- 楽天カードでアメックスは選べるの?
- 楽天カードや楽天PINKカードで選択可能
- 基本の特典、機能はほかの国際ブランドと同様
- 楽天カードでアメックスを選ぶメリット
- ほかの国際ブランドと同様に年会費無料
- アメックスならではの特別な体験
- 楽天ブラックカード特典「オントレ」
- アメックスを選ぶと使えないサービスが存在
- Apple PayとGoogle Pay
- タッチ決済
- 海外旅行で重宝するサービスが使えない
- 海外キャッシング
- 海外での緊急再発行サービス
- ほかの国際ブランドと比べて損をすることも
- キャンペーンポイントを取り損ねやすい
- 海外決済の事務手数料が高い
- アメックスが使える店は少ない?
- Visa、Mastercardと比べてシェア率は低い
- JCB加盟店で使えるため国内では使いやすい
- 楽天Edy、楽天ペイも活用しよう
- 国際ブランドを変更したくなったら?
- 変更はできないため、新規発行をする
- 楽天カードを2枚持つ
- まとめ
楽天カードでアメックスは選べるの?
カード会社にカードの決済機能やライセンスを提供している組織は「国際ブランド」と呼ばれます。楽天カードでは、新規申し込み時に自分の好きな国際ブランドが選べますが、「アメックス」が選択可能なのはどの種類でしょうか?
楽天カードや楽天PINKカードで選択可能
楽天が発行する「楽天カード」には、さまざまなランクや種類があります。主な楽天カードは「アメックス」「Mastercard」「Visa」「JCB」から国際ブランドが選べますが、一部の種類やランクは、選択できるブランドが限られています。アメックスは以下のカードでのみ選択が可能です。
・楽天カード(一般)
・楽天PINKカード
・楽天プレミアムカード
・楽天ブラックカード(招待制)
楽天は2018年より「楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カード」の発行を開始しています。
カードコンセプトは「ちょっとした特別な日も、もっとステキ」で、カード会員はエンターテインメント・トラベル・グルメ・ショッピングなどのさまざまなシーンにおいて、「アメックスの限定特典」が受けられます。
基本の特典、機能はほかの国際ブランドと同様
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードの基本スペックは、ほかの国際ブランドと変わりません。
ポイントの標準還元率は1%で、利用金額100円につき1ポイントの「楽天ポイント」が貯まります。楽天市場では、「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」が適用となり、カードランクに応じたポイントが倍付けされます。
付帯機能やサービスは以下の通りです。
・楽天Edy機能(選択可)
・楽天ポイントカード機能
・追加カード(ETCカード・家族カード)
・カード盗難保険
・海外旅行傷害保険
アメックスのカードというと、センチュリオン(百人隊長)のデザインが有名ですが、楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードのデザインは通常の楽天カードと同じです。
楽天カードでアメックスを選ぶメリット
アメックスには旅行やグルメ、エンターテインメントに関連する特典が付帯しています。旅行や外出の機会が多い人ほど、メリットが実感できるでしょう。アメックスブランドならではのステータス性にも注目です。
ほかの国際ブランドと同様に年会費無料
アメックスは国際ブランドですが、自社で「アメックスカード」と呼ばれるプロパーカードを発行しています。一般ランクにあたるアメックスグリーンでも年会費は1万円以上と高額で、富裕層向けのステータスカードとして一目置かれています。
特に海外では、アメックスカードの保有者=信用力や社会的な地位が高いと見なされることがあるようです。
楽天が発行する楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードはプロパーカードほどのステータス性はありませんが、国際的に名の知られたアメックスブランドが付帯しているという点では優越感に浸れるでしょう。
ほかの国際ブランドのカードと年会費が変わらず、「お金をかけずに、アメックスの上質なサービスを受けてみたい」という人にはぴったりです。
アメックスならではの特別な体験
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カード会員は、アメックスが提供する優待サイト「アメリカン・エキスプレス・コネクト」の特典やサービスが享受できるのがメリットです。
例えば、カード会員は、宿の予約サイト「エクスペディア」において、海外/国内ホテル8%オフの割引が適用となるほか、15万円以上のツアー予約では3750円の割引優待が受けられます。
アジアの観光地を対象とした優待特典サイト「LIVE THE WORLD」では、レストラン・スパ・ホテルなどが会員価格で予約できます。旅先では通常よりもリーズナブルな料金で極上の体験ができるでしょう。
コネクトに掲載されているキャンペーンには、利用対象や利用条件が記載されています。楽天カード会員が対象外のものもあるため、利用前に確認が必要です。
楽天ブラックカード特典「オントレ」
「オントレ」とは、楽天ブラックカード会員のみが享受できる「アメックスの限定特典」です。会員は「ダイニング」「ホテル」「国内スパ」「国内ショッピング」において、割引や優待サービスが受けられます。
優待期間や内容は各ページにアップされている「ご優待特典」を確認しましょう。
例えば、「ザ・リッツ・カールトン大阪」では、一部のルーム予約が優待価格で予約できるほか、「滞在中の朝食サービス」「レイト・チェックアウト」「バスローブ・アメニティセットの提供」のサービスが無料で享受できます。
