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クレジットカードの与信枠とは。利用可能枠が自動で増えることもある

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2021.08.08
by ドットマネー編集部

与信、与信枠とは

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「与信(よしん)」は「信用を与える」と書きます。クレジットカードを利用していると、「与信枠」や「与信枠の確保」という言葉がたびたび登場しますが、どのような意味があるのでしょうか?

相手に「信用を供与する」ことを意味する

「与信」とは、相手に信用を供与することを意味する言葉です。

企業間での商品取引は商品・サービスを先に相手方に提供し、「後払い」をしてもらうのが一般的です。この場合、代金を回収するまでにタイムラグが生じるため、倒産や経営不振で、代金が支払われなくなる可能性もゼロではありません。

「この会社はきちんと支払いをしてくれるだろう」と相手方を信用し、代金を回収するまで「信用を与える」ことを「与信」といいます。

カード会社が先に商品代金を立て替えて、後にカード利用者に代金を請求する「クレジットカード」は、個人の信用に基づく取引の一種です。カードを使うにあたり、「与信枠」や「途上与信」などの言葉の意味を覚えておく必要があります。

クレジットカードの与信枠は上限額のこと

カードにおける与信枠とは、「カードの利用可能枠」を指します。その人に貸し出されるお金の「上限額」ともいえるでしょう。

カード契約を結ぶと、カード利用者に対し「ショッピング枠 100万円」「キャッシング枠 50万円」といったように上限額が供与されます。カード利用者は決まった枠の中で、ショッピングをしたり、カードでお金を引き出したりできるのです。

上限額は人それぞれで異なります。大きければ大きいほどカード保有者の「信用力」も高いと考えましょう。

なお、利用可能枠とは「1カ月間で使える金額」ではありません。そのクレジットカードで使える限度額という意味です。カード利用額を利用者が支払うと、支払った金額分だけの利用可能枠が復活します。

クレジットカードの仕組み

クレジットカードの「クレジット(credit)」には「信用」という意味があります。カード会社は、「この利用者は支払い能力が十分にある」という信用を担保にクレジットカードを発行しています。

カードを使って商品を購入する際、どのように商品代金がやりとりされるのかを理解しておきましょう。

カード利用者が「カード加盟店」でクレジット決済すると、店舗からカード会社に売上データが送付されます。データをもとにカード会社は店舗に「商品代金」を支払います。カード会社はカード利用者が使った商品代金を一時的に立て替えているのです。

クレジットカードには「締め日」と「支払い日」の二つの期日があります。締め日に約1カ月間のカード利用額が集計され、支払い日に利用者の口座から引き落とされる仕組みです。

クレジットカードの上限額が決まる要素

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クレジットカードの上限額(利用可能枠)は一律ではありません。カードの新規申し込み時に行われる「入会審査」によって、それぞれに合った額が設定されます。

上限額の決定に関わる「個人の属性情報」と「支払可能見込額」について理解を深めましょう。

申し込み時に申告する属性情報

カードの新規申し込み時に、属性情報をカード会社に申告します。属性情報は、本人に支払い能力があるかどうかを見極める重要な材料です。

・年齢
・職業
・勤務先の規模
・役職
・雇用形態
・勤続年数
・年収
・住居状況(持ち家か賃貸か)
・固定電話の有無
・家族構成・配偶者の有無
・住宅ローンの有無

カード会社では、信用情報機関から得た過去の「信用情報」と「属性情報」を参考に、スコアリング(採点)を行います。点数によって、返済能力がどれだけあるかを判断するのです。

一般的に、安定した継続年収がある人は上限額が高く、逆に収入が不安定な人や極端に少ない人は上限額が低く設定されます。収入が少ない上に、支払いの滞納を繰り返す人はカードの審査には通りません。

クレジットカードの中には、学生や専業主婦(夫)など、「無職の人でも発行できるカード」があります。これらのカードでは、本人に加え、「配偶者」や「同居家族」の属性情報や信用が審査の基準になります。

