クレジットカード審査で重視されるポイント
クレジットカードは1カ月の利用分をまとめて請求される後払い式です。手元にお金がなくても支払いができるのは、カード使用者に「返済能力」という「信用」があるためです。
カード発行時の審査では、申込者の「属性」や「信用情報」が厳しくチェックされます。
申込者本人の属性
クレジットカードは、消費者が利用した金額をカード会社が一時的に立て替える仕組みです。消費者に返済能力がない場合、立て替えたお金が返ってこないリスクもあるでしょう。
クレジットカードを申し込むと、カード会社による「入会審査」が行われます。審査で最初にチェックするのは下記のような「申込者本人の属性」です。
・職業
・雇用形態
・役職
・勤務先の規模
・年収
・勤続年数
・住居状況(持ち家か賃貸か)
・家族構成・世帯状況
属性とは、その人が有する基本的な性質や特徴を指します。
本人の信用情報
「信用情報」とは、クレジット・各種ローン・割賦販売に関する契約内容や支払い状況、利用残高などからなる個人情報です。客観的な取引事実のみで、宗教や思想、趣味などの情報は含まれません。
たとえば、過去にクレジットカードを利用し「支払い遅延」や「利用停止」があった場合は、信用情報にその事実が登録される仕組みです。カードを新規発行する際、審査では過去数年間の履歴が照合されます。
カード会社の生命線「信用情報」とは?
「信用情報」は、カードの申込者の返済能力や信用を判断するための重要な情報です。カード会社や金融機関は、どのようにして個人の信用情報を知り得ているのでしょうか?
信用情報機関の役割
個人の信用情報は「信用情報機関」に登録されています。消費者の返済能力に応じた適正なクレジット取引を実現させるため、信用情報機関では金融会社やクレジットカード会社から情報を収集し、加盟する企業に共有しているのです。
日本には「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」「JICC(株式会社日本信用情報機構)」「全国銀行個人信用情報センター」の三つの信用情報機関が存在します。
CICは1984年にクレジット会社の共同出資により設立された機関で、「クレジット事業を行う企業」が主要会員です。
クレジットヒストリーなどが登録されている
CICには「クレジットヒストリー」と呼ばれる「クレジットカードの信用履歴」が存在します。
入会審査ではクレヒスが照会され、カードを新規発行しても問題がないかが判断されるのです。クレヒスには以下のような項目が含まれます。
・本人識別情報(氏名・生年月日・住所・連絡先・勤務先・運転免許証の番号など)
・契約内容(契約日・契約の種類・商品名など)
・支払い状況(残債額・請求額・入金額・入金履歴・延滞・破産など)
・割賦販売法の対象となる商品の支払い状況(リボ払い・分割払いなど)
・貸金業法に関わる商品の支払い状況(カードローン・キャッシングなど)
・支払い能力の調査のため、加盟社が情報を照会した記録
情報によっても異なりますが、契約期間中及び契約終了から5年間は保管されます。
実は情報開示申請できる
CICでは「情報の開示」を行っています。クレジットカードを申し込む前に、自分の信用情報がどのように記録されているのかを確認してみましょう。開示の方法は「インターネット」「郵送」「窓口」のいずれかの方法で行います。
インターネットの場合、CICのWebサイトにアクセスし、「お手続き前の確認事項」をチェックします。クレジット契約で利用した固定電話またはスマホから「受付番号取得の電話番号」に電話をかけ、受付番号を取得しましょう。
受付番号と利用者情報を入力すると「パスワード」が表示されます。パスワードを使って、開示報告書を開きましょう。
サービス利用時間は8時~21時45分です。利用料が1000円かかるため、手元に有効なクレジットカードを用意しておきましょう。
審査難易度の簡単な見分け方
入会審査の難易度は「カードの発行元」や「カードのステータス」に大きく左右されます。カード入会申込書にある「申込条件」や「カード会社」をチェックするだけで、審査の難易度は推測が可能です。
申込条件や発行スピード
カードを申し込む際、まずは「カードの基本情報」にある「申込条件」や「発行までの期間」を確認しましょう。
申込条件が「18歳以上の社会人」で「申し込みから最短〇日でお届け」と記載されていた場合、審査はそれほど厳しくありません。申込条件の対象が広く、スピードが速いほど審査は緩いと考えてよいでしょう。