日本料理「浮月楼」においては、「メニューのアップグレード」や「食前酒のサービス」「駐車場無料サービス」などが享受できるため、特別な日や大事な接待で重宝するでしょう。
アメックスを選ぶと使えないサービスが存在
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードのデメリットは、「一部の決済サービス」に対応していないことです。Apple PayやGoogle Payで「非接触決済」をしたい人は、ほかの国際ブランドを選んだ方がよいでしょう。
Apple PayとGoogle Pay
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードは、Apple PayとGoogle Payに非対応です。「Apple Pay」とはiPhoneやApple Watchで利用できる非接触決済サービスの一種で、Apple Pay対応のクレジットカードを「Walletアプリ」に登録して利用します。
アメックス以外の楽天カードを登録した場合、全国のQUICPay加盟店では、レジ端末にスマホをタッチするだけの「スピード決済」が可能となります。Googleが提供する「Google Pay」もApple Payと同様です。
楽天カードでアメックスを選ぶことによって、Apple Pay・Google Payといった便利な非接触決済サービスが利用ができないのはデメリットでしょう。
タッチ決済
アメックスとJCB以外の楽天カードには「タッチ決済(非接触型カード決済)」が搭載されています。
タッチ決済とは、Visaの「タッチ決済」とMastercardの「コンタクトレス」のことで、対応マークのあるお店では、レジの専用端末にカードをかざすだけで決済が完了します。
アメックスにも独自のタッチ決済がありますが、機能が搭載されているのはアメックスのプロパーカードのみで、楽天カードでは利用ができません。支払いに利便性やスピードを求める人は、VisaかMastercardを選んだ方がよいでしょう。
海外旅行で重宝するサービスが使えない
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードは、「海外でのカード利用」に関するサポートが少なめです。キャッシングが利用できないのに加え、カード決済での「事務手数料」が高く、海外でのメインカードとして使うにはふさわしくないかもしれません。
海外キャッシング
「海外キャッシング」とは、海外の対象ATMでクレジットカードを使って現地通貨が引き出せるサービスです。「手数料がかかるから利用しない」という人もいますが、銀行で両替をするよりも、手数料が安く済むケースもあります。
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードでは海外でのキャッシング機能が利用できません。アメックスの個人向けプロパーカードも2012年6月末にキャッシングサービスを終了しています。
旅行関連の特典が充実しているにもかかわらず、海外でキャッシングができないのは大きなデメリットと言わざるを得ないでしょう。一方で、Visa・Mastercard・JCBの楽天カードは海外キャッシングが可能です。
海外での緊急再発行サービス
「緊急再発行カード」とは、海外でのカードの紛失・盗難時に発行される仮カードの一種です。
楽天カードまたは国際ブランドのデスクに連絡してカードの利用を希望すると、Visa・JCB・Mastercardの各ブランドより「海外のみで利用できる仮のクレジットカード」が発行されます。
VisaとMastercardに限っては「海外緊急キャッシングサービス」でお金を借りることも可能です。
一方のアメックスは、「緊急再発行カード」「海外緊急キャッシングサービス」のどちらにも対応していません。財布が盗まれて無一文にならないように、貴重品の管理には十分気を付ける必要があります。
ほかの国際ブランドと比べて損をすることも
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードは、楽天カードの各種キャンペーンの対象外となってしまうケースがあります。また、海外での決済手数料がどの国際ブランドよりも高く、利用する中で損をしたと感じることもあるでしょう。
キャンペーンポイントを取り損ねやすい
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カード会員は「ポイントキャンペーン」の対象外になるケースがあります。
例えば、アメックスは、Apple PayやGoogle Payに対応していないため、「Google Pay/Apple Payの利用で1000ポイント進呈」といったキャンペーンには参加ができません。
楽天カード会員限定のお得なキャンペーンを見かけたときは、必ず「利用条件」や「対象カード」を確認してから参加しましょう。ただ、機会は少ないものの、「アメックス限定のポイントキャンペーン」も存在します。
楽天カード会員が「楽天プレミアムカード」に切り替えをした場合、入会特典として通常は3000ポイントが進呈されますが、アメックスブランドを選んだ場合はその倍の「6000ポイント」がもらえます。
海外決済の事務手数料が高い
海外でカードを利用すると、1回の決済ごとに「海外決済の事務手数料」がかかります。
支払い額=利用金額(外貨)×国際ブランドごとの為替レート(円)×事務手数料
事務手数料は一律ではなく、国際ブランドごとに設定されています。アメックスはすべての国際ブランドの中でもっとも事務手数料が高く、JCBとは0.4%の差があるのです。
アメックス:2%
Mastercard 1.63%
Visa:1.63%
JCB:1.6%
海外での利用が多い人や海外のオンラインサイトを利用する人は、できるだけ手数料の安いブランドを選ぶのが賢明です。
アメックスが使える店は少ない?
