謎に包まれたセンチュリオンカード
アメックスは、数あるクレジットカードの中でも「富裕層向け」として名高いカードブランドです。公式サイトにはプラチナカードまでの情報は掲載されていますが、その上に「センチュリオンカード」と呼ばれるブラックカードが存在するのをご存じでしょうか?
招待制、アメックスの最上位カード
アメックスが発行する個人向けプロパーカードは、「アメックスグリーン」「アメックスゴールド」「アメックスプラチナ」の3種類ですが、プラチナの上には「センチュリオンカード」と呼ばれるブラックカードが用意されています。
プラチナ以下は自ら申し込みができますが、センチュリオンカードは公式サイトに申し込みのページがなく、カード会社からのインビテーションがなければ発行ができません。ほんのひと握りのエリートのみが持てるカードといってよいでしょう。
アメックスカードは「カードの利用可能枠」が固定されておらず、カード会員の状況によって可能枠が変動するのが特徴です。センチュリオンカード会員ともなれば、かなりの高い上限が設定されると推測されます。
アメックス上位カードは必須と考えられる
センチュリオンカードは「支払い能力が十分ある」と認められた人にしか発行されないのは明らかです。
審査に通過するには「年収」が重要といわれていますが、ブラックカードレベルになると、単に年収が高いだけでなく、「一定額以上の良好な決済実績」が重要になってきます。
インビテーションが届く条件は明らかにされていませんが、まずは下位カードにあたる「プラチナカード」の入会審査にクリアし、カードを何年も地道に使い続ける必要があるでしょう。
アメックスプラチナの年会費は14万3000円(税込)で、年間のカード維持費としてはかなりの高額です。
アメックスグリーンやゴールドの保有者に、センチュリオンカードのインビテーションが届くことはないと推測されます。
日本の公式サイトには掲載されていない
日本の公式サイトには、センチュリオンカードについての詳細はほとんど記載がありません。「センチュリオンカードのインビテーションが届いた」という情報はちらほら目にしても、年会費や加入条件などについては謎に包まれています。
アメリカの公式サイトによると、アメリカで発行されるセンチュリオンカードの入会金は1万米ドル、年会費は5000米ドルです。
日本円に換算すると、初年度は約109万円、次年度からは毎年54万円以上の年会費が発生します(1ドル=109円で計算)。
アメックスプラチナとは大違いで、普通の会社員が支払うのは困難でしょう。カード保有者は会社経営者や会社役員などが中心と考えられます。
Consumer & Small Business Card Agreements | Amex US
センチュリオンカードの特徴
日本ではあまり目にすることがないセンチュリオンカードですが、カード材質は「金属製」で、一目でブラックカードと分かる風貌です。カード会員は、下位カードの特典はもちろん、ブラックカードにしかない特別な優待が受けられます。
金属製カード
アメックスカードは、カードのランクによってカードの材質や券面の色が異なります。プラチナカードとセンチュリオンカードは「金属製」で、ステータスの高いカードであることは一目瞭然です。
もともと、センチュリオンカードは、本カードに加え「セカンドセンチュリオンカード」と「チタニウムカード」の2枚のカードが追加発行されていましたが、2021年7月に追加カードが廃止となりました。
新規発行または再発行では、「ICチップ付きのメタルカード」が発行されます。
グルメ、各種保険付帯など特典の例
センチュリオンカードの詳細はほとんど公開されていませんが、基本的にプラチナランクの特典や保険は全て含まれていると考えてよいでしょう。カードに付帯する保険には以下のようなものがあるようです(一例)。
・キャンセル・プロテクション
・ショッピング ・ プロテクション
・リターン ・ プロテクション
・個人賠償責任保険
・旅行傷害保険
・海外レンタカー保険
・通貨盗難
・ホームウェア・プロテクション
・ゴルフ・テニス・スキー保険
プラチナカード会員とセンチュリオンカード会員は、予約の取りにくい名店を貸し切り予約できるダイニング特典「日本の極 KIWAMI 50」を利用可能です。
基本的に抽選ですが、先着優先枠で予約ができる「センチュリオン・カード会員優先枠」が設けられています。
そのほかにも、1泊2名分の宿泊券がもらえる「フリー・ステイ・ギフト」や一流レストランが優先的に予約できる「アメックス・スペシャル・リザーブ」といったワンランク上の特典も対象と考えられます。
まとめ
他社カードにもブラックカードはありますが、アメックスのセンチュリオンカードはブラック中のブラックともいえる最高峰です。
取得難易度は極めて高く、単に「年収が高いだけ」ではインビテーションは届きません。アメックスが設ける独自の基準をクリアする人は、日本ではひと握りと考えられます。
まずは、プラチナカードで良好なカード実績を積むことが、センチュリオンに向けた最初の一歩といえるでしょう。