クレジットカードが使えない主な理由
旅先で急にカードが使えなくなると、「現金が足りない」「ホテルのデポジットが払えない」などと焦ってしまうものです。近年はキャッシュレス決済の普及で現金を持ち歩かない人が増えているため、カードの利用停止は致命的ともいえます。
有効期限切れ
クレジットカードの「有効期限」が切れると、カード自体が使えなくなります。有効期限はカード券面に記載されているため、カードを受け取った際に確認しておきましょう。
左から「月/年」の順番で並び、左の2桁が月、右の2桁が西暦です。たとえば「09/21」との表記があれば、2021年9月末が有効期限となります。
有効期限はカード会社や会員の状況によって異なりますが、3~5年が通常です。期限間近になると、カード会社から新たなカードが郵送で送られてきます。古いカードはハサミで裁断し、新しいカードの裏面に署名をしましょう。
支払いの遅延
クレジットカードには「引き落とし日」があり、締め日までの約1カ月間の利用代金が預金口座からまとめて引き落とされる仕組みです。預金口座にお金がなく、引き落としができなかった場合、カードの利用が一時的に停止されます。
支払い遅延に気付いたときは、カード会社にすぐに連絡をして指定された方法で支払いましょう。数日後にカードの利用は再開されるはずです。
支払い遅延が長引くと「信用情報」に傷が付きます。「返済能力がない」「借りたお金を返さない」と見なされ、以後のローンやカードの審査に通りにくくなるケースもあるのです。
セキュリティロック
カードには「セキュリティロック」の機能があります。通常とは異なるパターンでカードの利用が行われた場合、「カード不正使用検知システム」が作動して、カード利用が一時的にロックされるのです。
・高額の支払いが連続して続いた
・同一店舗で連続利用があった
・不正利用が多発している店舗での支払いがあった
・いつも日本で利用されていたカードが突然海外で利用された
・過去の不正利用と類似する利用があった
利用停止になると、カード会社から「本人確認」のための連絡が入ります。電話応対後、カードのロックが解除されます。
利用限度額の超過
カードには「毎月の利用可能枠」が設定されています。範囲内であれば、カードショッピングまたはカードキャッシングに繰り返しカードが利用できますが、限度額を超過した支払いはできません。以下の方法で対処しましょう。
・引き落とし日(支払い日)まで利用を控える
・引き落とし日前に利用額を返済して利用可能額を増やす
・利用限度額を一時的に増額する「一時増枠」を利用する
使い過ぎで利用停止にならないよう、日頃から計画的にカードを利用する必要があります。限度額を超えそうだと感じたら、事前に「利用可能枠の増枠(通常増枠)」をしておきましょう。
店舗で使えない原因は?
カードが使えない原因は「自分側の問題」と「店舗側の問題」の二つに大きく分けられます。店舗側で多いのは「端末の読み取り不良」です。万が一のときのために、現金や電子マネーなど、ほかの支払い方法も準備しておきましょう。
決済端末の故障
店舗に設置してある「決済端末」が故障していると決済が行えません。「ほかの店舗では問題なく使えるのに、特定の店舗では使えない」というときは故障を疑いましょう。
この場合、特定のカードだけでなくすべてのカードが使えなくなるため、店舗側でも何らかの対応をしているはずです。現金や電子マネーを使うなどほかの支払い方法を使いましょう。
また、無線で親機と通信するタイプの端末は通信状況によっては処理に時間がかかり、時間切れになる場合もあるようです。
カードブランドの未加盟店
クレジットカードにはVisaやMastercard、JCBなどの「国際ブランド」があります。たとえば、Visaのマークが付いたカードは、「Visaでの決済を取り扱う加盟店」でしか使えません。
支払い時は、自分の持っているカードブランドに店舗が対応しているかどうかを確認しましょう。レジ前にある「利用可能な支払い方法」に詳細があります。
現在のところ、国際ブランドのシェア率がもっとも高いのは「Visa」です。「Mastercard」も対応店舗が多く、支払いに困ることはほとんどないでしょう。
JCBは日本国内での普及率は高いですが、海外では対応していない店舗も多くあります。
ネットで使えない原因は?
