- 楽天カードの海外旅行傷害保険は利用付帯
- 海外ツアーを楽天カードで支払うと対象
- 同伴者も保険適用となるケース
- 留学では出国から3カ月後の午後12時まで
- 海外旅行中に事故に遭いケガをした場合
- 傷害死亡・後遺障害の保険金額は最高2000万円
- 複数のクレジットカードがあるとき
- 病気で診察を受け、治療や入院をする場合
- 疾病治療費用の保険金額は最高200万円
- 海外医療費は高額な傾向のため不安な印象
- 入院や死亡などで親族が駆けつける場合
- 救援者費用の保険金額は最高200万円
- 万が一のときの費用も支払われ安心
- 持ち物の破損、他人や物に損害を与えた場合
- 賠償責任の保険金額は最高2000万円
- 携行品損害の保険金額は1個10万円限度
- 海外旅行傷害保険を使うときはどうするの?
- 楽天カード株式会社保険デスクへ電話
- 海外アシスタンスサービスが便利
- まとめ
楽天カードの海外旅行傷害保険は利用付帯
「楽天カード(一般)」には、海外旅行傷害保険が付帯しています。年会費無料のクレジットカードに保険が付いているのはお得ですが、「利用付帯」である点に注意が必要です。保険適用の条件を確認しましょう。
海外ツアーを楽天カードで支払うと対象
クレジットカードの付帯保険には「利用付帯」と「自動付帯」があります。自動付帯は、カードを保有しているだけで保険が自動的に適用になるのに対し、利用付帯は、旅行のツアー代金や航空チケットなどをカードで支払った場合に適用となります。
楽天カードの保険は、「日本を出国する前に募集型企画旅行の代金を楽天カードで支払っていること」が条件です。ここでいう「募集型企画旅行」とは、旅行会社がスケジュールや料金を定めた「パッケージツアー」を指すものと考えましょう。
なお、「楽天カード」「楽天ゴールドカード」は利用付帯ですが、「楽天プレミアムカード」は、海外旅行傷害保険が「自動付帯」になります。
同伴者も保険適用となるケース
保険対象者は「楽天カード会員」ですが、会員の同伴者にも保険が適用となるケースがあります。
例えば、本会員カードに紐づく「家族カード」を発行している場合、家族カード会員も対象です。夫(本会員)・妻(家族カード会員)・子ども(カードなし)のケースを例に挙げてみましょう。
夫のカードで旅行代金をまとめて支払った場合、保険が適用になるのは、夫と妻のみで、子どもには保険が適用されません。
一方、「楽天カード会員同士の旅行」において、全員分の旅行代金を1人が代表して支払った場合、その支払い内容が利用条件を満たしていれば、全員に保険が適用されます。
保険に関する不明点があれば、「楽天カード株式会社保険デスク(楽天損保)」に問い合わせましょう。
留学では出国から3カ月後の午後12時まで
補償の対象期間は「日本出国日から3カ月後の午後12時(24時)まで」です。海外短期留学でも、留学前に募集型企画旅行代金を楽天カードで決済していれば、保険は適用となります。
対象の区間は「海外旅行の目的で住居を出発してから帰着するまでの間」となるため、「自宅から空港までの移動中」も補償対象となります。
ただし、3カ月を超える中長期の留学にはカード保険は不向きです。各保険会社では、日本を出発する日を「保険開始日」とするため、最初の3カ月はカード付帯の保険でまかない期限が切れてからほかの保険を使う、ということはできません。
「補償内容の手厚さ」から見ても、留学と旅行では保険を使い分けるのが賢明でしょう。ちょっとしたケガはカード付帯の保険でもまかなえますが、生活における事故や病気の補償としては不十分です。
海外旅行中に事故に遭いケガをした場合
楽天カードでは、海外旅行中のケガにはどれくらいの保険金が支払われるのでしょうか?日本と違い、海外での医療費は驚くほど高額になるケースがあります。楽天カードの保険で十分なのかどうかもよく考えたいところです。
傷害死亡・後遺障害の保険金額は最高2000万円
旅行中の死亡や後遺障害は「傷害死亡・後遺障害」の保険金額で補償されます。最高補償額は2000万円で、後遺障害の程度に応じて80~2000万円が支払われます。以下は補償額の目安です。
両眼を失ったとき:2000万円
両手の全ての指を失ったとき:1560万円
両耳の聴力を完全に失ったとき:1380万円
