そもそもキャッシングとは？
クレジットカードの「キャッシング」は、カード会社から現金を借りるサービスです。英語の「cash（現金）」から生まれた和製英語ですが、一般的にATMやネットを経由して現金を引き出す少額の借入を指します。
利用限度額は審査で決まる
楽天カードを申し込む際、「キャッシング枠の希望有無」の確認があります。自分で入力した金額に対して審査があり、限度額が決まる仕組みです。
「キャッシング枠なし」で設定した楽天カードを保有している場合でも、楽天カード会員専用のWebサービス「楽天e-NAVI」の「ご利用可能枠の増枠」から、キャッシング利用手続きを行えます。この場合も、利用可能枠に対する審査が行われる仕組みです。
キャッシング枠の申し込みは、「収入がある人のみ」が対象となっています。専業主婦や無職など、返済が難しいと考えられる場合は利用できません。
申し込みの際は自由に金額が決められますが、必ずしも希望通りの金額になるとは限らないことを覚えておきましょう。50万円と希望を出しても、年収やその他の個人情報によっては10万円、20万円と少ない限度額が提示されます。
また、「賃金業法」に伴い、以下のケースでは申し込み時に年収を証明できる「収入証明書」のコピーの提出が必須です。
・楽天でのキャッシング枠（または借り入れ金）が50万円以上
・楽天と他社のキャッシング+借り入れの合計が100万円以上
限度額の確認方法
実際に自分がいくらのキャッシング枠を付与されたのか確認したい場合は、「楽天e-navi」を利用しましょう。
楽天カードを保有済みで同サイトから「利用可能枠変更」を行った場合、審査の完了時には会員情報のメールアドレス宛に「審査完了のお知らせ」が届きます。しかし、メールに具体的な金額は記載されていません。
ログインには、「楽天ID」と「パスワード」を利用します。楽天IDは、楽天ユーザー登録時に設定したメールアドレスまたは任意の英数字です。
マイページにログインすると、「ご利用可能額の照会」のページがあります。キャッシングの限度額を知りたい場合は、キャッシングと記載された枠内の「ご利用可能額」と「ご利用可能枠」を確認しましょう。可能額は「現時点で利用できる残高」で、可能枠は「キャッシングが可能な上限」です。
なお、楽天カード入会時にキャッシング枠を申し込んだ場合、到着したカードに付属している「カード情報の用紙」にも記載されています。
カードローンとの違い
「カードローン」はキャッシングと同じように、現金の借り入れを行うサービスです。主な違いは「借り入れの限度額」「返済方法」「金利」です。
取り扱っている業者により定義は異なりますが、カードローンの方が借り入れ限度額が高いのが一般的です。返済方法は、キャッシングもカードローンも基本的に同じで「翌月一括払い」と「分割返済」があります。
しかし、カードローンの方が借り入れの金額が高くなるため、「分割返済」を選択する人が多いでしょう。キャッシングより元金が高額になる分、金利も割安です。
一方で、クレジットカードに付帯するキャッシング機能は、翌月の一括払いで返済する仕組みや、分割返済を基本としながらも「繰り上げ返済」ができるものもあります。
「ショッピング枠」と連動し、キャッシングの枠を増枠するとショッピング枠で利用できる金額が減るのも特徴です。
楽天カードキャッシングの基礎知識
楽天カードのキャッシングを利用する前に、返済シミュレーションで金利を確認し、利息を減らすための繰り上げ返済についても覚えておきましょう。使い方によっては、最低限の利息でお金が借りられます。
金利と手数料
楽天カードのキャッシングを利用する場合、金利は「実質年率18％」です。たとえば、10万円を借りて1回払いで返済するとします。返済までの期間が30日としてシミュレーションしてみましょう。
返済額は10万1479円となり、1479円が利息です。返済が遅れるときや、リボ払いでの返済を選ぶと利息は更に高くなります。海外キャッシングの場合も金利は同じです。
