はやかけんの基礎知識
福岡市地下鉄を運営する福岡市交通局が展開している交通系ICカードが「はやかけん」です。はやかけんはどのような特徴を持つ交通系ICカードなのでしょうか?まずは利用エリアや加盟店を見ていきましょう。
全国の相互利用エリアで使える
はやかけんで電車やバスに乗車できるのは、福岡市交通局のはやかけんエリアと「全国相互利用可能エリア」です。具体的には、Kitaca・Suica・PASMO・TOICA・manaca・PiTaPa・ICOCA・nimoca・SUGOCAのエリアで使えます。
福岡市内で地下鉄を使うときはもちろん、出張や旅行で他の地域を訪れたときも、はやかけんがあれば電車やバスに乗れるのです。全国どこでも便利に使えるICカードといえます。
電子マネーとして、はやかけんエリアと全国相互利用可能エリアで利用できます。ただし、後払い方式を採用しているPiTaPaとは、電子マネーとしての相互利用ができない点に注意しましょう。
利用できる加盟店
電子マネーとしてはやかけんを利用できる加盟店はたくさんあります。ちょっとした買い物に便利な「セブン-イレブン」「ファミリーマート」「ローソン」などのコンビニで使えるのです。
ほかにも「マクドナルド」や「吉野家」など、手軽に食事ができる店舗も加盟店に含まれています。特徴的なのは、行政機関や公共施設の利用に使える点です。
例えば「行政窓口」では住民票や納税証明書の発行手数料を支払うのに、はやかけんを使えます。「市民プール」「体育館」「地域交流センター」「市営駐輪場・駐車場」などで利用できるのも便利です。
はやかけんの種類と作り方
全部で4種類あるはやかけんは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?作り方とともに紹介します。
無記名式カード
券面に名前が印字されない「無記名式カード」は、個人情報なしで発行できます。はやかけんマーク付きの地下鉄駅券売機や、姪浜・西新・天神・博多・貝塚・別府のお客様サービスセンターで作れるカードです。
個人情報が登録されていないはやかけんは、家族や友人といった自分以外の人と共有して使えます。共有する必要がなくなったときには、個人情報を後から登録し記名式へ変更も可能です。
手軽に作って使える無記名式ですが、紛失時に再発行されない点には注意しましょう。
記名式カード
「記名式カード」は、券面に名前が記載されている本人のみが使えるはやかけんです。購入できる場所は無記名式と同様ですが、名前・性別・生年月日・電話番号を登録しなければいけません。
作成するのは無記名式より手間がかかりますが、手数料520円とデポジット500円で紛失時に再発行でき、万が一のときにも安心です。
券売機で購入時には、まず「ICカード」「ICカード発売」「記名ICカード」と進みます。個人情報の取り扱いについて確認したら、大人・こども・割引から作成する種類を選び、個人情報を登録しましょう。
登録した個人情報の内容を確認し、チャージの希望金額を選んだら、現金で支払い完了です。
定期券
券面に名前が印字されている記名式カードに、定期券がプラスされているのが「はやかけん定期券」です。定期券を券売機で新規購入するときには、まず「定期券」を選びましょう。
「新規」「IC定期券」と進み、デポジット500円を預かることについて「確認」を選んだら「通勤」を押し、乗降駅を選択します。有効期間と使用開始日を選び、個人情報の取り扱いについて確認しましょう。
大人・こども・割引から購入する定期を選び、個人情報を入力したら、「自転車駐車場共通定期券」の有無を選びます。内容を確認し現金で支払えば定期券が完成です。
券売機でも作れますが、JR鹿児島本線と博多接続の連絡定期券は、お客様サービスセンターでしか購入できません。
ANAはやかけん
ANAマイレージクラブ会員限定で作れるのが「ANAはやかけん」です。貯まったANAのマイルを、1万マイル単位ではやかけんのポイントへ交換できます。
購入時にはANAマイレージクラブカードかANAカードの提示が必要のため、忘れずに持参しましょう。作れるのは姪浜・西新・天神・博多・貝塚・別府にあるお客様サービスセンターのみです。
また、ANAはやかけんの作成は1人1枚に限定されます。複数枚購入すると、ボーナスポイントやマイルからポイント交換ができない点に注意しましょう。インターネットで入手できる購入申込書へ必要事項を記入し持参すると、スムーズに作成できます。
