クレジットカードの利用を停止する方法は?
クレジットカードの紛失や盗難が疑われる場合は「カードの利用停止(無効化)」を行いましょう。
カードの不正利用件数は、年々増加傾向にあります。特にオンラインの取引では、カード情報さえあれば暗証番号がなくてもショッピングができてしまうため、早めの対処が必要です。
紛失や盗難があった場合はすぐに対処を
カードの紛失や盗難があった際は「利用停止」をした上で、新たなカードを「再発行」する必要があります。利用停止を行った時点でカードは無効化されるため、すぐに対処すれば第三者による不正利用は未然に防げるはずです。
利用停止後は、警察に「盗難届」または「遺失届」を提出しましょう。多くのカード会社には「不正利用時の補償制度」があり、不正利用で損失を被った際に補償が受けられます。警察への届け出を忘れると、補償は適用されません。
今後もカードを使い続けたい場合は、カード会社の案内に従い「再発行手続き」を行いましょう。「会員Webサイト」や「電話」などで手続きが行えます。
電話で利用停止の連絡をする
紛失に気付いたら、まずは各カード会社の「カスタマーセンター」や「紛失・盗難デスク」に連絡をします。Webサイトで利用停止手続きが可能なカードもありますが、外出先では電話連絡がスピーディです。
例えば、楽天カードにはカスタマーサービスとは別に、早急にカード停止を行うための「紛失・盗難専用ダイヤル」が設けられています。年中無休・24時間体制で対応してくれるため、時差のある海外でカードを紛失したときでも安心です。
大抵のカード会社には、24時間受付の専用ダイヤルがあります。万が一に備え、番号を控えておくとよいでしょう。
オンラインで利用停止の連絡をする
ネットが利用できる環境であれば、オンラインでの利用停止も可能です。
例えば、JCBカードは「MyJCB」にて手続きが行えます。利用明細やポイント残高の確認や契約の変更などが行える「会員専用のWebサービス」で、利用するには事前に「MyJCBの新規登録」を済ませておく必要があります。
利用停止手続きは24時間いつでも可能なため、「電話がなかなかつながらない」「スマホ料金がかさむのが嫌だ」というときに活用しましょう。
「アメリカン・エキスプレス・カード(アメックス)」は、カードの種類によって手続きの方法が変わります。
アメックスが独自に発行するプロパーカードは、オンラインサービスで簡単に利用停止手続きが行えますが、一部の提携カードは電話のみの対応です。
「電話連絡のみ」のカード会社もあれば、「電話・オンライン」の両方に対応しているところもあるため、事前に確認をしておきましょう。
クレジットカードを停止したときの注意点
カードの紛失時には、利用停止以外にもさまざまな手続きが必要です。継続的な支払いにカードを利用している人は、各契約先での「変更手続き」を忘れずに行いましょう。カードの無効化に伴う注意点を解説します。
停止中の支払い、再発行後の手続きを忘れずに
利用停止手続き後、カードは無効化され、全ての支払いがストップされます。無効化する以前のカード利用分は通常通り口座から引き落とされますが、無効化された後は支払いができません。
公共料金や携帯電話料金などの支払いに紛失したカードを使っていた人は、各契約先で支払い方法を変更しましょう。「別のクレジットカードを使う」「コンビニ払いに変更する」といった対応が必要です。
カードの再発行を行い、引き続き支払い用のカードとして使用する場合は、各契約先で「カード情報の再登録」を行いましょう。
再発行後のカードは「カード番号」や「有効期限」が変更されるため、登録手続きを忘れると引き落としがなされません(一部の加盟店を除く)。
クレジットカードを停止してもETCカードは使える
「ETCカード」とは、高速道路などの有料道路をキャッシュレスで通過できる専用カードです。クレジットカードに付帯するETCカードの場合、ETC料金は毎月のショッピング代金と一緒に請求されます。
クレジットカードの利用停止をした場合でも、ETCカードは引き続き利用が可能です。クレジットカード再発行後もETCカードの番号は変わりません。
ただし、ETCカード自体を紛失した際はすぐさまカスタマーサポートに連絡をし、利用停止及び再発行の手続きを行う必要があります。
計画的な利用のための気軽な一時停止も
利用停止には「停止(無効化)」と「一時停止」の2パターンがあります。停止後、同じカードは二度と使えなくなりますが、一時停止は「解除の手続き」をすれば引き続き利用が可能です。
一時停止に対応するカード会社は一部に限られる点に注意しましょう。
三井住友カードはVpassから一時停止
三井住友カードには「あんしん利用制限サービス」があり、自分自身でカードの利用を制限できます。「計画的な利用のために利用を一時的に控えたい」「紛失したが、心当たりがある」という場合に活用しましょう。