支払可能見込額

「支払可能見込額」とは、カード利用者が1年間で無理なく支払えると想定される額のことです。具体的には、カード利用者の年収から、生活に必要な経費・債務を差し引いたものを指します。

・支払可能見込額=年収-カード利用者の1年間の生活維持費-クレジット債務

「年収」は、利用者の自己申告によって決まります。基本的に年収証明書の提出は必要ありません。

「生活維持費」は法律で決まっているものが採用されるため、金額の申告は不要です。参考までに、「2人世帯・住宅ローンなし・借賃なし」の場合は136万円、「2人世帯・住宅ローンあり・借賃あり」の場合は177万円です。

クレジットカードの場合、上限額は支払可能見込額の90%を超えてはならない決まりのため、上限額は以下の計算式で算出されます。

・ショッピング利用可能額(上限額)=支払可能見込額×90%(0.9)

上限額を知って上手に活用しよう

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カードを使うにあたり、「自分の上限額はいくらに設定されているのか」を確認する必要があります。実際のカードの利用額が上限額に達すると、カード払いができなくなってしまいます。

月々の支払いをカードに頼っている人は、「上限額がいつ復活するのか」もきちんと把握しておきましょう。

上限額を確認する方法

カードの上限額の確認方法はカード会社によって異なりますが、大抵は「カード会員専用Webサイト」や「電話」で調べられます。

例えば、クレディセゾンの「セゾンカード」の場合、会員専用Webサイト「Netアンサー」にて確認が可能です。

または、24時間自動音声ガイダンス「パーソナルアンサー」にダイヤルしましょう。カード番号と暗証番号を入力すれば、自動音声が上限や残高などを案内してくれます。

クレジットカード受け取り時に貼り付けられていた台紙にも上限額が記載されているため、カードが手元に届いた時点で詳細を確認しておくとよいでしょう。

台紙は必ず保管しなければならないものではありませんが、手元に残しておけば、契約内容をすぐに確認できます。

途上与信で自動増額されることもある

限度額は自動的に増額されることもあります。カード入会時に行う「入会審査」に対し、カードの利用中に行われる中間審査は「途上与信」と呼ばれます。

カード会社では、カード会員の信用や属性を定期的に調査し、信用や返済能力に問題がないかチェックしているのです。途上与信でカード会社に「利用実績や支払い実績が良好」と認められると、カードの上限額が引き上げられるケースがあります。

人によっては、ゴールドカードやプラチナカードなどの「ステータスカード」のインビテーション(招待)が届くかもしれません。上位カードは一般カードよりもカードの上限額が高く設定できるのが一般的です。

一方で、「クレジット債務が多い」「支払いが遅延することがある」という人は、「支払い能力に不安な要素がある」見なされ、途上与信で上限額が引き下げられる可能性があります。

上限額が回復するタイミング

設定されている上限額以上のカード利用はできません。上限額が回復するのを待ってから、カードを利用しましょう。上限額は現在利用中のカード利用代金が口座から引き落とされた後に復活します。

上限額50万円のカードで、30万円を利用したとすると、引き落とし日までは20万円までしか使えません。引き落としが行われると30万円分の利用枠が復活し、上限が50万円になる仕組みです。

ただし、引き落とし後すぐに50万円が使えるようになるわけではない点に注意しましょう。カード会社が入金情報を確認し、個々のカードに情報が反映されるまでには数日かかる場合があります。

与信枠の確保とは

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「与信枠の確保」は「オーソリ」と呼ばれます。「オーソリゼーション(Authorization)」の略で、カード加盟店がカード会社に対し、利用者のクレジットカードが有効かどうかを確認する作業を指します。

決済するときの「利用枠の確保」のこと

与信枠の確保(オーソリ)とは、カード決済をする際に「利用枠」を確保することです。消費者がカード払いを選択した場合、加盟店は「カードが問題なく使えるのかどうか」の有効性を確認する必要があるのです。

クレジットカードは現金決済と異なり、売上が後から振り込まれます。利用枠を確保しておかなければ、「カードが使えず、商品代金が回収できなかった」というトラブルが起こるかもしれません。

