マイレージのマイルをフライトで貯める
航空会社のマイルは、ショッピングやポイントからの交換など、さまざまな方法で貯まりますが、基本の貯め方は「フライト」です。マイルとは別に積算される「ポイント」についても理解を深めましょう。
飛行機に乗って貯めるフライトマイル
「マイレージ」とは航空会社のポイントプログラムのことです。 飛行機を利用する顧客に対し、飛行距離などに応じた「ポイント(マイル)」を付与する仕組みで、海外では「FFP(フリークエントフライヤープログラム)」といいます。 マイルは、航空会社が提携した「クレジットカードの利用」でも積算されるのはご存じでしょう。買い物で貯まるマイルと区別し、飛行機の搭乗で貯まるマイルを「フライトマイル」と呼びます。 フライトマイルを貯めるには、各航空会社のマイレージクラブに入会する必要があります。予約時や搭乗手続き時に「会員番号」を伝え、会員名で発券された航空券で搭乗するとマイルが自動的に積算される仕組みです。
ステイタスを上げるポイントとは?
フライトのたびに、マイルとは別に積算される「ポイント」があります。ANAは「プレミアムポイント」、JALは「FLY ON ポイント」という名称です。 これらはステイタスのランクアップを目的とするもので、マイルと違い航空券や商品に交換することはできません。年間で獲得したポイント数によって翌年のステイタスが決まる仕組みで、ランクが上がれば上がるほど、サービス面での優待が多くなります。 ANAは「ブロンズ」「プラチナ」「ダイヤモンド」、JALは「クリスタル」「サファイア」「ダイヤモンド」のステイタスに区分されているのが特徴です。
マイルの計算方法の基本は飛行距離
フライトマイルの計算は「飛行距離」が基本です。そこに予約クラスや利用運賃による「マイル積算率」を乗じて得た数字が、1回のフライトで得られるマイル数です。飛行機を利用する際は、どのくらいのマイルが獲得できるかをシミュレーションしてみましょう。
飛行距離の区間基本マイルとは
フライトマイルは以下の計算で算出されます。
・フライトマイル=「搭乗の区間基本マイル」×「利用運賃・予約クラスごとのマイル積算率」
「区間基本マイル」とは、出発地から目的までの「飛行距離ごとに決められたマイル」のことです。たとえば、東京→名古屋は193マイル、東京→石垣島は1224マイルというように、マイル数は距離に比例する傾向があります。 JALとANAは、IATA(国際航空運送協会)のTPM(運賃計算に使用する区間距離)を基準に設定しているため、両者のマイル数に違いはありません。
積算率は予約クラスで決まる
「マイルの積算率」は「利用運賃」や「予約クラス」によって異なります。 利用運賃とは「普通運賃」「割引運賃」「個人包括旅行割引運賃」などの利用する「運賃種別」を指します。簡単にいうと、割引率が低い運賃種別にはマイルを多く積算し、割引率が高い運賃種別には少なく積算する仕組みです。 たとえば、JALの場合「普通運賃」の積算率は100%ですが、割引が適用される「特便割引」や「先得割引」は75%まで下がり、個人包括旅行割引運賃は50%しか積算されません。 また、国際線は「予約クラス」ごとに積算率が決まっています。予約クラスは、アルファベット1文字で表記されるもので、ファーストやビジネスといった搭乗クラスとは異なります。各予約クラスの積算率は、JAL・ANAのWebサイトに掲載されています。
積算対象外のフライトに注意
ANA・JALともに、マイルで交換する「特典航空券」や、特定の目的のために準備する「チャーター便」にはマイルが積算されません。 JALの場合「幼児運賃」「代理店割引運賃」「添乗員割引運賃」などの「特殊運賃」はマイルの積算対象外です。ANAでは「団体割引運賃」「包括団体旅行運賃」などが積算対象外とされています。 そのほか、提携航空会社との取り決めで「積算が不可」とされている航空券や予約クラスも存在します。
ステイタスポイントの計算方法
ステイタスポイントは、フライトマイルに「路線ごとの換算率」を掛け、利用する運賃に応じた「搭乗ポイント」を足して計算します。
ANA プレミアムポイントの積算対象
ANAのプレミアムポイントの積算対象となる便は以下の通りです。
・ANAグループ便(ANA・ANAウイングス)
・ANA便名のコードシェア便
・スター アライアンス加盟航空会社運航便
・スター アライアンス コネクティングパートナー運航便
ANAは「IBEXエアラインズ」「AIRDO」「ソラシドエア」「スターフライヤー」「オリエンタルエアブリッジ」と国内線のコードシェアを行っていますが、ANA便名にて予約・搭乗した場合のみ対象となります。 スター アライアンス加盟航空会社は、ユナイテッド航空や中国国際航空、エアカナダをはじめとする全25社です。 スター アライアンス コネクティングパートナーは「吉祥航空」で、上海を拠点に主に香港やマカオに運航しています。
JAL FLY ONポイントの積算対象
「JAL FLY ONポイント」は、大きく分けて「JALグループ航空会社便(他社運航コードシェア便を含む)」と「ワンワールド アライアンス加盟航空会社便」に搭乗した場合に積算されます。 JALグループ航空会社は「日本航空(JAL)」「日本トランスオーシャン航空(JTA)」「日本エアコミューター(JAC)」「琉球エアーコミューター(RAC)」の計4社です。 ワンワールド アライアンス加盟航空会社は「アメリカン航空」や「ブリティッシュ・エアウェイズ」をはじめとする計12社です。
計算サービスを使えば簡単便利
JAL・ANAでは名称が異なりますが、ステイタスのポイントは以下の計算式で算出されます。
・ステイタスのポイント=「フライトマイル」×「路線ごとの倍率」+「搭乗ポイント」
路線ごとの倍率は、ANAでは「路線倍率」、JALでは「FLY ON ポイント換算率」と呼ばれます。日本国内線は2倍、日本発着のアジア・オセアニア・ウラジオストク路線は1.5倍、それ以外の国際線は1倍です。 搭乗ポイント(JALは「搭乗ボーナス FLY ON ポイント」)は、利用する運賃や予約クラスごとに規定されており、0~400ポイントの間で積算されます。 「計算が難しい!」という人は、ポイントのシミュレーションサービスを活用しましょう。必要事項を入力するだけで自動的にポイントが計算されます。
ANA SKY WEB : ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション
まとめ
JALやANAでは、フライトのたびに「マイル」と「ポイント」の両方が貯まります。マイルは各種特典に交換できるのに対し、ポイントはステイタスを獲得することが目的です。 上級会員のステイタスを獲得すると、一般会員にはないサービスが享受できるため、ポイント獲得を重視するマイラーは少なくありません。ポイントの計算方法はやや複雑なため、ポイントのシミュレーションサービスを活用するとよいでしょう。