そのほか、国内・海外でATMから現金を引き出すときには別途手数料が必要です。1万円以下なら110円（税込）、1万円を超えるなら220円（税込）がかかります。
繰り上げ返済する方法
楽天カードでキャッシングを利用すると、原則返済は「引き落とし月の27日」になります。しかし、それまでに資金が用意できるなら、「繰り上げ返済」も可能です。ただし、どのケースでも振込手数料は本人負担となります。
残額の一括返済は、楽天カードの「自動音声専用ダイヤル」で手続きを受け付けています。24時間対応で、通話料は無料です。
残額の一部を繰り上げ返済するには、楽天e-NAVIの「チャットサポート」に問い合わせましょう。ただし、カードの利用可能額に反映させるには、「当月分の支払い」から行う必要があります。
いつの支払いをしたいのか、チャットサポートのマニュアルに従って連絡しましょう。なお、営業時間は、年末年始を除く9時30分〜17時30分です。
返済シミュレーションを利用しよう
楽天カードでキャッシングを利用するとき、返済額がいくらになるのかは気になるところです。利息を知りたいなら「返済シミュレーター」を活用しましょう。
スマートフォンで確認する場合、楽天カードの公式サイトから「お支払い調整・キャッシング」を選びます。キャッシングのページに移動し「詳しくはこちら」をタップすると、はじめての人への案内ページに遷移する仕様です。
メニュー内の「返済シミュレーションはこちら」を選択し、借り入れ金額や返済方法を入力しましょう。複雑なキャッシングリボも、すぐに利息がわかります。
パソコンでは、「機能・サービス」タブから「お支払い調整・キャッシング」メニューのページに移動可能です。
なお、ショッピングリボ払いのシミュレーターもありますが、金利が異なるためキャッシングの利息を知るときには使えません。
国内外でできるキャッシング方法
楽天カードには、複数のキャッシング方法があります。ATMを利用したキャッシングがよく知られていますが、ネットキャッシングや海外キャッシングなど利用シーンに合わせて選びましょう。
いつでも申込可能 ネットキャッシング
ネットキャッシングは、スマートフォンまたはパソコンを利用してキャッシングが完了するサービスです。24時間申し込み対応で、振込手数料もかかりません。
「楽天e-mavi」から申し込みができ、「カード代金引き落とし口座」に現金が振り込まれます。引き落とし口座が「楽天銀行」なら、いつ申し込んでも最短数分で現金が振り込まれるため有利です。
ほかの銀行口座でも、平日9～14時49分の銀行営業時間なら最短数分で振込が完了します。3カ月先までの「振込予約」も可能で、必要な日時に忘れることなく現金が用意できるでしょう。
全国のコンビニや銀行で ATMキャッシング
楽天カードのロゴがある提携ATMなら、すぐに1万円単位で現金が引き出せます。「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」といった都市銀行を始め、コンビニATMも対象です。
コンビニATMならまず楽天カードを挿入し、出金手続きを行いましょう。暗証番号と希望金額を入力すると、返済方法として一括払いとリボビング払いを選択できます。
銀行ATMでは「クレジットカード」の項目を選択するとカードが挿入可能です。「出金」から、画面の案内に従って進めましょう。
暗証番号は、クレジットカードを申し込んだときに設定した「4桁の数字」です。ATMキャッシングを利用すると、ATMの稼働時間によっては深夜でも現金が手元に用意できます。
両替よりもお得な場合も 海外キャッシング
海外旅行や出張時に使えるのが、「海外キャッシング」です。現地の対象ATMで、現地通貨を引き出せます。所有している楽天カードの国際ブランドによって対応のATMが異なるため、楽天カードの海外キャッシングのページで「ATM検索」を利用してみましょう。
通常、日本円を別の国の通貨に交換するときは「両替手数料」がかかりますが、海外キャッシングならそのときのレートに加えてキャッシングの利息を支払うだけで利用できます。
