解約のデメリットを知っておこう
ヤフーカードの解約には、いくつかデメリットがあります。ヤフーグループのキャンペーン利用や、ポイント還元が不利になるだけではありません。まずは、カードが本当に必要ないのか、改めて考えてみましょう。
PayPayクレカチャージが利用不可に
ヤフーグループのコード決済サービス「PayPay」は、アプリ内の「残高」にチャージして支払う方法と、アプリに登録した「クレジットカード」から支払う方法の2種類があります。
ヤフーカードを解約すると、PayPayの使い方が変化します。解約時点で「PayPayへのカードチャージ」ができなくなるため、クレカチャージを利用している場合は注意が必要です。ヤフーカード以外のクレジットカードもPayPayに登録することはできますが、「チャージ」に対応していません。
ヤフーカードは「チャージ後のPayPay残高払い」と「カード登録によるクレジットカード払い」両方に対応しています。銀行口座の紐付けやATMからのチャージも利用できますが、解約前にほかの方法を考えておきましょう。
プラチナ補償の解約
ヤフーカードを解約すると、付随するサービスも自動的に解約されます。月額539円(税込)で加入できる「プラチナ補償」は、18種類の補償がつくサービスです。
修理・破損補償金だけでなく、「旅行・イベントキャンセル補償金」や「海外旅行思わぬ出費補償金」など多様な補償サービスが付帯しています。ヤフーカードで購入・支払いをしたサービスに限りますが、何かあったときのお守りとして役立つでしょう。
申請中であれば審査に通過すると補償金の対象となりますが、解約後に発生した事故は対象外です。サービスを利用できるものはないか、確認した上で解約手続きを進めましょう。
入会後すぐの解約にはリスクも
クレジットカードは、カード会員が利用することで利益が生まれます。「発行後すぐの解約」は、印象を悪くする可能性が高いでしょう。加盟店がカード会社に支払う手数料や金利の支払いは、カード会社の主な収入源です。
ヤフーなどの流通系サービスの場合、自社サービスを利用してくれることを見込んで「数千円相当の入会特典」を出しています。カード作成にも費用がかかるため、カードをまったく利用せず解約する顧客は企業にとってマイナスです。
カード解約の情報は、クレジットカードの利用履歴である「クレヒス」として信用情報機関に5年ほど残ります。一般的な解約は悪い情報ではありませんが、還元目的の入会や多数の解約情報は今後の審査にかかわる可能性もあるでしょう。
解約前にしておくこと
ヤフーカードは「Tポイントカード」としての役割も果たします。ポイントが残っている場合は、失効を防ぐために手続きをしておきましょう。クレジットカード払いにしている公共料金など、継続支払いの設定をしている場合は変更手続きも必要です。
Tポイントの移行
ヤフーカードには、「Tポイントカード会員番号」が付帯しています。Tポイントを残しておきたいときは、別のTポイントカードを用意してポイントを移行しましょう。
カードに記載されたTポイントカード番号は、ヤフーカードの解約と同時に使えなくなる仕組みです。同時に、ヤフーカードに紐付くTポイントはすべて失効します。
Yahoo! JAPAN IDに連携しているTポイントカードを変更すると、ポイントの移行が可能です。解約前に別のTポイントカードをYahoo! JAPAN IDに登録し、移行手続きを済ませておきましょう。
移行ではなく使い切る方法も
当面Tポイントを利用する予定がないときや、ヤフーカードのポイントが使えるときは使い切ってしまうのもよいでしょう。Tポイントには、さまざまな使い道があります。「Tポイント加盟店」での利用や、「ヤフー系列のオンラインショップ」が使いやすいでしょう。
Tポイントには通常ポイントのほか、キャンペーン時に付与される「期間固定ポイント」があります。期間固定ポイントは付与された提携先によって使い道が限定されますが、公共料金・税金の支払いに使える「Yahoo!公金支払い」に利用できます。
Tポイントが使い切れる場合は、解約前の移行手続きの必要もありません。新しくTポイントカードを作成するかどうかも、ゆっくり考えられます。
各種支払いを別の方法に設定する
ヤフーカードを継続的な支払いに使っている場合は、支払い方法を事前に変更しておきましょう。「公共料金」や「月額会員サービス」など、クレジットカード支払いができるサービスは豊富です。
基本的に、支払い方法を変更しない場合は解約後もヤフーカードからの請求が続きます。ほかのクレジットカードや口座振替に支払い方法を変更しておきましょう。
ヤフーカードと紐付いている支払い方法を確認するには、「Web明細」の内容を見てみましょう。解約後も「ヤフーカード入会時に登録したYahoo! JAPAN ID」でログインすれば、利用明細の閲覧は可能です。