本会員カードに付随する「家族カード」の利用も制限できるため、「子どものカード利用を制限したい」という場合にも有用です。
一時停止の手続きは、三井住友カードの会員Webサイト・アプリ「Vpass」で行えます。手続きが完了した日から制限がかかり、万が一カード利用が発生した場合はメールアドレスに通知が届きます。
なお、本サービスは、紛失・盗難による長期的な利用停止には対応していません。紛失したカードが見つからなかった場合は、早めに無効化の手続きを進めましょう。
あんしん利用制限サービス|クレジットカードの三井住友VISAカード
セゾンカードはNetアンサーから一時停止
「セゾンカード」は、日本のクレジットカード会社「株式会社クレディセゾン」が発行するクレジットカードです。会員専用Webサイト「Netアンサー」にカードを登録すると、オンライン上で簡単にカードの一時停止・解除が行えるようになります。
メニュー内の「クレジットカードのお手続き」から「セキュリティ関連」→「カード一時停止・解除」と進みましょう。手続き時にはワンタイムパスワードによる本人確認が行われます。
一時停止が有効なのは、申し込みから「24時間」です。解除の手続きはいつでも行えますが、24時間を経過すると自動的に停止が解除される点は覚えておきましょう。ETCカードやポイント機能は一時停止の対象外です。
アメックスは公式アプリから一時停止
アメックスは、公式アプリ「Amex Japan」でカードの一時停止が行えます。停止期間は手続き日から7日間で、停止期間中にカードが見つかった場合は、アプリからすぐに利用の再開が可能です。
探してもカードが見当たらないときは、オンラインまたは電話にて「カードの再発行手続き(無効化)」を行いましょう。
公式アプリはiOS13.2以上及びAndroid6.0以上の端末のみの対応です。最初に、「オンライン・サービス(会員専用サイト)」で新規登録をした上でアプリを利用しましょう。
利用代金明細書やポイント残高、お得な情報のチェックもスマホ1台で行えるようになります。
・アプリ名:Amex Japan
・価格:無料
・App Store:ダウンロード
・Google Play:ダウンロード
停止していないのに使えないこともある?
自分で利用停止手続きを行っていないのに、急にカードが使えなくなったときは、「カード会社に利用を停止された」または「カード利用可能額を超過した」のいずれかの可能性が高いでしょう。
不正利用を疑われ、ロックされた場合
多くのカード会社では「カードの不正検知システム」を導入しています。利用者のカード履歴を24時間体制で監視し、不正利用の疑いがあれば利用が一時停止される仕組みです。
本人確認が取れた場合のみ一時停止が解除されるため、不正利用の損害を最小限に食い止められます。不正検知システムが作動するのは以下のようなケースです。
・過去の不正利用の手口と同じ、または類似したパターンがある
・同じ店舗でカードが連続して使われている
・高額のカード利用が連続する
・海外で高額のカード利用がある
・直近のカード利用時間・場所から考えて、同一人物の利用とは考えられない
「海外旅行で突然カードが利用停止になるのは困る」という人は、旅行前にカード会社に連絡をしておくとよいでしょう。
クレジットカードを使いすぎた場合
クレジットカードには、「利用限度枠」が設定されており、それぞれの限度額を超えた場合はカードが一時的に使えなくなります。
・総利用可能枠:クレジットカード全体の利用限度額
・ショッピング枠:ショッピングに利用できる限度額
・ショッピング割賦利用可能枠:リボ払い・分割払い・ボーナス払いなどができる限度額
・キャッシング枠:カードで現金が借りられる限度額
利用限度額が復活するのは、金融機関の口座から利用代金の引き落としが行われる「引き落とし日以降」です。
カード利用限度額の増枠を申し込むことも可能ですが、過去の利用状況などに基づく与信審査が行われるため、必ずしも希望通りになるとは限りません。
カードの利用限度額や利用履歴は、カード会員専用のWebサイトやアプリで確認ができます。「あとどれくらい利用できるか」をこまめにチェックしておきましょう。
まとめ
カードの紛失・盗難が疑われるときは「利用停止」を行うのが原則です。「暗証番号を知られなければ大丈夫」と手続きを先延ばしにすると、不正利用の被害が拡大する恐れがあります。
カードの中にはオンラインで「一時停止」ができるものもあります。なくした場所に心当たりがある場合は、利用をストップさせた上で探すようにしましょう。
一方で、何の前触れもなくカードが使えなくなった場合、「不正利用検知システムによるロック」または「利用可能額の超過」が考えられます。カードの使いすぎは利用者自身の問題です。カードが使えないと困る人は、計画的な利用を心がけましょう。