- 楽天ビジネスカードとは
- 楽天プレミアムカードの子カード
- 楽天ビジネスカード自体の年会費は2200円
- 楽天ビジネスカードに入会できる人
- 法人代表者、個人事業主が申し込み可能
- 個人事業主もビジネスカードを持つべき理由
- 楽天ビジネスカードのメリットとは
- ポイントは基本1%、楽天市場では最大5倍
- 原則、何枚でもETCカードを発行できる
- 1枚目は年会費無料
- Visaビジネスオファーが利用可能
- 楽天ビジネスカードの使い方
- 支払い方法は1回払いのみ
- 利用明細は楽天e-NAVIで確認
- 紙の明細書発行にも無料で対応
- 楽天ビジネスカードの申し込み方法
- 楽天プレミアムカードと同時申し込みが可能
- 必要書類
- 発行状況を確認する方法
- 楽天ビジネスカードのデメリット
- 利用可能額は楽天プレミアムカードとの合算
- 1枚しか発行できない
- まとめ
楽天ビジネスカードとは
「楽天ビジネスカード」は、法人名義の預金口座を引き落とし先に指定できる、中小企業経営者・個人事業主向けのクレジットカードです。他社の法人カードと比べると年会費が安く、ビジネスにふさわしい多くの特典・サービスが付帯しています。
楽天プレミアムカードの子カード
楽天ビジネスカードは「楽天プレミアムカードの子カード」という位置づけです。単独では発行できないため、楽天プレミアムカードを発行した上で申し込みをする必要があります(同時発行も可)。
楽天プレミアムカードは、楽天ゴールドカードの上位カードです。年会費は1万1000円(税込)で、下位カードにはないプレミアムな特典が満載です。
・プライオリティ・パスの利用
・最高補償額5000万円の国内・海外旅行傷害保険
・楽天市場でのカード利用でポイントが計5倍(SPU)
・選べる優待サービス(楽天市場コース・トラベルコース・エンタメコース)
・お誕生日月のサービス(楽天市場または楽天ブックスでポイントが+1倍)
プレミアムランクになると、海外空港ラウンジサービス「プライオリティ・パス」を享受できます。世界1300カ所にある空港ラウンジを無料で利用できるため、世界を飛び回るビジネスパーソンは「空港での待ち時間」がより充実したものとなるでしょう。
楽天ビジネスカード自体の年会費は2200円
楽天ビジネスカードの年会費は2200円(税込)です。楽天プレミアムカードの年会費と合わせると、年間で1万3300円(税込)のカード維持費がかかることになります。
他社のビジネスカードの年会費と比べてみましょう。「三井住友ビジネスカード for Owners(ゴールド)」は1万1000円(税込)、「セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード」は3300円(税込)です。
機能やサービスに若干の違いはあるものの、ビジネスカード単体で見れば、楽天ビジネスカードの年会費は格安といえます。
楽天ビジネスカードは、利用金額の引き落とし先を「法人名義の預金口座」に設定するのが原則です。1枚のカードで全ての経費を精算すれば、経費精算の負担が大きく軽減されるでしょう。
ビジネスカードの年会費は、「諸会費」または「支払い手数料」として経費に計上できます。
楽天ビジネスカードに入会できる人
楽天ビジネスカードは「楽天プレミアムカードの保有者」のみが申し込めます。中小企業の法人代表者や個人事業主が対象で、申し込みにはいくつかの条件があります。
法人代表者、個人事業主が申し込み可能
一般的な法人カードには、「ビジネスカード」や「コーポレートカード」などがあります。明確な定義はありませんが、コーポレートカードは規模の大きな企業向け、ビジネスカードは中小企業や個人事業向けとされているケースが大半です。
楽天ビジネスカードの対象は、20歳以上で安定した収入のある法人代表者(会社登記上、代表権を有する人)、または個人事業主です。登記上の法人代表者と申し込み者が相違する場合は発行ができません。
個人向けである楽天プレミアムカードは「自宅」に郵送されますが、ビジネスカードは「勤務先」に郵送されます。
個人事業主もビジネスカードを持つべき理由
個人事業主が支払う事業経費はカード決済が便利です。しかし、個人用のクレジットカードしか持っていない場合、仕事とプライベートの支出が混在し、会計処理が煩雑になります。
事務所の家賃や光熱費、税金などを「銀行引き落とし」にすれば、それぞれの支払い日がバラバラになるのも面倒な点です。
個人用カードとビジネスカードを使い分ければ、無駄な会計処理が発生しない上、複数ある支払い日を1日に集約できます。当月の利用額は来月以降に口座から引き落とされるため、キャッシュフローにも余裕が生まれるでしょう。
楽天ビジネスカードのメリットとは
楽天ビジネスカードには、ビジネスに役立つ特典やサービスが付帯しています。楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)では、最大5倍のポイントアップが期待できるため、オフィス用品のまとめ買いをするチャンスです。
ポイントは基本1%、楽天市場では最大5倍
基本のポイント還元率はほかの楽天カードと同じ1%ですが、楽天市場でカードを利用した場合、楽天会員の通常ポイント1倍に4倍のポイントが加算され、ポイント倍率は最大5倍になります。