利用明細に記載された「利用店名・商品名」の名称で分からないときは、契約している継続支払いサービス側からどのクレジットカードと紐付いているか確認できます。
ヤフーカードの解約方法は電話
ヤフーカードは、自動音声ダイヤルまたはオペレーターへの連絡で解約できます。Webでの手続きや郵送での解約手続きは原則ありません。本会員カードの解約手順と、追加カードの解約方法を解説します。
本会員カードを解約する
本会員カードの解約は、「ワイジェイカードコンタクトセンター」で対応しています。自動音声での解約が可能です。自動音声ダイヤルでの解約には、カードの情報を入力します。まずはヤフーカードを用意して連絡しましょう。
ナビダイヤルの「0570-058200」に連絡すると、24時間年中無休で解約ができます。自動音声案内に従い、16桁のカード番号と生年月日を入力しましょう。
カードがなく番号が分からない場合は、「0570-068200」に連絡しましょう。オペレーターにつながります。オペレーター対応の窓口は、一般電話も公開されています(092-303-0820)。営業時間は9時30分〜17時30分です。
なお、フリーダイヤルはありません。ナビダイヤルは発信側の加入サービスにかかわらず一定の通話料が発生するため、原則有料となります。
家族カードやETCカードのみ解約も可能
解約したいカードが「家族カード」「ETCカード」などの追加カードの場合は、追加カードだけで解約ができます。本会員カードと同様に、解約したいカードを用意してワイジェイカードコンタクトセンターに連絡しましょう。
家族カードのみの解約は、オペレーターにつながる「0570-068200」が窓口です。ETCカードは自動音声サービスに対応し、本会員カードと同じように「カード番号」「生年月日」を入力すると、解約手続きができます。
なお、本会員カードを解約すると追加カードは自動的に解約されるため、別途手続きの必要はありません。
本会員カードを解約した後にすること
ヤフーカードを解約しても、カードが完全に使えなくなるわけではありません。残っている利用代金の支払いがある場合は、継続して引き落としがあります。不正利用を防ぐためにも、カードの捨て方にも注意しましょう。
支払いが続く場合は残高不足に注意する
ヤフーカードを解約しても、支払い残高がある場合は基本的にそのまま請求があります。リボ払い・分割払いのほか、継続する自動引き落としを設定しているときは注意しましょう。
「ヤフーカードの支払いがなくなった」と思い込んで口座残高を気にしないまま、引き落としが続くと、いずれ残高不足となります。気づかず放置していると延滞と見なされ、「遅延損害金」の支払いを求められる可能性があるでしょう。
ヤフーカードの規約にはありませんが、一般的なクレジットカードでは「強制解約」や「数カ月にわたる延滞」などは一括請求の対象です。一括請求は契約している支払い方法に関係なく、すべての残金が請求されます。
裁断して複数に分け正しく処分する
ヤフーカードを解約した後は、カードを処分しましょう。解約しても、カード本体が盗まれると不正利用のリスクがあります。退会済のカードと分からず使われたり、解約前の支払いを後日請求したものと判断されたりすると厄介です。
自治体の処分方法に従い、シュレッダーやハサミで切断してから捨てるようにしましょう。1回で捨てるのは避け、番号が識別できないよう複数回に分けて捨てるのが安全です。
特に、「ICチップ」や「磁気ストライプ」には、カードのデータが詰まっています。カード表面のカード番号の上にあり、「金色または銀色のチップ」がICチップです。
カード裏面の「黒いボーダー」を磁気ストライプと呼びます。名前やカード番号も含め、読み取りができないよう細かく裁断しましょう。
再申し込みをしたい場合
ヤフーカードは、クレジットカードの国際ブランド変更を受け付けていません。ブランド変更などの理由でカードを変更したいときは、解約後に再度申し込みましょう。
解約手続きの反映には一定の時間がかかり、すぐ再申し込みができるわけではありません。再申し込みを考えている場合は、事前に「ワイジェイカードコンタクトセンター」のオペレーター窓口での相談をおすすめします。
理由によってはカード番号が変わる「再発行」以外に、同じ番号で発行できる「再作成」が可能なケースもあります。
なお、再申し込みの際は「審査」が行われ、再度入会できるとは限りません。審査落ちした場合、「約6カ月間」はクレヒスが残るため再申し込みでの通過は難しくなります。入会特典も対象外のため、特別な事情がなければ解約と再申し込みの繰り返しは避けておきましょう。
まとめ
ヤフーカードは、自動音声ダイヤルで簡単に解約できます。通話料は原則有料ですが、時間はそれほどかからないでしょう。TポイントやPayPayなど、ヤフーカードの解約時に、別途移行や支払い方法変更の手続きが必要なサービスもあります。
状況によって、クレジットカード払いにしている月額料金の支払いも別の支払い方法に変更しておきましょう。