具体的には、店舗側が店舗端末を介してカード情報をカード会社に送信します。カード会社では情報を照合し、カードが問題なく使えるかどうかのチェックを行い、結果をカード会社に知らせます。

デビットカードやプリペイドカードは、有効性確認のために1円や10円などの少額の金額が実際に引き落とされます。原則、残高に返金されるため二重請求になることはありません。

一部のクレジットカードや海外のクレジットカードでも、オーソリで少額の現金が決済されるケースがあるようです。

不正利用ではないか確認する

オーソリを行うのは、「カードが使えるかどうか」をチェックするためですが、具体的には二つの目的があります。一つは、偽造カードや盗難カードを見抜き、事前に不正利用を防ぐことです。

偽造カードや盗難されたカードを使おうと思っても、カード会社に登録されている個人情報と一致しないため、枠の確保ができません。

ただ、オーソリはあくまでも、利用可能な枠を確保するだけの作業なので、カードの不正利用を完全に防ぐことはできないと考えましょう。カードの名義人とカード利用者が同一人物であるかどうかまでは分かりません。

上限額オーバー等利用状況を確認する

オーソリのもう一つの目的は「利用状況の確認」です。クレジットカードには利用限度額が設定されていますが、加盟店側では上限に達しているかどうかかが判断できません。そこで、オーソリを行い、決済の可否を調べるのです。

同時に、カード利用者が利用代金を延滞していないかどうかもチェックします。

ネットショッピングでは、オーソリが承認されない場合、利用者に「承認エラー」が通知されるケースがあります。エラーコードを見れば、承認されない理由が特定できるでしょう。

エラーが出たときは該当事由を確認したのち、ほかのクレジットカードを使うか、カード払い以外の支払い方法を選択します。

与信枠の保持期間は異なる

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オーソリの後、店舗側では顧客のカードに「確定処理」をかけます。オーソリ処理と同時に売上が確定する店舗もあれば、与信枠を確保し、商品を出荷する段階で売上処理を行う店舗もあります。

ゲームアプリや動画配信サービスなどの場合

ゲーム・動画配信・電子書籍などの「デジタルコンテンツ」は、「支払い後、即時にサービスを提供する必要がある商材」です。これらの商材は、受注時にオーソリと売上確定処理が自動で行われます(即時売上)。

店舗側には「決済を確定させるための作業が要らない」「売上処理漏れによる未入金リスクがない」というメリットがあります。

一方、無料キャンペーンを行っている場合は、キャンペーン期間中に顧客が解約をする可能性があるでしょう。この場合、オーソリで与信枠だけを確保しておき、課金が可能となった段階で「指定売上処理」を行うのが通常です。

発送までに時間がかかるECサイトの場合

「即時売上」ができるデジタルコンテンツに対し、商品を取り扱うネットショッピングサイトや予約サイトでは「仮売上」が行われます。

商品購入時は、仮売上として購入者のカードの与信枠だけを確保します。その後サービス提供時や商品出荷時にオンライン管理画面で「実売上処理(課金確定依頼)」を実行する流れです。

商品の取引では、「商品の在庫切れ」や「入荷待ち」がたびたび起こります。即時売上にした場合、商品がないのにカードに請求がされてしまうといったトラブルが生じてしまうでしょう。

仮売上の場合、カードの与信枠は確保されますが、売上処理を行うまでは消費者に請求は行われません。与信の保持期間はカード会社にもよりますが、30~90日前後が一般的です。

まとめ

与信枠とは、1枚のカードで利用できる上限のことです。個人の属性や信用情報をもとに決定されるため、上限額は1人ずつ違います。支払い日に1カ月分の利用額が引き落とされると、上限額が回復する仕組みです。

カードの利用実績がよいと、知らぬ間に上限が上がっている場合があります。カード会社では入会審査以降も定期的に審査を行っており、利用者の支払い能力をチェックしているのです。

カード決済時は最初に「与信枠の確保」が実行されます。上限額に既に達している場合、オーソリエラーとなり決済ができません。カード利用が多い人は、カード会員Webサイトなどで利用状況や上限額をチェックしておきましょう。

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