- デビットカードとは
- 支払いは銀行口座から即時引き落とし
- 利用限度額は銀行の預金残高
- デビットカードには2種類ある
- J-Debit(ジェイ・デビット)
- 国際ブランドデビット
- どんなメリットがある?
- 審査なしで高校生でも発行可能
- 使いすぎない
- お金の管理がしやすい
- キャッシュバックなどの特典も
- 海外でも使える
- デメリットもある?
- 支払いは1回払いのみ
- 高速やガソリンスタンドなど使えない場所も
- デビットカードを選ぶポイント
- 年会費の有無
- ポイント還元率と付帯保険
- おすすめのデビットカード3選
- 年会費無料で旅行保険付帯 三菱UFJデビット
- 海外での利用に強い Sony Bank WALLET
- イオンユーザーなら断然お得 イオン銀行キャッシュ+デビット
- まとめ
デビットカードとは
デビットカードは、銀行口座の預金残高と紐付くカードです。手軽に発行できるカードとして知られていますが、どのような特徴があるのでしょうか?利用限度額の仕組みや、引き落としのタイミングを知っておきましょう。
支払いは銀行口座から即時引き落とし
デビットカードは「銀行」が発行し、口座と紐付いたカードです。原則引き落としは「リアルタイム」となり、カードを使った時点で預金残高から利用金額分が引かれます。
対して、クレジットカードは利用から支払いまで間があり、利用時点の預金残高とは関係がありません。デビットカードならすぐに引き落としされ、入金忘れの心配もないでしょう。
デビットカードでも一部の店舗や海外など、例外的に後日引き落としになるケースもありますが、基本的な利用方法に変化はありません。感覚としてはクレジットカードと同じように使用できますが、預金残高は気にしておきましょう。
利用限度額は銀行の預金残高
カードの利用と預金残高は連動するため、残高以上の支払いはできません。「カードローン」や「自動貸越サービス」の残高がある場合には、基本的に預金残高に含まれます。
利用可能枠の上限まで使えるクレジットカードとは異なり、そのときの預金残高によって上限が変わるのが特徴です。預金が多い人なら限度額をほぼ気にすることなく使えて、預金を少なめに抑えると毎月の利用額もコントロールできます。
持っているお金よりも多く使ってしまうのが心配なら、まずはデビットカードを検討しましょう。自分の口座にあるお金を使っているだけのため、借金にもなりません。
なお、カードによっては「支払時点で預金額を超えた場合」の決済は対応しているものもありますが、銀行が一時的な立て替えをする形で後日不足分の入金が必要です。
デビットカードには2種類ある
デビットカードと聞いて、VISAやJCBなどブランド付きのカードを思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、デビットカードには2種類のタイプがあります。国際ブランド付きのカードより発行しやすい、「J-Debit」についても知っておきましょう。
J-Debit(ジェイ・デビット)
2000年に全国サービスが開始された「J-Debit」は、銀行のキャッシュカードをデビットカードとして使える魅力的なサービスです。
国内にある約1000の金融機関の発行するキャッシュカードが対象で、56万カ所以上の「J-Debit」マークのある加盟店で利用できます。
支払い時には「キャッシュカードに設定した4桁の暗証番号」の入力が必要となり、利用方法はクレジットカードとそれほど変わりはありません。
一部の金融機関を除き、原則利用申込不要ですでに保有しているキャッシュカードをそのまま使えます。入会金や年会費も不要で、決済ごとの利用手数料もかかりません。キャッシュカードを持っている人なら、年齢を問わず誰でもすぐに利用できます。
ただし、クレジットカードとは加盟店の傾向が異なるため、使えるかどうかの確認が必要です。J-Debitには旅行・ホテルなどの業界や、地域の商工会議所加盟の個人店が多く加盟しています。一方で、大手コンビニやスーパーなどはほとんど対応していません。
J-Debit - キャッシュカードではじめる、キャッシュレス
国際ブランドデビット
国際ブランド付きのデビットカードには、「VISA」や「JCB」などのブランドが付帯しています。金融機関と国際ブランドの連携により、国際ブランドが使える店舗で利用できるのが特徴です。
ネットショップやコンビニなど使える店舗が幅広く、「即時引き落としタイプのクレジットカード」のような感覚で使えるでしょう。
年会費や申し込みの基準は、金融機関により異なります。キャッシュカードがそのまま使えるタイプでないものは、別途「デビットカード機能付きカード」の発行が必要です。
「りそなデビットカード(Visaデビット)」や「楽天銀行デビットカード」など、キャッシュカードとの一体型もあります。「SMBCデビット」などは、デビットカード機能のみのカードからキャッシュカード一体型への変更も可能です。
どんなメリットがある?
クレジットカードと似た使い方をするデビットカードは、それほどメリットがないと思われがちです。しかし、状況によっては大きなメリットがあります。どんなケースでデビットカードを使うのが向いているのでしょうか?
