楽天カードの基本的な利用可能枠
クレジットカードの「利用可能枠」とは、そのカードで利用できる「限度額」です。楽天カードが発行するクレジットカードには、「楽天カード」「楽天ゴールドカード」「楽天プレミアムカード」などがあり、ランクごとに異なる限度額が設定されています。
楽天カードは最高100万円
「楽天カード」は、楽天カード株式会社が発行するもっともベーシックなクレジットカードです。年会費は永年無料で、「満18歳以上(高校生を除く)」であれば、主婦(夫)・パート・アルバイトでも申し込みができます。
最初のクレジットカードの利用可能枠は、申し込み時の「入会審査」で決まります。公式サイトによると、楽天カードの利用可能枠は原則「最高100万円」です。
個人の「返済能力」や「信用力」などを基に個別に設定されるため、100万円の人もいれば、30万円や50万円に設定される人もいます。カードの申し込み欄に希望額を記入しても、必ずその通りになるとは限りません。
上位カードは最高200万円~300万円
楽天カードの上位カードには、年会費2200円(税込)の「楽天ゴールドカード」と、年会費1万1000円(税込)の「楽天プレミアムカード」があります。
楽天ゴールドカードには、「空港ラウンジサービス」や「お誕生月のポイントアップサービス」などが付帯します。申し込み対象は「20歳以上」で、未成年は申し込みができません。カードの利用限度枠は原則「最高200万円」です。
楽天プレミアムカードは、個人が自分で申し込めるクレジットカードの最高ランクです。世界1300カ所以上に空港ラウンジネットワークを展開する「プライオリティ・パス特典」が付帯しており、ビジネスパーソンや旅行者に適した1枚です。
申し込み対象は「20歳以上」で、カードの利用限度枠は原則「最高300万円」に設定されています。
利用可能枠の仕組みと限度額の確認方法
カードの利用可能枠は、個人の属性や支払可能見込額などに基づいて算出されるため、一律ではありません。「利用可能枠」と「利用限度額」の違いについても把握しておきましょう。
法律に則って属性をもとに算出される
クレジットカードの利用可能枠は、「ショッピング枠」「キャッシング枠」「割賦枠(かっぷわく)」に分けられます。
・ショッピング枠:カードを使ってショッピングができる上限額
・キャッシング枠:カードを使って借り入れができる上限額
・割賦枠:ショッピング枠のうち、割賦(分割払い・リボ払い・ボーナス一括払いなど)の支払方法で利用できる上限額
ショッピング枠の利用限度枠は、勤め先や年収、過去のカードやローンの支払い実績などを基に、カード会社が独自に限度額を算出します。
割賦枠とキャッシング枠は、「割賦販売法」や「貸金業法」によって上限額が定められています。例えば、キャッシング枠は、割賦販売法の「総量規制」の対象とされており、他社を含め「年収の1/3を超える借り入れ」はできません。
割賦枠を決める際は、申し込み者の年収やローンの状況などから「支払可能見込額」を調査した上で「包括支払可能見込額×経済産業大臣指定の割合(90%)」で算出します。
楽天e-NAVIか電話で確認する
クレジットカードには「利用可能枠」と「利用可能額」があり、それぞれ定義が異なります。利用可能枠は「そのクレジットカードで利用できる限度額」であるのに対し、利用可能額は「現時点でカード決済できる金額(利用可能枠-利用残高)」です。
例えば、利用可能枠が30万円のカードで、既に20万円を利用した場合、現時点での利用可能額は10万円となります。
「カードの支払い日(楽天カードは翌月27日)」に口座から利用額が引き落とされると、支払いが完了した分だけ「利用可能額」が復活する仕組みです。
利用可能枠と利用可能額は、「楽天e-NAVI」で確認ができます。ログイン後、メニューの「ご利用可能額の照会」をクリックしましょう。楽天e-NAVIを利用していない場合は、「楽天カード自動音声専用ダイヤル(0120-30-6910)」で照会を行います。
楽天カードは利用可能枠が変動する
楽天カードでは、定期的または不定期に「再審査」を実施し、カード会員の利用状況や信用情報などをチェックしています。審査結果によっては、「利用可能枠の見直し」が行われます。
利用可能枠の増枠に関する規定
カード会員規約の「第10条(クレジットカードご利用可能枠)」には、カード利用可能枠の増枠に関する規定が記載されています。その内容は「(楽天カード株式会社は)カード会員の利用可能枠を必要に応じて増枠または減枠ができる」というものです。
カードが増枠されると、これまで以上にカードの利用範囲が広がります。家具や宝飾品などの高額な買い物ができるほか、海外では利用限度額を気にせずにカード払いができるようになるでしょう。
楽天カードの再審査とは
