クレジットカードの利用金額を把握しよう
カードの月々の利用金額は、カード会員専用サイトや紙の明細書で確認できます。明細を見れば月々の支出が一目瞭然ですが、「いつでも見られるから大丈夫」といってチェックを怠っていませんか?
「家計簿」をつけることで、無駄遣いが効果的に抑制できます。
家計簿をつけると無駄な支出が見えてくる
キャッシュレス化が進む昨今、クレジットカードが主流の支払い方法になっている人は多いはずです。
カード決済の利点は、利用明細がそのまま記録されることですが、「いつ・何に・いくら使ったのか」を定期的に見直さなければ、記録があっても意味がありません。
加えて、現金とカードを併用している場合、明細書のチェックだけでは支出全体を把握するのは困難です。
家計全体の把握と支出カットに役立つのが「家計簿」です。家計簿をつけると、収支が明確になり、お金の流れを正確に把握できるようになります。使途不明金や無駄遣いが減り、貯蓄の増加にもつながるでしょう。
基本の家計簿への書き方は2種類
クレジットカードの家計簿の付け方は2パターンあります。カードを利用するたびに記録する方法と、引き落とし日に月の合計金額を記録する方法です。家計簿は「続けること」が大事なので、自分の負担にならない方を選びましょう。
クレジットカードを使った日に書く
一つ目は、カードを使った日に家計簿に記録する方法です。毎回記録するのはやや手間がかかりますが、まとめて記録するよりもお金の流れを正確に把握できるのがメリットです。
生活費の予算も立てやすくなり、「今週は食費が予定よりもオーバーしたから控えよう」「この調子だと今月は貯金ができそう」など、お金の使い方を上手にコントロールできるようになるでしょう。
毎日家計簿をつけるのが難しい人は、レシートを捨てずにとっておき、1週間単位で記録します。
この方法は、「カードの利用金額が口座から引き落とされる日」と「カードの利用日」が異なるため、家計簿とお金の流れが一致しないのがデメリットです。残高不足が心配な人は、カードを利用した分を銀行口座に入金するようにしましょう。
引き落とし日に利用金額の合計を書く
もう一つは「引き落とし日」を基準にして家計簿をつける方法です。クレジットカードは当月分の利用金額が翌月または翌々月に銀行口座から引き落とされる仕組みなので、家計簿をつけるときに「1カ月分の支出の振り返り」ができます。
「どこにお金がかかっているか」を全体的に把握でき、翌月以降のお金の計画が立てやすくなるでしょう。
一方で、現時点でのお金の流れや残高がタイムリーに把握できないというデメリットがあります。家計のコントロールが苦手な人には不向きかもしれません。
おすすめ管理方法1 袋分け家計管理
「手書きの家計簿は続かない」「手軽で分かりやすい方法がいい」という人におすすめなのが、「袋分け家計管理」です。家計簿をつけるのに越したことはありませんが、「袋分け」で管理をすれば、家計簿なしでもやりくりが上手にできます。
毎月の給料を袋分けする
「袋分け家計管理」とは、毎月の給料を予算ごとに分けて袋に入れ、その範囲内でやりくりする方法です。お金が減っていくのが一目で分かるため、家計簿をつけなくても無駄遣いを自然に減らせるのがメリットです。
袋分けの最初のステップは、1カ月の生活費を袋に分けるところからスタートします。
「食費」「日用品」「交際費」「光熱費」「通信費」など、項目ごとに予算を決めたら、お金を袋に振り分けましょう。「予備費」を設ければ、急な出費にも慌てずに対応できます。
袋は「封筒」でも構いませんが、節約上級者はマルチポケットのポーチや、クリアポケットがセットできるパスポートケースなどを活用しているようです。
クレジットカードを使ったら現金を別の袋へ
カード決済をした場合は、利用した分の現金を別の袋に移します。「クレジットカード利用分」と記した袋を用意しておくとよいでしょう。使いすぎを防げる上、引き落とし日に残高が不足してしまうことがありません。
袋にカード決済分のピッタリの金額がなかったときは、お金は移動させずに、金額と用途を書いたメモを入れておきます。締め日に端数を調節しましょう。
近年は、家計管理に使えるさまざまなアプリが登場しています。「袋分け家計簿アプリ」は、アプリ内で各項目の予算を設定し、使った分を入力するだけなので袋を用意したり、現金を移動させたりする手間が省けます。
おすすめ管理方法2 クレカ2枚で管理
クレジットカードは「2枚持ち」が便利です。用途ごとに使い分けるだけで、月々の明細が家計簿代わりになります。使いすぎが心配な人は「プリペイドカード」に1カ月分の予算だけをチャージして使いましょう。
公共料金など固定費と変動費に分ける
クレジットカードは「固定費」と「変動費」に分けて使うのが賢明です。日々の支出が整理され、振り返りがしやすくなります。「家計簿も袋分け管理も面倒くさい」という人は、せめてカード2枚で支出を管理するようにしましょう。
固定費とは「毎月固定で発生する費用」です。具体的には、住居費・通信費・保険料・水道光熱費・サブスクリプションサービス・車のローンなどが挙げられます。
変動費は「毎月発生するが、金額が一定でないもの」を指します。食費・日用品・交通費・交際費・医療費・美容代などが代表的でしょう。
支出を二つに分けて管理してから、「生活費に占める固定費の多さ」に気づいた人は少なくありません。節約の際、家賃などの固定費を削るのはなかなか難しいですが、食費や交際費などの変動費はいくらでも見直しが可能です。
2枚発行できるクレジットカードの例