審査なしで高校生でも発行可能
デビットカードを申し込むには「金融機関の口座開設」が必須です。預金残高以上に使えないため、審査はありません。クレジットカードの審査が通らない人でも、デビットカードなら問題なく発行できるでしょう。
J-Debitは年齢制限がなく、国際ブランド付きデビットも「15~16歳」から作れます。クレジットカードは高校生を除く18歳以上が発行の条件となっているケースが多く、未成年にとって敷居が高いのが現状です。
同じように国際ブランド加盟店で使えるカードでありながら発行しやすいデビットカードは、高校生が作る初めてのカードとしても向いています。
使いすぎない
銀行口座は「貯蓄用」「生活費用」と分けて利用できます。生活費やカード料金用の口座を作っておけば、使いすぎも防げるでしょう。
たとえば、毎月3万円までと決めて口座に3万円だけ入れるようにするとそれ以上の利用はできません。即時引き落としで「使った金額がすぐにわかる」のも利点です。
利用枠が多いと使いすぎてしまうタイプの人は、デビットカードが向いています。口座の使い分けでみずから上限を作れば、無駄な出費を減らせるでしょう。
お金の管理がしやすい
カード決済のデメリットとして、来月・再来月にいくら引き落としの予定があるのか把握しづらい点があげられます。しかし、デビットカードの場合は「利用時点」で預金残高が減るため、お金の動きがシンプルです。
さらに1回ごとの利用に対して履歴が残り、何に使ったか把握しやすいのも魅力でしょう。後日請求が多いと何に使ったか混乱の原因になりますが、利用日と引き落としが同日のため記憶にも残りやすいはずです。
通帳の履歴がそのまま家計簿となり、毎月の変動費を管理できます。家計簿をつけるのが面倒な人も、普段の支払いにデビットカードを使うくせをつけるだけで、手軽に家計管理ができるでしょう。
キャッシュバックなどの特典も
国際ブランド付きのデビットカードには、ポイント還元やキャッシュバックもあります。還元率はカードによって異なりますが、「0.2%」程度の少額から「1%」以上の高還元まで多彩です。
金融機関の利用状況やカードの種類によって、高還元なクレジットカードと同等の還元も期待できます。金融機関のカードということもあり、「キャッシュバック」タイプが多いのも特徴です。自動的に口座にキャッシュバック分が振り込まれ、ポイントの使い道に迷うこともありません。
入会特典として、現金キャッシュバックを行っているカードもあります。ポイントに興味がない人も、デビットカードをお得に使いましょう。
海外でも使える
国際ブランド付きのデビットカードは、クレジットカードと同じように海外でも使えます。J-Debitのように日本国内のみのサービスもあるため、海外で利用したいなら行きたい国に合わせて使い勝手のよい「国際ブランド付きデビットカード」を選びましょう。
15歳以上で使えるカードが多いこともあり、高校留学や学生の海外旅行時にも役立ちます。審査がなく、発行しやすいのも魅力です。
デビットカードは金融機関と提携していることもあり、海外で現地通貨を引き出せるタイプもあります。現金派の人も1枚は持っておきたいカードです。
デメリットもある?
クレジットカードでの支払いに慣れていると、デビットカードにデメリットを感じるケースもあるでしょう。支払い方法の違いや、使えないサービスを知っておくと使い道が判断しやすくなるはずです。
支払いは1回払いのみ
デビットカードは「利用時点での預金残高」に合わせて使えるカードです。後日預金残高があるとは限らないため、リボ払い・分割払いは利用できません。ただし、デビットカードに対応する加盟店なら、「定期支払い」ができるサービスもあります。
高額な商品やサービスの購入に対して少しずつ支払いたい場合は、クレジットカードやショッピングローンが向いているでしょう。デビットカードは、自分の手持ちの資金だけで購入したい人に適したカードです。
高速やガソリンスタンドなど使えない場所も
デビットカードは、一部のサービスに対応していません。カードごとに詳細は異なりますが、多くのカードで「高速道路の利用料金」や「ガソリンスタンド」が対象外です。
デビットカードは「利用時」の即時引き落としであり、預金残高ギリギリで支払った場合、追加の請求が発生すると料金を支払えません。クレジットカードのようにカード会社が立て替える仕組みではないため、決済が完了できなくなってしまいます。
一部カードでは立て替え後に後日口座に入金するサービスを行っているところもありますが、手間やリスクの面から「初めから使えない」としているものが多いでしょう。
デビットカードでの支払いが対象となる場合でも、「一定の預金残高が求められる」「1カ月の回数制限がある」など、使い勝手はよくありません。高速料金の支払いにはETCカード、ガソリンスタンドなら割引が期待できるガソリンカードなど、それぞれ適したカードを別途持つのがよいでしょう。
そのほか、公共料金や携帯電話の料金など「定期支払い」も利用不可のカードが主流です。
デビットカードを選ぶポイント