入会時に一度審査をしたら終わりではなく、カード会社ではその後もカード会員に対して、「再審査(途上与信)」を行っています。
カード会員の信用情報や個人属性は時間と共に変化します。入会時は問題がなかったものの、数カ月後に「転職で収入が激減した」「倒産で無職になった」ということになれば、カード会社は「貸し倒れ」のリスクを負ってしまうでしょう。
カード会社ではリスクを未然に防ぐために、定期的または不定期に再審査を行い、利用者の状況を確認する必要があるのです。再審査では、カード利用者に対し、「年収証明書」や「本人確認書類」などの資料の提出を求めるケースがあります。
増枠に影響すると考えられる項目
再審査で利用者の状況が変化していれば、利用限度枠の「増枠」または「減枠」が行われます。「増枠される人」にはどのような共通点があるのでしょうか?限度枠の見直しで重要視される項目とポイントを解説します。
勤務先や年収
再審査に大きく影響する可能性が高いのが、利用者の「勤務先」や「年収」です。入会審査時と勤務先が変わっておらず、かつ一定額以上の収入がコンスタントにある人は、「返済能力が高い」と見なされます。
カードの支払い遅延や高額なキャッシング履歴がなければ、審査後に増枠されることがあります。逆に、転職で勤務先が変わって年収が激減したり、リストラや倒産で無職になったりすれば、減枠は免れないでしょう。
勤め先や年収が変わった場合は、カード会社に速やかに連絡をするのがルールです。楽天カード会員規約の「第22条(届出事項の変更)」には「遅滞なく届け出ること」と記載があります。
「楽天e-NAVI」の「お客様情報の照会・変更」より変更を行いましょう。
遅延なく支払いをした利用実績
増枠には、安定継続収入だけでなく、「遅延なく支払いをしたカードの利用実績」が必要です。どんなに年収が高くても、多方面から借り入れをしていたり、支払いの延滞が続いていたりすれば、増枠の対象にはなりません。
カードの利用回数が多く、かつ利用代金を滞りなく払い続けている人は、カード会社にとっての優良顧客です。枠が増えるだけでなく、「上位カードの審査」にも通りやすくなるでしょう。
他社カードを複数枚持っている場合、各カードの利用状況は「信用情報機関」を通して、全てのカード会社に共有されています。
楽天カードの利用実績が良好でも、他社カードの支払いを滞納していれば、楽天カードの再審査にも影響するでしょう。
利用可能枠の希望を申請可能
利用可能枠は、カード利用者が自分から「増枠」や「減枠」が申し込めます。楽天カードの場合、Web上で簡単に申し込みができますが、希望通りに増枠ができるかどうかは審査次第です。
増枠、一時増枠の申請
冠婚葬祭や旅行などで、カード利用額が増えそうなときは、ショッピング枠の「増枠」または「一時増枠」の申請が行えます。楽天e-NAVIにログインし、メニューの「ご利用可能枠の増枠」に進みましょう。
「一時的な増枠」では、ショッピング1回払いの利用可能枠を審査完了後2カ月間に限り引き上げができます。
申請できる利用可能枠は「現在の利用可能枠の2倍まで」です。30万円であれば、最大60万円に引き上げられるため、大きな出費にも対応できるでしょう。2カ月を経過すると、もとの利用可能枠に自動的に戻ります。
増枠や一時増枠では必ず「審査」が行われ、期待した結果にならない場合もあります。キャッシングの増枠時は「収入証明書」の提出を求められるケースがあるため、事前に準備をしておきましょう。
減枠の申請
減枠は、楽天e-NAVIの「ご利用可能枠の減枠」より申請を行います。減枠可能なショッピング枠は10万円までで、既に10万円以下に設定されている場合は減枠ができません。
減枠をするのは簡単ですが、減枠後の増枠は「再審査」の対象となり、希望の可能枠が付与されない可能性があります。申し込む前に、本当に減枠が必要かどうかをよく考えましょう。
一方で、減枠申請をした方がよいのは、「カードを使いすぎる傾向がある人」です。限度枠を下げておけば、万が一盗難や紛失で不正利用されたときも、被害が最小限で済みます。
また、カードを複数枚所有している場合、全てのカードを合算して利用可能枠が設定されます。サブカードを減枠すると、メインカードの増枠の申請に通りやすくなる可能性があるでしょう。
まとめ
楽天カードでは、カード発行後も定期的・不定期に「再審査」を行い、カード利用者の状況を確認しています。楽天カードの長年の利用者で、収入も利用実績も良好な人に対しては、「増枠」の対応が行われます。
利用者が自分で増枠の申請をすることも可能ですが、支払いの遅延があったり、他社からの借り入れが多かったりすれば、増枠時の再審査に落ちる恐れがあるでしょう。
利用可能枠の増枠は、利用実績と信用の積み重ねがあってこそ実現するものといえます。