LINE Payが使える場所
LINE Payは、「LINEアプリ」に搭載されたプリペイド式の決済手段です。コード決済・オンライン決済・請求書支払いなどに対応しており、全国の「LINE Pay加盟店」などで幅広く使えます。LINE Payに使い慣れている人の中には、「海外のショッピングでも使えたらよいのに」と感じる人も多いのではないでしょうか?
LINE Pay決済対応の店舗とは
LINE Payが使えるのは、日本全国にある「LINE Pay加盟店」です。加盟店舗数は公開されていませんが、楽天ペイやメルペイと並び、かなりの店舗数であることが推測されます。また、2021年8月からはユーザーが店頭QRコードを読み取る方式の「PayPay加盟店」でも使えるようになりました。
会計時はレジに「LINE Pay」のマークがあるかを確認しましょう。「LINE Payが使えるお店」は、公式Webサイトで確認可能です。
大手コンビニでは、「ローソン」「ファミリーマート」「セブン-イレブン」などでLINE Payを導入しています。全国チェーンのドラッグストアやファーストフード店では高い確率でLINE Payが使えるため、財布いらずで買い物ができそうです。
また、LINE Payはスマホを機器に近づけるだけで決済が完了する「ビーコン決済」にも対応しています。現在のところ、LINE Payのビーコン決済が使えるのは、キリンの「Tappiness自販機」のみです。
LINE Payは海外でも使えるの?
LINE Payのユーザーは、日本・台湾・タイ・インドネシアの4カ国で4000万人以上といわれています。(2017年時点)
特に、タイではLINE上で振込・預入・ローン申込・決済のすべてが行える「LINE BK」が2020年10月に発表され、日本以上にLINE Payの利便性が高いことがうかがえるでしょう。
日本のLINE Payは、海外のLINE Pay加盟店で使えないのが現状です。ただ、LINE Payの利用率が2019年の調査で約60%を占めた台湾では、日本のLINE Payが使える店舗が一部存在するようです。
アジア圏でより便利に使える可能性
LINE Payは2018年に、新戦略の「LINE Pay Global Alliance」を発表しました。インバウンド対応の決済サービスを提供し、外国人旅行者を日本国内の加盟店に取り込むことが目的です。
韓国の「Naver Pay」、中国の「WeChatPay」、台湾・タイ・インドネシアの「LINE Pay」との連携により、それぞれのPayユーザーは日本のLINE Pay加盟店でのコード決済ができるようになります。アジア圏に住む人々にとっては、メリットが大きいといえるでしょう。
一方で、LINE Pay Global Allianceはインバウンドに特化した仕組みです。外国を旅行する日本人にとって役立つサービスとはなりません。今後、日本のLINE Payが海外でも使えるようになるのを期待したいところです。
LINE Payを海外で使う方法と手数料
日本のLINE Payが使えないとすれば、海外ではどんな支払い方法を選択すればよいのでしょうか?LINE Payを海外で使う方法として有力なのが、LINE Pay発行の「プリペイドカード」や「クレジットカード」です。一部の国では、Apple PayやGoogle Payも使えます。
LINE Payのプリペイドカードで払う
LINE Payのプリペイドカードには、カードタイプの「LINE Pay カード(JCB)」とバーチャルカードの「Visa LINE Payプリペイドカード」の2種類があります。どちらも事前チャージをすることで、JCB・VISAの各加盟店で利用できます。
LINE Payの本人確認が完了しているユーザー(LINE Moneyアカウント)なら、国内はもちろん、海外の各加盟店でも利用可能です。Visa LINE Payプリペイドカードの場合は、海外でもVisaのタッチ決済が使えます。また、海外ではJCBに比べてVisaの加盟店数の方が多いため、より利便性が高いといえるでしょう。
海外利用時は「約4%の海外利用手数料がかかる」点と、「1回払いしかできない」点がクレジットカードとの大きな違いといえます。
なお、LINE Pay カード(JCB)は新規発行を終了しているため、利用できるのは有効期限までです。更新や再発行はできないため、引き続きLINEのプリペイドカードを使用したい場合はVisa LINE Payプリペイドカードの発行を検討しましょう。
Visa LINE Payクレジットカードで支払う
「Visa LINE Payクレジットカード」は、三井住友カードとLINE Payの提携クレジットカードです。国内外のVisa加盟店で幅広く使えるため、海外旅行に行くLINE Payユーザーには欠かせない1枚となるでしょう。
三井住友カードでは「Vポイント」が貯まるのが通常です。一方、本カードでは決済のたびに「LINEポイント」が付与されます。2022年4月30日まではショッピング利用で2%が還元されるため、チャンスを逃さないようにしましょう。
海外でのクレジットカード決済では、国際ブランドの利率に基づいた「事務手数料」がかかります。日本円から現地通貨に換算するための事務処理コストで、三井住友カードのVisaカードは「1回につき2.2%」です。
為替レートは実際にカードを利用した日ではなく、「利用代金のデータがカード会社に到着した日の基準レート」が適用されることも覚えておきましょう。
Visa LINE Payクレジットカード|クレジットカードの三井住友VISAカード
Apple PayやGoogle Payを使って
Apple PayやGoogle Payはグローバルに使えるキャッシュレス手段の一つです。アジア太平洋地域ではオーストラリア・マカオ・香港・台湾・シンガポール・ニュージーランド・中国本土などでApple Payが使えます。
Touch IDやFace IDなどの「生体認証」を設定でき、現金やクレカを持ち歩くよりも安心感があるでしょう。海外でApple PayやGoogle Payを使うときは、支払い元にクレジットカードなどを登録します。登録可能なカードは、公式Webサイトを確認しましょう。
先に紹介したVisa LINE PayクレジットカードやVisa LINE Payプリペイドカードは、Apple Pay・Google Payのいずれにも対応しています。なお、iDやQUICPay+などの非接触決済手段は日本独自のもので、海外では使えません。
LINE Payを海外で使うメリットは?