国際ブランドを選ぶときに、多くの人は「加盟店舗数」「シェア率」「知名度」などを重視するようです。メインカードをアメックスの楽天カードにした場合、普段の買い物や海外旅行で不便はないのでしょうか?
Visa、Mastercardと比べてシェア率は低い
国際ブランドごとの世界の「シェア率(会員数)」は、第1位がVisa、第2位がMastercardです。日本国内においては、第1位がVisa、第2位がJCBで、国内・海外のどちらにおいても、アメックスを保有している人はそれほど多くはありません。
一方、国際ブランドごとの「加盟店数」はというと、VisaとMastercardがダントツに多く、それぞれ世界で7000万店を突破しています。対するアメックスは加盟店がやや少ないため、場所によっては決済ができないケースもあるでしょう。
海外旅行では、アメックスのほかに、VisaまたはMastercardのいずれかを携帯するのが安心です。「アメックスが使えてVisaが使えない」という店はほとんどないと考えられます。
JCB加盟店で使えるため国内では使いやすい
JCBは日本発のペイメントブランドで、世界には3500万店舗以上の加盟店があります(2020年9月末時点)。
アメックスとJCBは加盟店の提携を結んでおり、日本国内のJCB加盟店では、アメックスカードによる決済が可能です。国内のJCB加盟店は多いため、アメックス1枚しかない場合でも支払いにはほぼ困らないでしょう。
スーパーやコンビニ、レストランなどの「街中の加盟店」はもちろん、旅行サイトや総合通販などの「オンライン加盟店」も対象です。
ただ、街中のJCB加盟店において、JCBとアメックスが提携していることを知らない店員が対応すると、「アメックスは使えない」と断られる可能性があります。実際に、JCBと加盟店の契約の関係でアメックスが使えない場合もあるようです。
楽天Edy、楽天ペイも活用しよう
楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードは、楽天のキャッシュレス決済「楽天Edy」や「楽天ペイ」に対応しています。カードをそれぞれの支払い元に紐づければ、「アメックスの加盟店以外」でも間接的にカード払いができることになります。
楽天Edyの利用可能箇所:約85万カ所以上(2021年5月1日時点)
楽天ペイの利用可能箇所:約500万カ所以上
「楽天Edy」は、事前に残高のチャージが必要なプリペイドタイプの電子マネーです。楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードを発行する際、「Edy機能付き」にチェックを入れて申し込みをすると、Edy機能付きのカードが発行されます。カードからEdy残高にチャージをして使いましょう。
「楽天ペイ」は、専用アプリをスマホにダウンロードして利用する「スマホ決済サービス」です。カードから「楽天キャッシュ」にチャージをするか、カードを支払い元に設定して、アプリ経由で「カード払い」をしましょう。
国際ブランドを変更したくなったら?
楽天カードは一旦カードを発行したら、「国際ブランドの変更」ができません。アメックス以外のブランドを希望する場合は、「新規発行」または、「デュアル発行」のいずれかの方法で変更しましょう。
変更はできないため、新規発行をする
国際ブランドの変更はできないため、手持ちのカードを一旦解約した後、「新規発行」の手続きを行います。
カードの解約は「楽天カードコンタクトセンター(電話)」で受け付けています。「楽天プレミアムカード」の場合はカード裏面のコールセンターに電話をしましょう。カード会員サイト「楽天e-NAVI」では手続きができません。
カードの新規申し込みは楽天のWebサイトにて行えます。申し込みの際に、希望する国際ブランドを選択しましょう。
なお、旧カードが「Edy機能付き楽天カード」の場合は、Edy残高を使い切るか、残高移行を行ってから破棄する必要があります。
楽天カードを2枚持つ
楽天カード会員は、「現在と異なる国際ブランド」で2枚目のカードが発行できます。1枚目のカードがアメックスであれば、2枚目に、Visa・Mastercard・JCBのいずれかのカードが持てるのです。
こうした発行スタイルは「デュアル発行」や「デュアルスタイル」などと呼ばれ、楽天カード以外のクレジットカード会社でも採用されています。
カードを2枚持ちすれば、アメックスの特典はそのままに、ほかのブランドの特典やメリットも享受できます。利用シーンに応じて使い分けてもよいでしょう。カード決済で付与されるポイントは、一つの「楽天ポイント口座」に貯まります。
2枚目を発行する際は、「一部持てない組み合わせ」がある点に注意が必要です。例えば、1枚目に楽天PINKカードを持っている場合は、2枚目に楽天PINKカードを発行することはできません。詳細は楽天カードのWebサイトを確認しましょう。
まとめ
ステータス性を重視する人やアメックスならではの特典を享受したい人にとって、楽天カード・アメリカン・エキスプレス・カードは理想のカードといえます。
ただ、一部の非接触決済サービスに対応していない点や、海外キャッシングができない点を考えると、利便性はそれほどよいとはいえません。海外渡航が多い人にとって、決済時における事務手数料の高さもネックです。メリットとデメリットを理解した上で発行を決めましょう。