デビットカードは、発行している金融機関によって基本的なサービスが異なります。年会費だけでなく還元率もチェックしておきましょう。
年会費の有無
デビットカードはクレジットカードと同様、カードによって年会費の有無が変わります。「所定の年会費が毎年請求されるもの」や「初年度無料で2年目から年会費がかかるもの」「永年無料」など形態はさまざまです。
デビットカードは金融機関のサービスと紐付いていることもあり、「年会費無料」のものも数多くあります。コストをかけたくない場合は、無料のカードを選びましょう。
また、「年1回以上の利用で翌年度年会費無料」など、条件付きで年会費が無料となるものもあります。カードによっては「年間の利用金額」や「回数」など、比較的簡単な条件で年会費免除が可能です。
ポイント還元率と付帯保険
ポイントまたはキャッシュバックの還元率も、カード選びのときに重要な要素です。デビットカードは0.2%と低めの還元率のカードも多く、高還元のカードとの差が大きくなります。
たとえば、月間5万円を利用する場合、0.2%還元だと年間1200円分の還元です。1%還元のものを選ぶと、年間6000円分と還元も5倍になります。一例として、楽天デビットカードは1%の高還元です。
そのほか、利用に応じた還元だけでなく「ATM振込手数料」や「金利」など総合的なコストも込みで選ぶのがよいでしょう。
また、デビットカードにも付帯保険があります。「不正利用の補償」や「ショッピング保険」がメインですが、カードによっては「旅行保険」もカバーできるのです。補償金額や内容を確認しておき、有利な保険が付帯しているものを選びましょう。
おすすめのデビットカード3選
デビットカードは金融機関に紐付いているため、基本的にはメインバンクで作るのがおすすめです。ここでは、提携ATMが多くメインバンクとしても活用しやすい、人気のデビットカードを紹介します。
年会費無料で旅行保険付帯 三菱UFJデビット
三菱UFJ銀行が発行するデビットカードは、VISA・JCBの2種類から選べます。20年7月までは23歳以下限定で年会費が無料となっていましたが、サービスが改定され現在は年齢を問わず無料です。
中学生を除く、15歳以上から申し込めます。利用金額に応じたキャッシュバックもあり、前月利用分の0.2%が毎月自動で口座に振り込まれる仕組みです。デビットカードでありながら、魅力的な保険も付帯しています。
JCBには最高3000万円までの海外・国内旅行保険(死亡・後遺障害)が付帯し、指定の旅行代金をカードで支払うと適用されます。
海外ショッピング保険は、年間最高100万円までの補償がつき、自己負担も1事故あたり1万円です。不正利用補償は1事故あたり最高500万円までと、高額な補償がセットされています。
VISAの保険は海外・国内ショッピング保険と不正利用補償で、各1事故あたり年間最高100万円までです。
海外での利用に強い Sony Bank WALLET
海外旅行や出張が多いなら、現地ATMから現金の引き出しもできる「ソニー銀行」のデビットカードを検討しましょう。年会費無料で、満15歳以上から発行できます。
外貨預金口座に残高があれば、手数料無料で引き出せるのも見逃せません。また、VISAブランドのデビット機能付きで、世界のVISA加盟店での利用も可能です。
デビットカードの国内利用に対しては、キャッシュバックもあります。ソニー銀行の優待プログラム「Club S」のランクに合わせて0.5〜2%の現金がキャッシュバックされる仕組みです(月20万円分まで)。
「ショッピング保険」と「不正利用補償」もつき、ソニー銀行の提携ATMでの手数料が月4回まで無料(5回目以降はランクに応じた回数)になるなどの特典もあります。
Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit - ソニー銀行
イオンユーザーなら断然お得 イオン銀行キャッシュ+デビット
イオン銀行のデビットカードは、JCBブランドで「カード盗難補償」が自動付帯しています。また、イオンの「お客様感謝デー」で5%オフ、グループ店の利用時はいつでも「WAON POINT」が2倍(デビットカード利用時)とイオンカードと同様の特典も利用が可能です。
申し込み基準は、日本国内の居住者で中学生を除く15歳以上となっています。年会費も無料となっており、コストはかかりません。
イオン銀行の普通預金金利が「0.1%」(22年3月時点)にアップし、他行へのATM手数料無料(月最大5回)の特典が付くなど、イオン銀行をメインバンクとしている人にもおすすめです。
デビットカードの利用ではWAON POINTが「200円につき1ポイント」貯まり、カード付帯のWAONの利用でもWAONポイントが貯まります。
まとめ
デビットカードは、預金残高の中でやりくりをしたい人におすすめのカードです。クレジットカードが発行できない高校生にも適しています。
審査がなく、申し込み基準を満たせば誰でも発行できるのが特徴です。メインに利用している銀行があるなら、デビットカードを1枚持っておくのもよいでしょう。毎月の家計簿代わりとしての利用や、海外で気軽に使えるカードとして活躍します。