- クレジットカードのタッチ決済とは?
- 非接触型決済の一つ
- タッチ決済の使い方
- タッチ決済は本当に危険?統計データで見る不正利用の現状
- クレジットカードのタッチ決済で想定される3つの危険性と手口
- 1. 紛失・盗難カードの不正利用
- 2. 非接触スキミング
- 3. リレーアタック
- なぜタッチ決済は安全性が高いと言われるのか?3つの理由を解説
- 【理由1】ICチップによる高度な暗号化
- 【理由2】カードを手渡す必要がない
- 【理由3】国際的なセキュリティ基準「EMV」に準拠
- 万が一、タッチ決済で不正利用された場合の対処法と補償制度
- 緊急時の3ステップ
- 自分でできる!タッチ決済の不正利用を防ぐ5つの安全対策
- 他のカード型電子マネーとの違い
- チャージの手間がなくスピーディー
- 海外旅行で重宝する
- タッチ決済ができない、その理由は?
- 持っているカード、お店がタッチ決済非対応
- 電子マネーOKのお店で使えない場合がある
- 高額な決済をしようとしている
- まとめ
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クレジットカードのタッチ決済とは?
タッチ決済は、日本で急速に普及しているカード決済方法です。コンビニなどで、クレジットカードを端末にかざすだけで決済できます。まずは、決済の仕組みや使い方を見ていきましょう。
非接触型決済の一つ
電子マネーやタッチ決済のように「カードを端末にかざすだけで決済できるサービス」は、「非接触型決済」と呼ばれます。
その中でもタッチ決済は「NFC Type A/B」という通信規格を利用した決済方法です。海外では「NFC Pay」などの名称で親しまれ、広く使われています。タッチ決済では基本的にサイン・暗証番号を省略でき、スムーズな会計が可能です。
日本で普及している「磁気」や「ICチップ」は、決済時にサインや暗証番号が必要なため、面倒と感じる人もいるかもしれません。
タッチ決済の使い方
クレジットカードのタッチ決済を利用するには、どうすればよいのでしょうか?
使い方は簡単です。タッチ決済に対応しているお店で、店員にタッチ決済で支払うことを伝えます。決済端末の準備ができたら、「タッチ決済対応端末」のマーク部分にカードをかざしましょう。
タッチ決済には「Mastercardコンタクトレス」や「JCBコンタクトレス」もありますが、日本では「Visaのタッチ決済」が主流です。店舗スタッフへの周知や店舗の対応状況からも、決済方法を伝えるときには「タッチ決済」が伝わりやすいでしょう。
タッチ決済は本当に危険?統計データで見る不正利用の現状
タッチ決済の危険性を考える上で、まずはクレジットカード全体の不正利用の現状を客観的なデータで見てみましょう。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、クレジットカードの不正利用被害は年々増加していますが、その大部分(9割以上)は「番号盗用被害」によるものです。これは、フィッシング詐欺やECサイトからの情報漏洩などでカード番号が盗まれ、ネットショッピングで不正に使われる手口です。
一方で、タッチ決済のような対面決済での偽造カード被害は全体の1割未満に留まっています。このことから、クレジットカードの不正利用リスクは、対面決済よりもオンライン上での番号盗用の方が圧倒的に高いことがわかります。
出典:一般社団法人日本クレジット協会、一般社団法人日本クレジット協会
クレジットカードのタッチ決済で想定される3つの危険性と手口
対面決済のリスクは低いとはいえ、タッチ決済特有の危険性がゼロというわけではありません。ここでは、想定される3つの手口について解説します。
1. 紛失・盗難カードの不正利用
最も現実的なリスクは、カードを落としたり盗まれたりした場合です。タッチ決済はサインや暗証番号が不要なため、拾った第三者が少額決済を繰り返す可能性があります。
2. 非接触スキミング
