クレジットカードは洗濯しても大丈夫?
うっかりクレジットカードを入れたまま服を洗濯してしまった場合、カードは使えるのでしょうか?ぬらしてしまったときの対処法を紹介します。また、乾燥機やドライヤーがカードに与える影響についても解説します。
カードの素材、PVCは水に強い
クレジットカード本体は、水に強い素材でできています。カードの素材はPVC(ポリ塩化ビニル)で、フィルムコーティングされているため水を通しません。
洗濯機に入れて水没してしまっても、カードがぬれた程度ではほとんど問題はないでしょう。柔らかい布で拭き取り、乾かせば使えます。
ただし、洗濯機の中で回り続けると、衝撃で破損する可能性があります。水没ではなくカードの傷で使えなくなるケースがあるため、カードの状態をよく確認しておきましょう。
外出中にカードをぬらしてしまったときも、柔らかい布で水分を拭き取れば使えるはずです。
乾燥機を使ってしまった場合
クレジットカードを洗濯機に入れたことに気づかず、そのまま乾燥機にかけてしまうとどうなるのでしょうか?
乾燥機には内部温度が70〜80℃まで上がる製品があります。一方でクレジットカードの耐熱温度は「一般的に50℃程度」です。乾燥機の内部温度はクレジットカードの耐熱温度を上回ってしまいます。
乾燥機にかけてしまった場合は、カードが溶けたり変形したりして使えなくなっている可能性も高いでしょう。
ドライヤーもNG
ぬらしてしまったカードを、ドライヤーで乾かすのも避けましょう。ドライヤーは、吹出口の温度が100℃を上回る製品が多く、低温ドライヤーでも60℃を超えます。耐熱温度が約50℃のカードを乾かすのには不向きです。
熱によってカードが変形した場合、差し込むタイプの決済端末は使用できなくなります。しかし、カード番号とセキュリティコードが分かれば、オンライン決済では使えます。ICチップに影響がなければ、非接触決済(タッチ決済)も可能でしょう。
クレジットカードが使えなくなる他の原因
クレジットカードが使えなくなる主な原因は、ICチップや磁気ストライプの故障です。水ぬれには比較的強い素材ですが、環境によっては故障しやすくなるため注意して保管しましょう。
磁気の強い電化製品等の近くに置いた
現状、日本で発行されるクレジットカードには「磁気ストライプ」と「ICチップ」が併用されています。どちらも「磁気を発する電化製品」の影響を受けやすいのが特徴です。
磁気ストライプは、磁石や磁気に弱い性質を持っています。一方、ICチップは磁気の影響は受けにくいですが、電化製品が発する静電気により故障する可能性があります。
「磁気ストライプ」か「ICチップ」のどちらかのみが故障した場合は、異なる決済方法で対応が可能です。しかし、法律で定められたセキュリティ対策が進み、店舗ではより安全性の高いICチップを使った決済方法が増えてきました。
磁気決済が使えなくなったとしても店舗での使用には問題ないケースが多いですが、ICチップ不良の場合は早めにカードの変更を検討しましょう。
クレジットカードが汚れている
カードが汚れていると、決済のときにエラーが出やすくなります。特に、ICチップや磁気ストライプに汚れがついていると、読み取りがしづらくなるでしょう。
クレジットカードが汚れたときは「乾いた柔らかい布で拭く」のが基本的なお手入れ方法です。汚れが取りにくいときは、少量の水を使いましょう。
アルコールや洗剤などは、コーティングをはがしてしまう可能性があります。汚れが気になるときは定期的に掃除して、汚れにくい場所で保管しましょう。
また、カードの汚れが原因で決済できない場合、「タッチ決済」を試すのも一つの方法です。タッチ決済は電波を使用するので、多少汚れたカードでも使える可能性はあります。決済端末や持っているカードがタッチ決済に対応していれば、試してみましょう。
何らかの原因で使えないときは?
洗濯に限らず、クレジットカードの故障やトラブルが考えられる場合はどうすればよいのでしょうか?すぐにカードが必要なときの対処方法も紹介します。
カード会社に再発行を依頼
磁気不良やICチップ不良の場合、カード会社に再発行を依頼しましょう。会員サイトや電話窓口で手続きができます。
手続き後は、新しいカードが届くまで待ちましょう。インターネットから申し込む場合、登録住所などの確認も大切です。
同じカード番号で発行されることが多いため、特別な手続きはほとんどないでしょう。電子マネーが付帯している場合は、新しいカードへ移行ができるか確認が必要です。
故障での再発行は多くの場合無料ですが、会社によっては1000円前後の手数料がかかることもあります。カードが届くまでの時間は、1〜2週間が目安です。
1週間以上も時間がない場合
クレジットカードを1枚しか持っておらず、どうしてもすぐにカードを使いたいときは「即日発行のカード」を検討しましょう。
カードが故障しても一部の決済方法なら使えますが、磁気決済やICチップの接触決済を使いたいなら新しいカードを作るのが近道です。「エポスカード」など、年会費無料でマルイ店舗での受け取りができるカードもあります。
即日発行のクレジットカードを受け取れる店舗が身近にない場合は、電子マネーやコード決済サービスとクレジットカードの連携を考えましょう。
ただし、それぞれのサービスに対応するクレカを持っていて、利用したい店舗がキャッシュレス決済に対応している必要があります。クレジットカードを頻繁に使う場合は、万が一に備えて普段からサブカードを持っておく方が安心でしょう。
使用不能なカードの処分方法
カードの故障で使えなくなったとしても、処分の際は注意が必要です。カードには重要な情報が書かれているため、正しい方法で捨てましょう。また、自治体のルールも確認が必要です。
復元できないほど細かく切る
クレジットカードを捨てるときは、できるだけ細かく切って捨てましょう。特に、水ぬれなどで再発行する場合は同じカード番号で発行されることが多いはずです。
新しいカードが届いた時点で旧カードは無効になりますが、カード番号などの情報を知られると、オンライン決済で悪用される可能性もあります。不正利用を防ぐためにも、個人情報はきちんと裁断しましょう。
特に、「名前」「カード番号」「有効期限」「セキュリティコード」などの情報は重要です。「磁気ストライプ」や「ICチップ」にもカード情報が入っているため、ハサミやシュレッダーで切断しましょう。
自治体のルールに沿って捨てる
クレジットカードをゴミとして出す場合、地域によってルールが異なります。「自治体の指示する分別方法」で処分しましょう。地域の指定ゴミ袋がある場合は、定められたルールに従って捨てるのが基本です。
多くの自治体ではどうしても見られたくないゴミに限り、「レジ袋や紙に包んで捨てる」ことを許容しています。クレジットカードのように個人情報が記載されているものも該当する場合が多いため、裁断したあと袋に包んで捨てるとよいでしょう。
しかし、地域によっては厳しいルールを設けているところや、ゴミ袋を開けて分別チェックを行うところもあります。まずは自治体の方針を確認しておきましょう。
まとめ
クレジットカードを洗濯したとしても、見た目に問題がなければ多くの場合で使えます。しかし熱には弱いため、乾燥機やドライヤーを使うと溶けや曲がりの原因になります。
ICチップや磁気ストライプの故障は決済するまで分からないため、見た目に問題がない場合は一度試してみるとよいでしょう。
もし故障している場合は、再発行を依頼します。待てないときは即日発行のカードを検討しましょう。