LINE Payのプリペイドカードやクレジットカードを、海外で使うメリットは何でしょうか?「ポイントの貯まりやすさ・使いやすさ」と「安全性」の面から見てみましょう。
LINEポイントが貯まる・使える
Visa LINE PayクレジットカードやVisa LINE Payプリペイドカード(Visaのタッチ決済)を国内・海外で使うと、利用代金の1~2%の「LINEポイント」が還元されます。
さらにVisa LINE Payプリペイドカードでは、カード発行の翌月1日~末日の利用額に対しては+5%のポイント還元もありお得です。
海外旅行はチケットの購入やホテルの予約、現地でのショッピングなどで大きな金額が動きやすく、その分ポイントが大きく貯まるのがメリットです。
プリペイドカードなら安全性が高い
「海外で多額の現金を持ち歩きたくない」という人に支持されているのが、プリペイド式のLINE PayカードやVISA LINE Payプリペイドカードです。
チャージした残高の範囲内でしか決済ができないため、クレジットカードのように見境なく使ってしまう心配がありません。盗難による不正利用の被害に遭ったとしても、残高以上のお金が引き出されることがなく、被害が最小限に食い止められます。
また、LINE Payカードは、アプリ上で「利用停止」の設定ができるのもポイントです。カードの盗難時にLINEアプリですぐに停止手続きを行えば、残高が不正利用される可能性は低いでしょう。
LINE Payを使って送金する場合
友だちとの海外旅行では、「旅行代金の立て替え」や「割り勘」が多く発生します。LINEユーザー同士であれば、「LINEの送金機能」を活用しましょう。面倒なお金のやりとりがあっという間に完了します。
トーク画面から5タップで送金が完了
LINE Payの送金機能が使えるのは、本人確認済の「LINE Moneyアカウントユーザー」のみです。「スマホでかんたん本人確認」で、本人確認を済ませておきましょう。
送金時、相手の銀行口座番号は不要です。まず、送金したい友だちのトークを選択し「+」をタップします。「送金」→「送金する」と進みましょう。送金金額などを入力して「送金・送付」をタップすると、「LINE Pay残高」より支払いが行われます。
海外の相手の出金方法に注意
受け取った側は、「登録した日本の銀行口座」や「セブン銀行ATM」で出金が可能です。日本のLINE Payアカウントをもつ「海外在住者」に送金した場合、送金はできても出金が難しい可能性が高いでしょう。
出金先として登録できる銀行口座は「日本の銀行」に限られているうえ、日本のLINE Payは海外で使用ができないためです。
ただし、「日本のLINE Payアカウント」に「日本の銀行口座」を登録していて、かつ国際ブランドが付帯した「デビットカード」を持っている場合は、海外のATMで現金(現地通貨)が引き出せます。
引き出しの際は、国際ブランドが定める「為替レート」に「海外事務手数料」が上乗せされます。ATMによっては利用手数料がかかるため、いくらかの損失が出てしまうでしょう。
まとめ
LINE Payは日本だけのものと思いきや、台湾やタイなどのアジア諸国でも日常的に使われています。ただ、日本のLINE Payと海外のLINE Payではシステムが異なるため、海外のLINE Pay加盟店では日本のLINE Payが使えないのが現状です。今後、日本人が海外でも気軽に使えるスマホ決済手段が登場するのを期待しましょう。
海外旅行では、LINE Payが発行するプリペイドカードやクレジットカードを使うことが可能です。さらにApple PayやGoogle Payに登録して、スマホ決済をする手もあります。