「傷害治療費用」は旅行中のケガに対応する保険金です。最高補償額は1事故あたり200万円で、「事故の発生日を含めて180日以内に支出した治療費」が対象となっています。
無免許運転や危険な行動(山岳登はん・ハングライダー)などでケガをした場合は保険が下りない点に注意しましょう。
複数のクレジットカードがあるとき
楽天カード以外にクレジットカードを複数持っている場合はどのように補償額が決定されるのでしょうか?「利用ガイド」には、以下のようなルールが記載されています。
・傷害死亡保険金:各カードに付保されている傷害死亡・後遺障害保険金額のうち最も高い額(最高支払上限額)を限度とする
・傷害後遺障害保険金:「最高支払上限額×後遺障害に応じた割合を乗じた額」を限度とする
海外旅行の保険をカード付帯のみでまかないたい人は、自動付帯で楽天カードよりも最高補償額が高いクレジットカードを携帯した方がよいでしょう。
海外では治療費が高額になる傾向があり、治療・救援費用が数千万円に上った事例もあるようです。最高補償額が5000万円の「楽天プレミアムカード」の発行も検討しましょう。
病気で診察を受け、治療や入院をする場合
旅行中の病気が原因で医師の診察を受けた際は、「疾病治療費用」と呼ばれる保険金が支払われます。楽天カード付帯の保険で心配な人は、保険が自動付帯したほかのカードも携帯しましょう。
疾病治療費用の保険金額は最高200万円
疾病治療費用の最高補償額は1疾病につき200万円で、入院費や手術費、薬剤費を含む「治療のために実際に負担した費用」がカード会員に支払われます。入院に関しては、「国際電話料」や「入院に必要な身の回り品購入費」も対象です。
補償の対象期間には、帰国して48時間以内に発病し、48 時間以内に医師の治療を受けた場合も含まれます。コレラやペストなどの伝染病は旅行期間終了後、その日を含めて14日を経過するまでが対象です。
海外医療費は高額な傾向のため不安な印象
200万円というと大きな金額に感じますが、日本と海外の医療事情は大きく異なります。日本では病気になって入院しても、国民健康保険が7割分を負担してくれますが、海外ではすべて実費です。
欧米諸国は、自由診療で医療費が高額なケースが多く、急性虫垂炎の手術で100万円以上になることも珍しくありません。検査費や入院費、薬代などもかかり、入院期間が長くなれば200万円では済まされないでしょう。
心配な人は楽天カードのほかに、保険が自動付帯したクレジットカードを複数持っていくと安心です。
治療費が楽天カードの補償限度額を超えた場合、各カードの保険金を合算した上で、それぞれの保険から按分して保険金を支払ってもらうことができます(傷害死亡・後遺障害を除く)。
入院や死亡などで親族が駆けつける場合
被保険者が海外で入院・遭難・死亡した場合は、家族や親戚などが現地に駆けつけることもあるでしょう。楽天カードの海外旅行傷害保険には「救援者費用」があり、救援者の渡航費や捜索救助費用などを負担してくれます。
救援者費用の保険金額は最高200万円
救援者費用の保険金額は最高200万円です。カード会員に緊急事態が起こった際、200万円を限度に会員や親族が負担した救援者費用を支払います。支払いの対象となるのは主に以下のケースです。
・事故や病気などで会員が死亡した場合
・7日以上の入院が必要になった場合
・会員が搭乗する航空機・船舶が行方不明または遭難した場合
・事故で会員の生死が確認できない場合、会員の捜索・救助活動を要する状態となったことが公的機関により確認された場合
万が一のときの費用も支払われ安心
救援者費用には「現地までの交通費(救援者3人分)」「捜索費用」「現地からの移送費用」のほかに、カード会員が死亡したときの「遺体処理費用(上限100万円)」も含まれます。「家族や親族の負担が減る」という点では大きな助けになるでしょう。
20万円を限度に、救援者の渡航手続費や現地での交通費といった諸雑費も支払われます。ただし、本人が死亡したときや大規模な捜索が行われたときは、200万円の保険金では足りません。
救援者費用を使うような事態に陥らないように、滞在中は安全や健康に十分注意しましょう。
持ち物の破損、他人や物に損害を与えた場合
「ホテルの鍵を壊した」「ぶつかって相手を転倒させた」などのトラブルが生じたときはどうすればよいのでしょうか?「持ち物の破損」や「第三者の損害」を補償する保険金は「賠償責任」と呼ばれます。