記名式「ANAはやかけん」・「ANAはやかけん定期券」購入申込書
チャージ方法
チャージすることで繰り返し使い続けられるはやかけんには、どのようなチャージ方法があるのでしょうか?代表的なチャージの仕方と注意点を紹介します。
現金チャージ
はやかけんは「現金チャージ」が手軽にできます。残高が少なくなったら、駅券売機・精算機・定期券売り場でチャージしましょう。
はやかけんエリア内だけでなく、全国相互利用可能エリアの券売機・チャージ機・バス車載機にも対応しています。セブン-イレブンといったコンビニのレジでもチャージ可能です。
券売機を使い現金チャージするときには、下記の手順通りに操作しましょう。チャージ金額は1000円・2000円・3000円・4000円・5000円・1万円から選べます。
1.画面左の「ICカード」を押す
2.「現金チャージ」を選択
3.はやかけんを投入
4.チャージ金額を選ぶ (※チャージ残高が2万円を超えるチャージは不可)
5.チャージ金額を入れる
6.はやかけんを受け取る
クレカチャージはできない
SuicaやPASMOといった交通系ICカードは、クレカによるチャージができます。設定金額以下になると自動的にチャージされるオートチャージも利用可能です。
一方、はやかけんはSuicaやPASMOのようにクレカによるチャージができません。あくまでも現金によるチャージのみのため、利用分を後から請求されるオートチャージにも対応していないのです。
はやかけんのポイントサービスとは?
クレカによるチャージができないはやかけんは、カードのポイントを貯められません。貯められるのは独自の「ひと駅ポイント」のみです。
ひと駅区間の利用で60ポイントゲット
はやかけんのチャージ残高でひと駅区間分乗車すると60ポイントを受け取れる、「ひと駅ポイント」があるのが特徴です。1カ月に10回まで、最大で600ポイント貯められます。
ひと駅ポイントを貯めるには、自動改札機で入出場しましょう。それ以外の方法で入出場するとポイント対象外です。
貯まったポイントは、地下鉄利用月の翌月10日に受け取れます。例えば、12月に貯めたポイントが付与されるのは1月10日です。
ポイントが付かない場合も
ただし全てのケースでポイントが付くわけではありません。例えば、定期区間のひと駅前で乗りひと駅後で降りた場合は、ひと駅ポイントの対象外です。入場駅から出場駅までの通算料金として扱われてしまいます。
また、はやかけんでひと駅のみ利用していても、他社線のみの利用では対象外です。
貯まったポイントのチャージ方法
毎月のはやかけんの利用で貯まったポイントは、1ポイント=1円としてチャージに利用できます。チャージするときの手順と注意点について見ていきましょう。
チャージ手順
貯まったポイントでチャージをするときには、はやかけんエリア内の券売機を使用します。画面左側の「ICカード」を押し、「ポイントチャージ」を選びましょう。
次に、はやかけんを券売機へ投入し、「チャージする」を選択します。すると、手続き時点で貯まっているポイントが、全てチャージされます。
ただし、カード残高が2万円を超えるときにはチャージできないため、残高が減ったタイミングで再度手続きしましょう。チャージが完了したら、忘れずにはやかけんを受け取ります。
ポイントの有効期限に注意
はやかけんで地下鉄を利用し貯まったポイントには有効期限があります。ポイントが付与された月から1年後の月末に期限を迎えるのです。
ポイントは有効期限以内にチャージしない場合、失効し使えなくなります。例えば、2022年12月10日に受け取ったポイントの有効期限は、2023年12月31日までです。有効期限切れでポイントが失効しないよう注意しましょう。
まとめ
はやかけんの作り方は種類ごとに異なります。無記名式カードは切符を買うように手軽に作成できますが、記名式や定期券は個人情報の登録が必要です。
また、ANAはやかけんはANAマイレージクラブに加入している人だけが作れます。作成時には、ANAマイレージクラブカードかANAカードを持参しましょう。
作成したはやかけんは、残高がなくなってもチャージしながら使い続けられます。クレジットチャージには対応していないため、現金でチャージしましょう。
ひと駅区間の利用によって貯まるポイントを使ったチャージも可能です。ポイントには有効期限があるため、期限内のチャージを心がけましょう。