逆に「25歳以上」「年収〇万円以上の安定継続収入」などと書かれている場合は、審査はやや厳しくなります。「安定継続収入」とは「一定の収入が継続的にあるかどうか」です。
もっとも審査に通りやすいのは「大企業の正社員」「公務員」「医師」「弁護士」などでしょう。自営業者や非正規雇用の人は、場合によっては難しいケースがあります。
発行会社をチェック
「カードの発行会社がどんな系列に属するか」によっても審査の難易度が変わります。
・信販系:信販会社が発行
・銀行系:銀行が発行
・流通系:スーパーやコンビニなどの関連会社が発行
・消費者金融系:消費者金融が発行
・交通系・航空会社系カード:航空会社や交通機関が発行
・国際ブランドのプロパーカード:国際ブランドが発行
このうち、審査が厳しいのは「国際ブランドのプロパーカード」「銀行系カード」「信販系カード」です。審査難易度の高いカードが発行されれば、「本人に充分な信用がある」とカード会社から認められたことになります。
一方で、スーパーや小売店が発行する「流通系カード」は、主婦(夫)やアルバイトの若年層も対象に含まれるケースが多く、審査はそれほど厳しくありません。
カードのステータス
「ステータス」には「社会的地位」や「格付け」といった意味があります。カードのステータスとはカードにおける「ランク」のことで、「ステータスが高いカード」といえば、ゴールドカード以上を指すのが一般的です。
≪カードのランク≫
・一般カード
・ゴールドカード
・プラチナカード
・ブラックカード
プラチナカード以上になると、カード会社からのインビテーション(招待)がないと申し込みができない場合が多いでしょう。ブラックカードはすべてのカードの頂点です。大企業の役員や社長など、ごく限られた人しか持つことができません。
ランクがブラックカードに近づけば近づくほど審査は厳しくなり、「カード年会費」も高くなります。
作りやすくておすすめのクレジットカード
クレジットカードは「安定収入がないと作れない」と思っていませんか?多くのカードは年齢や収入が重視されますが、一部のカードは申込条件のハードルが低く、学生や専業主婦(夫)、非正規雇用の人でも申し込みができます。
最短5分でデジタル発行可能 セゾンカードインターナショナル
「専業主婦(夫)」や「18歳以上の学生(高校生は除く)」でも申し込みできる年会費無料のカードです。
「セゾンカードが提携する金融機関に決済口座を有していること」が必須条件のため、発行前に口座の確認を行いましょう。スマートフォンのアプリを通して利用する「デジタルカード」であれば、最短5分で発行が完了します。
国内初のナンバーレスカードであれば、会計時に他人にカード番号を見られる心配がないのもメリットでしょう。
カード利用では1000円につき1ポイントの「永久不滅ポイント」が付与されます。ポイントの使い道によっても異なりますが、「1ポイント=約5円」に換算されるため、還元率は0.5%です。
リボ払い専用銀行系カード 三井住友カード RevoStyle
「三井住友カード RevoStyle」はリボ払いに特化したクレジットカードで、高校生を除く満18歳以上の社会人が対象です。
「リボ払い」とは「毎月の支払い額を一定にする支払い方法」を指します。毎月の支払い額がコントロールできるので、予想外の大きな出費があっても慌てる心配がないでしょう。ただし手数料がかかるため、支払い総額は一括払いよりも大きくなります。
本カードの支払い方法は、カード1回払い分が自動的にリボ払いになる「マイ・ペイすリボ(残高スライドコース)」です。店舗では「リボ払いで」と伝える必要はありません。
リボ払い手数料率9.8%で、一般的な手数料率(15%前後)よりも低く設定されているのが特徴です。
通常は利用金額200円ごとに1ポイントが貯まりますが、リボ払い手数料請求月は200円で2ポイントと、付与率が2倍にアップします。
三井住友カード RevoStyle(リボスタイル)|クレジットカードの三井住友VISAカード
まとめ
クレジットカードを発行するにあたり、カード会社の入会審査は避けて通れないものです。「利用者が使ったお金を一時的に立て替える」という仕組みのため、カード会社はある程度、取引をする相手を選ばなければならないのです。
審査では「本人の属性」のほかに、「信用情報」がチェックされます。カードの審査基準は公開されていませんが、ランクの高いカードや銀行系カードは必然的に審査が厳しくなるでしょう。
一般的に、正社員や大企業の役員に比べ、自営業や非正規労働者の信用力は低いとされています。カードによってはハードルがそれほど高くないものもあるため、試しに申し込んでみるのもよいでしょう。