キャッシングの利息は返済金額と日数で変動しますが、通貨の種類（国）や両替場所を問わず同額です。「ATM手数料」も含まれており、両替手数料よりも数千円安くなる場合もあります（例外として、現地ATM手数料がかかる場合あり）。
国内キャッシングと同様、実質年率は18％です。海外キャッシングは「1回払いのみ」のため、実質的な利率は1.5%程度になります。両替手数料は通貨によって異なりますが、10％を超える通貨もありキャッシングの方がお得です。
返済方法は2通り
楽天カードでは、キャッシングの返済方法を2種類用意しています。無理なく返済するためにも、どの返済方法を選ぶかあらかじめ考えておきましょう。
1回払い
1回払いは「毎月末日」を締め日として、「翌月27日」にすべてを返済する方法です。カード代金引き落とし口座から、自動的に引き落とされます。
たとえば2月10日に5万円をキャッシングした場合、3月27日に5万円と利息が引き落とされる仕組みです。翌月にはお金が入り、返済できる場合は1回払いを選択しましょう。返済までの時間が短く、金利が安く収まるのがメリットです。
借入後に状況が変わったときは、締切前ならあとからリボ払いに変更もできます。締切は登録金融機関によって変わりますが、最長24日です。
リボ払い
キャッシングリボ払いは、「毎月同じ金額」を定期的に返済していく支払い方法です。基本的に、国内でのキャッシングで利用できます。1回払いと同じく、「毎月末日」締めの「翌月27日」支払いです。
1回の最低金額はキャッシングの総額や契約時期によって変わりますが、10万円を借りて5000円ずつ返済もできます。翌月に1回で返済できないときに役立つ方法です。
そのときの残額に利息がかかる仕組みで、1回払いに比べると最終的に金利は高額になるでしょう。10万円を1回払いにすると1479円ですが、5000円ずつだと1万5520円の利息がかかります。
利用する際に知っておきたいこと
キャッシングは、ショッピング枠とは異なります。キャッシング枠を使う前に、ショッピング枠との兼ね合いやポイント還元の仕組みも確認しておきましょう。
キャッシングするとショッピング枠が減る
クレジットカードの利用枠には「総利用枠」「ショッピング枠」「割賦枠」「キャッシング枠」があります。一般的に「総利用枠=ショッピング枠」です。
キャッシング枠は、総利用枠（ショッピング枠）の一部となります。割賦枠は、ショッピング枠の中で、分割・リボ払いなどに使える枠です。
総利用枠が50万円で、キャッシング枠が10万円だとします。この状態でキャッシング枠を5万円使うと、ショッピング枠は45万円です。
反対に、ショッピングで50万円を使い切っていれば、キャッシングは利用できません。キャッシング枠の増枠を申し込んでも審査に通らないのは、総利用枠の上限までショッピングで使い切ってしまっているのが原因です。
基本的にはポイント付与対象外
楽天カードでショッピング枠を使い買い物をすると、「楽天ポイント」が還元されます。しかし、キャッシングは原則「ポイント還元の対象外」です。
現金を借りて返済するだけのため、ポイント還元はあまり期待しないでおきましょう。ただし、「キャッシングの利用でポイントがもらえるキャンペーン」は不定期に行われています。
たとえば、楽天カードでのショッピングとキャッシングを一定額以上期間内に指定金額以上行うと、ポイントがもらえるキャンペーンなどです。「エントリー期間」が設定されているものが多いため、普段から公式サイトでこまめにキャンペーン情報をチェックしておきましょう。
まとめ
楽天カードには、キャッシング機能が付いています。カード申込時に申請し、審査に通ると現金が借りられるサービスです。
金利や返済方法など、いざというときお得に使う方法を知っておきましょう。海外キャッシングでは、両替手数料を払うより安くなるケースもあります。
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