業者や鉄道事業者の窓口で公的証明書を提示し「PASMOの解約をお願いします」と伝えます。係員の指示に従って手続きを行いましょう。払い戻しの手続きが完了すると、PASMOの種類に応じた「払い戻し金額」が返ってきます。
定期部分だけ解約することもできる
PASMO定期券(バス・鉄道)の払い戻しには4パターンがあり「今後もPASMOを利用するかどうか」で手続きの内容が変わってきます。PASMO自体の利用を続けたい人は定期部分だけを解約しましょう。
・PASMOのバス定期券のみを解約し、鉄道定期券とPASMOを利用する
・PASMOの鉄道定期券のみを解約し、バス定期券とPASMOを利用する
・PASMOのバス・鉄道定期券を解約し、記名PASMOとして利用する
・PASMOと定期券をすべて解約する
定期部分のみを解約した場合、手数料を差し引いた定期の払戻金のみが返金されます。チャージ済みの残高は引き続き使用が可能です。定期券だけを使いたいという人はPASMOを解約し「磁気定期券」に切り替えましょう。
区間変更の場合も払い戻しが必要
PASMO定期券では「区間変更」という手続きができません。鉄道定期券の区間を変更する場合、古い区間の定期券を払い戻し、新しい区間の定期券を購入するという流れです。
払い戻しの手順は通常の手続きと同様です。窓口では係員に区間の変更をしたい旨を伝えましょう。
・払い戻し額=定期運賃-(1旬相当額×使用旬数)-手数料
旬数は10日を1旬とし、1旬に満たない日の端数は1旬とします。例えば「1カ月+1日」使用した場合は4旬と計算されます。
なお、定期券の有効期限が切れている場合は払い戻す金額がないため、払い戻し手続きは不要です。
モバイル版はアプリ上で手続き可能
PASMOにはモバイル版の「モバイルPASMO」があり、手持ちのPASMO定期券を「モバイルPASMO定期券」に切り替えることができます。
モバイルPASMOでは定期券の払い戻しが簡単に行えるのがメリットです。払い戻しの際は、PASMOアプリを起動し「定期券購入・PASMO管理」を開きます。「定期券購入・PASMO管理」画面で「鉄道定期券」または「バス定期券」を選びましょう。
鉄道定期券を選んだ場合は「鉄道定期券メニュー」から「払いもどし」を選択します。払い戻しの実行後は取消ができません。払い戻し金は購入時のクレジットカードの口座に返金されます。
払い戻し手数料や返金額の計算方法
バス・鉄道ともに、PASMO定期券の払い戻しには「払い戻し手数料」がかかります。定期解約ではどのくらいの額が返金されるのかを実際に計算してみましょう。
手数料は事業者によって異なる
定期券部分の払い戻し時は以下の計算式に応じて金額が決まります。定期部分だけでなく、PASMO自体を解約する場合は「電子マネー残金」と「デポジットの500円」も返金されます。
・定期券の払い戻し額=「定期券払い戻し計算額」-「払い戻し手数料」
払い戻しに伴う「払い戻し手数料」は定期券を購入した鉄道・バス事業者によって異なるため、各窓口で確認しましょう。
例えば、東急バスの定期券の払い戻し手数料は220円です。「電子マネー残額」+「電車定期券の払いもどし計算額」が220円以下の場合は、デポジットのみの返却となります。
PASMO1枚に鉄道定期券とバス定期券の両方を付加している場合、それぞれの事業者に払い戻し手数料を支払います。
また、クレジットカードとPASMOが一体化した「一体型PASMO」は、カードの回収およびデポジットの返却はありません。
定期券の払い戻し金額の計算方法
鉄道定期券には払い戻しの条件があります。使用・未使用を問わず「有効期間が1カ月以上残っている場合のみ」で、1カ月未満では払い戻しができません。定期券を「2カ月+1日」使用した場合、経過日数は「3カ月」とみなされます。
・使用開始日前:定期運賃-手数料
・7日以内:定期運賃-(定期券区間の往復普通運賃×経過日数)-手数料
・1カ月未満・1カ月:定期運賃-1カ月定期運賃-手数料
・2カ月:定期運賃-(1カ月定期運賃×2)-手数料
・3カ月:定期運賃-3カ月定期運賃-手数料
・4カ月:定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃)-手数料
・5カ月:定期運賃-(3カ月定期運賃+1カ月定期運賃×2)-手数料
バス定期券は、経過日数分の「定期券払戻基準運賃(業者ごとに異なる)」から手数料を差し引いた額が返金されます。
・有効開始日前:定期運賃-手数料
・有効開始日後:定期運賃-(定期券払戻基準運賃×経過日数)-手数料
まとめ
PASMOにはバスと電車の2枚の定期券が付加できます。利便性が高いのはメリットですが、払い戻しの際はバス事業者と鉄道事業者の両方で払い戻し手続きを行わなければなりません。窓口の営業時間や手数料は事前に確認しておきましょう。
払い戻しの手続きをスムーズに済ませたい人は「モバイルPASMO」の利用も検討しましょう。モバイルPASMOでは定期券の新規発行や区間の変更などが簡単に行えます。
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