賠償責任の保険金額は最高2000万円
「賠償責任」の最高補償額は2000万円です。傷害死亡・後遺障害と並び、最も保険金が高く設定されています。具体的にどのようなときに使われるかをみてみましょう。
・スノーボードの利用中に他人にぶつかって、相手が骨折をした
・エスカレーターで自分のスーツケースが転げ落ち、下にいた人がケガをした
・ホテルの鍵や備品を壊してしまった
・買い物中に商品を落として壊した
法律上の賠償責任を負った場合、1回の事故につき2000万円を上限に、カード会員が負担することになった損害賠償金が支払われます。損害額の決定には保険会社の承認が必要なため、当事者同士で決定する前に必ず相談をしましょう。
携行品損害の保険金額は1個10万円限度
「携行品損害」とは、海外旅行中に自分の携行品が盗難・事故・破損などによって損害を受けた際に支払われる保険金です。「携行品」とは、カメラや指輪、時計などの身の回りの物を指しますが、現金・クレジットカード・免許証・義歯などは含まれません。
限度額は、携行品1個(または1対や1組)につき10万円で、実際に修繕にかかった費用が支払われます。修繕が不可と判断された場合は、時価額相当が賠償として支払われるルールです。
パスポートの損害においては「旅券の再取得費用」や「渡航書の取得費用」が最大5万円まで補償されます。
注意したいのが、1回の事故につき3000円の「免責金額(自己負担額)」が発生する点です。同一の旅行期間においては、回数にかかわらず最大20万円までしか補償されないことも覚えておきましょう。
飛行機に預けた荷物が届かない「ロストバゲージ」は「航空機寄託手荷物遅延費用」で補償されるのが一般的ですが、楽天カードには本補償は付帯していません。
海外旅行傷害保険を使うときはどうするの?
保険は治療費や入院費をカード会員が立て替えておき、帰国後に保険会社に請求する流れです。「請求に必要な書類」が不足すると、保険金が下りない場合があるため、事前確認を怠らないようにしましょう。楽天カード海外旅行傷害保険の「頼れる二つの窓口」について紹介します。
楽天カード株式会社保険デスクへ電話
病院で治療を受けた際は、カード会員が費用を立て替えます。領収書と診断書を受け取った上で、事故から30日以内に「楽天カード株式会社保険デスク」へ連絡をしましょう。
請求は日本に帰国してからで構いませんが、不明点があれば現地からコレクトコールで電話をし、保険金請求に必要な書類を聞いておくと安心です。
携行品が損害を被った場合は、警察に届けを出し、「事故証明書」などの必要書類を取り付けます。治療費の請求同様、「楽天カード株式会社保険デスク」に連絡をしましょう。
出国前の問い合わせ/帰国後の事故受付・保険金請求:0120-456-029
渡航先からの問い合わせ:81(国コード)-18-888-9289
海外アシスタンスサービスが便利
異国の地でトラブルに見舞われると、どうしてよいか分からなくなる人は多いものです。困ったことがあれば、「海外アシスタンスサービス」にすぐに連絡をしましょう。
海外旅行中のケガ・病気などの緊急医療を24時間体制でサポートする窓口で、「本国への送還が必要になった」「現地に緊急で医師を派遣して欲しい」といった要望にも対応してくれます。
アシスタンスサービスで必要な費用は、海外旅行傷害保険の補償額でまかなわれるため、基本的に自己負担はありません。サービスの費用が保険金額を超えた場合のみ支払いが発生します。
アメリカ本土・ハワイ・グアム・サイパン:1-833-906-0004
シンガポール:800-810-2474
中国(北部):10800-813-0855
中国(南部):10800-481-3225
そのほかの地域:81-18-888-9915(コレクトコール)
まとめ
日本の健康保険制度の適用外となる海外旅行では、「海外旅行傷害保険」が欠かせません。楽天カードに付帯する保険の最高補償額は2000万円ですが、疾病治療費や救援者費用がやや少なく、万が一を考えると安心とは言い切れないでしょう。
海外に行く機会が多い人は、最高補償額5000万円の保険が自動付帯する「楽天プレミアムカード」を検討するのも一案です。任意保険に加入したくない人は、他社のクレジットカードの複数持ちで、補償額の少ない部分を補う手もあります。
滞在中に困ったことがあれば、遠慮なくアシスタンスサービスを頼りましょう。