特殊なリーダー(スキマー)を使い、満員電車などで他人のカバンや財布に近づけてカード情報を盗み取る手口です。しかし、現在のICチップ付きカードは情報が暗号化されているため、この手口で有効な情報を盗むことは極めて困難であり、現実的なリスクは非常に低いと言われています。
3. リレーアタック
特殊な装置を使って、カードが発する微弱な電波を中継し、離れた場所にある決済端末で不正に利用する手口です。例えば、犯人Aがターゲットのカードに近づき、その電波を犯人Bが持つ端末に転送し、お店で決済します。これも技術的には可能ですが、大掛かりな装置が必要なため、現時点では限定的な脅威と考えられています。
なぜタッチ決済は安全性が高いと言われるのか?3つの理由を解説
タッチ決済が安全とされる主な理由は、その技術的な仕組みにあります。ここでは3つのポイントを解説します。
【理由1】ICチップによる高度な暗号化
タッチ決済対応カードには、偽造が極めて困難なICチップが搭載されています。決済時には取引情報が毎回暗号化され、万が一情報を盗み見られても解読できない仕組みになっています。これは、情報が平文で記録されている磁気ストライプに比べて格段に安全です。2018年の割賦販売法改正により、店舗側にもIC対応端末の導入が義務付けられ、セキュリティが強化されています。
【理由2】カードを手渡す必要がない
従来の決済方法と違い、店員にカードを渡す必要がありません。自分で決済端末にかざすだけなので、カード情報を盗み見られたり、スキミングされたりするリスクを物理的に排除できます。
【理由3】国際的なセキュリティ基準「EMV」に準拠
タッチ決済は「EMV」という国際的なセキュリティ基準に準拠して作られています。これは世界中の金融機関で採用されている統一規格であり、高い安全性が保証されています。
万が一、タッチ決済で不正利用された場合の対処法と補償制度
どれだけ対策をしていても、不正利用の可能性はゼロではありません。万が一被害に遭ってしまった場合に備え、冷静に対応できるよう手順を確認しておきましょう。
緊急時の3ステップ
【STEP1】カード会社へ連絡し利用を停止する
身に覚えのない請求に気づいたら、すぐにカード裏面の連絡先に電話し、カードの利用を停止してもらいます。
【STEP2】警察に紛失届・被害届を提出する
カードの紛失や盗難が原因の場合は、最寄りの警察署や交番に紛失届または被害届を提出します。
【STEP3】カード会社に補償を申請する
カード会社の指示に従い、不正利用の補償を申請します。多くのカード会社では、届出から60日前の利用まで遡って補償が適用されます。
通常、「暗証番号を利用した取引」や「カード会員の重大な過失(カード裏面の未署名など)」がなければ、不正利用額は補償されます。
詳しくはクレジットカードを紛失した際の詳しい対処法は「クレジットカードの停止 」の記事も参考にしてください。
自分でできる!タッチ決済の不正利用を防ぐ5つの安全対策
1. 利用通知サービスを必ず設定する
決済のたびにメールやアプリで通知が届けば、不正利用を即座に検知できます。
2. 利用明細を定期的に確認する月に一度は必ず利用明細に目を通し、身に覚えのない請求がないか確認しましょう。
3. スキミング防止グッズを活用する
リレーアタック等が心配な方は、電波を遮断する財布やカードケースを利用するとより安心です。
4. スマホ決済と連携し生体認証を活用する
次のセクションで詳しく解説しますが、スマホ決済はセキュリティをさらに高めます。
5. カード裏面の署名欄に必ずサインする
署名がないと、紛失・盗難時の補償が受けられない可能性があります。
他のカード型電子マネーとの違い
タッチ決済は、クレジットカード決済の一種です。電子マネーとは異なりチャージの必要はなく、そのまま使えます。
毎回のチャージが面倒という人も使いやすいでしょう。また、セキュリティ面でも違いがあります。多くの電子マネーは紛失・盗難時の残高補償が限定的ですが、クレジットカードのタッチ決済であれば、クレジットカード本体の盗難・紛失補償が適用されるため、万が一の際も安心です。