オンラインでは「カードの不具合」や「端末の故障」は考えられません。利用状況にも問題がなければ、自分自身の「入力ミス」である可能性が高いでしょう。特に、カード番号は桁数が長く間違いやすいため、入力後の見直しは欠かせません。
カード情報の入力ミス
ネットショッピングで多いのが「カード情報の入力ミス」です。支払い方法を選択する画面で「クレジットカード払い」を選択した後、支払いに使う「カード情報」を手入力する必要があります。
・カード番号
・カードの有効期限
・セキュリティコード(CVC番号)
「カード番号」は券面に記載されている14~16桁の番号です。国際ブランドごとに桁数が異なります。
「カードの有効期限」は入力時に「月」と「西暦」の順番が逆になってしまいがちです。1月のときは「01」、12月のときは「12」といったように、2桁で入力しなければならない点にも注意しましょう。
「セキュリティコード」はカード裏面に記載されている「3桁」または「4桁」の番号です。
自分の名前の入力ミス
カード情報を入力する際は、「名義人の入力ミス」にも注意しましょう。名義人の名前は「ローマ字」です。大文字や小文字の区別、姓と名の順番など、カードに記載された通りに入力します。
もし、入力画面で「名前は半角ローマ字で入力してください」などと記載がある場合は、画面の指示に従いましょう。名前を間違ったり、入力方法が違ったりするとエラーが出て決済が行われません。
カード自体に問題がある場合も
カードの「ICチップ」や「磁気ストライプ」はとても精密です。この部分にはカード情報が転写または格納されており、不具合が生じるとカードが使えなくなってしまいます。
ICチップが破損
「ICチップ」は集積回路(IC)を内蔵した小さな四角い基板で、カード券面に埋め込まれています。カード情報が暗号化されて記録されており、店舗の端末でそれらを読み取ることで決済が行われます。
ICチップが汚れていたり、破損していたりするとカード情報の読み取りがうまくいきません。
店舗でエラーが出たら、まずは柔らかい布でチップ部分の汚れを落とし、再試行してみましょう。それでも問題が解決しない場合はチップが破損しているおそれがあります。
磁気不良
カセットテープやビデオテープと同様、磁気ストライプにはカード情報が直接転写されています。店舗の端末でスキャンして情報を読み取りますが、「磁気不良」や「破損」が生じると決済ができなくなるケースがあるのです。
まずは、柔らかい布でストライプ部分を拭き、汚れを落としてから再試行してみましょう。問題が解決しない場合はカード会社に連絡をして、再発行をしてもらう必要があります。
カード自体の問題なら再発行手続きが必要
ICチップや磁気ストライプに不具合がある場合、カードの復旧は困難です。カード裏面にある「サービスセンター」に連絡をして、カードの再発行をお願いしましょう。カード会社によっては「カード会員専用のWebサイト」でも発行手続きが行えます。
基本的に「同じカード番号」のカードが発行されますが、カード裏面のセキュリティコードは変わる可能性があります。
スムーズな決済をするために
クレジットカードは利便性の高い支払い方法ですが、不具合や利用停止などで「急に使えなくなる」というリスクもあります。スムーズな決済をするために、普段からどんな点に気を付ければよいのでしょうか?
保管方法に注意する
ICチップや磁気ストライプが付いたカードは保管場所や保管方法を間違うと、すぐに破損してしまいます。
・静電気や強い磁気のある場所に近づけない
・折り曲げない
・濡らさない
・湿気のある場所に置かない
・高温になる場所に置かない
カードをズボンのポケットに入れる人がいますが、座ったりかがんだりしたときにカードが折り曲がるおそれがあります。
持ち歩くときは、ハンドバッグや財布の磁石留め具など「強い磁気を発するもの」に近づけないようにしましょう。クレジットカードを重ねて持ち歩くのもNGです。
不正利用されないようカード情報を管理
近年はスキミングや第三者によるカード情報の盗用など、カードが不正利用されるケースが相次いでいます。「身に覚えのない請求があった」「カードが紛失した」ということがないように、カードの管理はしっかりと行いましょう。
ネット決済は、カード情報さえあれば簡単にできてしまいます。不正アクセスでサイトのIDとパスワードが流出し、カード情報が盗まれるケースも多いため、「ID・パスワードの使いまわし」は控えましょう。
海外では、ATMのカード挿入口にスキマーを装着してスキミングする手口が横行しています。非接触型のカードは、満員電車やエスカレーターの中でカード情報を抜き取られることもあるようです。
スキマー防止のケースにカードを保管するなどして、スキミングからカード情報を守りましょう。
異なる国際ブランドのカードを持つのも有効
店舗によっては、特定の国際ブランドに対応していないケースもあります。レジ前で慌てないように、異なる国際ブランドのカードを2枚以上持つのも有効です。カード会社のシステム障害時にも対応できるでしょう。
おすすめは、世界上位のシェアを誇る「Visa」と「Mastercard」です。日本国内のみで使うのであれば、「JCB」でもよいでしょう。
一方で、「銀聯(ぎんれん)」は中国本土への旅行・出張時に大活躍してくれます。都市部はもちろん、地方都市でも銀聯カードが使える店舗が多いため、渡航予定のある人は作っておいて損はありません。
まとめ
クレジットカードは、今や多くの人にとって欠かせない決済手段です。ネットで買い物をするときも、クレジットカードさえあれば振込みのためにコンビニに足を運ぶ必要がなくなります。
ただ、前触れもなく急に使えなくなったり、不具合が生じたりしてしまうのはデメリットです。カードが使えない原因はさまざまですが、少なくとも「自分側」の問題で利用停止にならないように、普段から気を付ける必要があるでしょう。
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