楽天カードや三井住友カード、三菱UFJニコスなどでは、「同一名義」で「異なる国際ブランド」のカードを2枚同時に発行できます。
「デュアル発行」や「デュアルスタイル」とも呼ばれ、ライフスタイルや用途に応じて使い分けができるのがメリットです。
カード2枚で家計を管理する際、同じカード会社のカードを使うと「ポイント」が貯まりやすくなります。「引き落とし日」も同じため、口座入金する手間も省けるでしょう。カード会社によっては、「年会費の割引」も適用されます。
プリペイドカードの活用もおすすめ
「クレジットカードがあると使いすぎてしまう」という人は、「変動費」の支払いに「プリペイドカード」を活用するのも手です。
プリペイドカードは、事前にチャージをした残高内で支払いをする「前払い式」の決済方法です。1カ月分の交際費や美容代を前もってチャージし、残高内でやりくりするようにすれば、無駄遣いが自然と少なくなります。
カード会社が発行している多くのプリペイドカードは、カード決済で0.5%前後の「ポイント」が貯まります。クレジットカードのような豪華な特典は付帯していませんが、ポイント還元の面で見ればそれほど大きな差はないでしょう。
・dカード プリペイド:200円(税込)で1ポイント
・エポスVisaプリペイドカード:200円(税込)で1円(キャッシュバック)
基本的に、プリペイドカードは「継続的・定期的な支払い」には利用ができません。公共料金や電話料金、新聞の購読料の支払いにはクレジットカードを使いましょう。
マネーフォワード ME連携で自動化
「マネーフォワード ME」は、クレジットカードや銀行口座、証券口座との連携が可能な家計簿アプリです。連携できる金融機関・サービスは2500以上で、デュアル発行した2枚目のクレジットカードやプリペイドカードも登録が可能です。
アプリとカードを連携すると、日々の支出が項目ごとに自動で分類されるため、自分で家計簿をつける手間が省けます。使いすぎを知らせてくれる機能や引き落とし情報がまとめて管理できる機能もあり、カード管理がラクになるでしょう。
アプリのダウンロードと基本機能の利用は無料ですが、月額500円の「プレミアムサービス」に加入すると、サポートや保証を含む全ての機能が使えます。以下はサービスの一例です。
・カードの残高表示
・家計資産レポート
・資産内訳・推移グラフ
・ポイント・マイルの有効期限の表示・通知
・カード引き落とし時の残高不足の通知
・データバックアップ保証
マネーフォワード MEで家計簿を始める
マネーフォワード MEは、アプリで会員登録をするだけで、すぐに家計簿がスタートできます。「連携」には、クレジットカードや銀行口座のログイン情報を入力する必要がありますが、抵抗がある人は「連携なし」で試してみましょう。
アプリを入れて会員登録、連携をする
最初にマネーフォワード MEのアプリをスマホにダウンロードし、「アカウントの登録」を行います。案内に従い、メールアドレスや生年月日などの必要事項を入力すれば登録は完了です。
カードとアプリと連携する際は、画面下部メニューの「口座」をタップし、右上の「+」から、連携させるものを選択しましょう。連携には、連携先サービスの「ログインID」と「パスワード」が必要です。
情報を提供することに不安を覚える人もいますが、連携に必要なのは「ログイン情報」のみで、決済用のパスワードはもちろん、クレジットカード番号やセキュリティコードなどの入力は必要がありません。
データは最高水準のセキュリティシステムの下で、暗号化されて厳重に管理されるため、第三者への漏洩や不正利用のリスクは極めて低いといえます。
情報を提供するのに抵抗がある場合は、連携をせずに「手動」で家計簿をつけることも可能です。
・アプリ名:マネーフォワード ME - 人気の家計簿(かけいぼ)
・価格:無料・有料(月額500円)
・App Store:ダウンロード
・Google Play:ダウンロード
ノートのように自分に合った使い方が可能
クレジットカードや銀行口座を連携すると、自動的に入出金が分類されます。分類や記録だけであれば、手書きの家計簿と変わりませんが、マネーフォワード MEのメリットは1カ月の内訳や過去の収支がグラフによって「見える化」されることです。
「マンスリーレポート」では、家計・資産などのデータが月ごとに評価・表示されるため、効率よく1カ月の振り返りができます。1カ月ごとの「家計簿カレンダー機能」を使えば、いつ・何に・いくら使ったのかがすぐに分かるでしょう。
マネーフォワード MEでは、支出が「発生」した日付で家計簿の計算がなされます。例えば、9月にカード利用があり、10月に利用分が口座から引き落とされる場合、入出金履歴は9月です。
資産が減った日付で計上したいときは、「グループ作成」でカード以外のグループを作成しましょう。支出に分類されているカードの引き落とし履歴を「振替」に変更することで、引き落とし分が支出として家計簿の計算に含まれます。
まとめ
クレジットカードの支払いは購入した日ではなく、「引き落とし日」に支払いが行われます。カードや電子マネー、現金などの複数の決済方法を利用している人は、最初に「記載のルール」を決めておきましょう。
カードを利用した日をベースに記録する場合は、カード利用ごとに口座にお金を入金したり、別の袋に利用分を移し替えておいたりする工夫が必要です。
「マネーフォワード ME」を使うと、カードや銀行口座の状況が自動的にアプリに反映されます。家計の現状が可視化されると、家計の改善策や貯蓄計画が立てやすくなるでしょう。