チャージの手間がなくスピーディー
タッチ決済は、クレジットカード決済の一種です。電子マネーとは異なりチャージの必要はなく、そのまま使えます。毎回のチャージが面倒という人も使いやすいでしょう。
クレジットカード決済は端末の起動や暗証番号の入力、サインの手間などで少額決済では使いにくいものです。タッチ決済なら、カードをかざして決済が完了するまでほんの数秒しかかかりません。
現金を財布から出したり、お釣りを受け取ったりする手間がないのも利点です。タッチ決済が使えるお店では、積極的に利用してみましょう。
海外旅行で重宝する
タッチ決済対応カードは、海外でも利用できます。日本の電子マネーは海外でほとんど普及していませんが、タッチ決済の普及率は海外の方が高いのです。
特にオーストラリアやシンガポールは、Visaタッチ決済の普及率が90%を超えています。ほとんどのお店でタッチ決済が利用できるでしょう。
また、北欧ではキャッシュレス化が進み、現金が利用できないお店も増えています。タッチ決済に限らず、1枚はクレジットカードを持っていくことを考えましょう。
なお、海外でも国際ブランドによって利用できるお店が変化します。エリアによって異なりますが、VisaやMastercardのタッチ決済は比較的普及率が高いでしょう。
タッチ決済ができない、その理由は?
タッチ決済は、使えないこともあります。主な原因は普及率の低さです。対応店舗のはずなのに使えない場合は、カードのマークや決済金額を見てみましょう。
持っているカード、お店がタッチ決済非対応
タッチ決済対応のカードには、4本の曲線の「タッチ決済対応マーク」が記載されています。対応カードを使い、お店や決済端末にマークがあれば利用が可能です。
タッチ決済は、国際ブランドごとに対応店舗が異なります。お店が対応しているかどうかは「店舗の公式サイト」または「カード会社の公式サイト」で確認しましょう。
また、クレジットカード決済の対応店舗と、タッチ決済の対応店舗も異なります。Visaタッチ決済は使えるけれどアメックスのタッチ決済には対応していない場合もあるため、お店の状況を確認するのが大切です。
電子マネーOKのお店で使えない場合がある
「Suica」や「WAON」などの電子マネーとタッチ決済は、通信規格が異なります。日本の電子マネーの通信規格は、ソニーが開発した「FeliCa(フェリカ)」です。
電子マネー対応の決済端末を持っているお店でも、端末がタッチ決済に非対応という可能性があります。
すべての決済方法に対応する端末もありますが、決済端末はあくまでも「お店が契約していればその決済方法が使える」というツールです。同じ電子マネーでも、お店の契約状況によって使えるサービスは変わります。
キャッシュレス決済が完全に普及するまでは、どんな端末を使っているかではなく、お店が対応しているかを重視しましょう。
高額な決済をしようとしている
タッチ決済は、国や国際ブランドごとに上限金額が設定されています。決済できる金額の上限は10,000〜15,000円程度でブランドによって上限が異なります。
お店によって、上限金額を超えると暗証番号やサインを求められる場合があります。カードをかざしても利用できない際は、決済金額を確認しましょう。決済金額が原因で利用できないときは、カードリーダーに挿入して決済する「IC決済」に切り替えが必要です。
なお、Google PayにVisaタッチ決済を登録した場合、1万円を超えると画面ロックの解除を求められます。タッチ決済の利用状況によっても、高額決済のときの対応は異なるのです。
まとめ
クレジットカードのタッチ決済は、日本でも普及し始めています。海外ではタッチ決済が主流となっている国が多いので、海外旅行でも使いやすいでしょう。
日本で使うときは、クレジットカードの「タッチ決済対応マーク」とお店の対応状況の確認が大切です。カードとお店がタッチ決済に対応していれば、カードをかざすだけで買い物ができます。