・楽天市場利用ポイント:1倍
・楽天ビジネスカード利用通常ポイント:1倍
・楽天プレミアムカード(楽天ビジネスカード)利用特典ポイント:最大3倍
さらに、「毎月5と0のつく日は楽天カード利用でポイント5倍」のキャンペーンを利用すると、「楽天プレミアムカード利用特典ポイント」が2倍上乗せされ、合計で7倍のポイントが獲得できます。
ビジネスカードやプレミアムカードで獲得した「楽天ポイント」を事業で利用する場合は、会計上の処理方法を税理士に相談した方がよいでしょう。「ポイント=値引き」とする方法と、「ポイント=収入」と見なして処理する方法があります。
原則、何枚でもETCカードを発行できる
個人向けの楽天カードは、追加カードとして「ETCカード」が1枚発行できます。一方のビジネスカードは、枚数に制限がなく、必要に応じて増やせるのがメリットです。
車両ごとにETCカードを割り当てれば、外出のたびに交通費を精算する手間が省けるでしょう。利用明細を見れば、いつ・どこで・誰が利用したかが一目瞭然です。
ETCカードの利用は楽天ビジネスカードに合算され、100円(税込)につき1ポイントの楽天ポイントが貯まります。別途「ETCマイレージサービス」に登録をすれば、平日朝夕割引や深夜割引などの各種割引が享受でき、経費の削減につながります。
なお、「三井住友ビジネスカード for Owners」はETCカードが1枚しか追加できません。「セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード」は、最大500枚まで追加が可能です。
1枚目は年会費無料
ビジネスカードに追加できるETCカードの年会費は1枚目が無料、2枚目からは550円(税込)です。クレジットカードの年会費同様、諸会費や支払い手数料として経費に計上しましょう。
ETCカードの年会費はカード発行会社によって異なります。自社のETC利用状況に合ったカードを選びましょう。
・楽天ビジネスカード:1枚目無料・2枚目から550円(税込)
・三井住友ビジネスカード for Owners:無料(1枚のみ発行可)
・セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード:5枚目まで無料
・アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード:1枚につき550円(税込)
1枚のみの発行であれば、楽天ビジネスカードや三井住友ビジネスカード for Ownersでもよいですが、複数枚発行する場合は、セゾンゴールド・ビジネス プロ・カードの方がコストがかかりません。
Visaビジネスオファーが利用可能
楽天ビジネスカードの国際ブランドは「Visa」です。カード会員はビジネスシーンにおいて、Visaが提供する「Visaビジネスオファー」が享受できます。
国内外にバーチャルオフィスとコワーキングスペースを展開する「サーブコープ」では、バーチャルオフィスの利用料が3カ月間50%OFFになります。申し込みの際は、電話やメールでプロモーションコードを伝えましょう。
そのほかにも、「日本交通」「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」「ナバジス」などの大手企業が、ビジネスの効率や収益アップにつながるサービスを提供しています。
楽天ビジネスカードの使い方
楽天の個人向けカードとビジネスカードの大きな違いは「支払い方法」です。クレジットカードでは当たり前の「リボ払い」や「分割払い」ができないため、計画的な利用を心がけましょう。
支払い方法は1回払いのみ
楽天ビジネスカードの支払い方法は「1回払い」のみです。商品代金を複数回に分けて支払う「分割払い」や、毎月一定額を支払う「リボ払い」は選択ができません。
カードで現金を借りられる「キャッシングサービス機能」も付帯していない点に注意しましょう。
楽天カードの締め日は「毎月月末」、引き落とし日は「翌月27日」です(金融機関が休業日の場合は翌営業日)。「毎月12日頃」に当月分の請求額が更新されるため、カード会員専用サイト「楽天e-NAVI」で金額をチェックしておきましょう。
利用明細は楽天e-NAVIで確認
「楽天e-NAVI」に会員登録をすると、楽天ビジネスカードや楽天プレミアムカードの利用明細書をWeb上で簡単に確認できるようになります。
・利用日
・利用店
・商品名
・支払い方法
・金額
・積算予定日
・前月以前及び翌月以降の明細
利用料は完全無料で、印刷やダウンロードも可能です。請求が確定すると、登録したメールアドレスに「請求確定案内」が届くため、口座残高不足による滞納が未然に防げます。
ビジネスカードの明細を確認する場合は、「楽天ビジネスカードの追加登録」を行いましょう。
紙の明細書発行にも無料で対応
楽天カードの明細書には「Web明細」と「紙の明細」の2種類があります。
Web明細をダウンロードして印刷すれば、紙の明細書として使えますが、郵送で送って欲しい場合は、楽天e-NAVIの「登録・変更」から、Web明細サービスの解除手続きを行いましょう。
毎月1~7日に解除した場合は「当月分」、8~末日に解除した場合は「翌月分」から紙の明細書が発送されます。郵送時期は毎月20日前後と見ておきましょう。
通常は、月々84円の明細書発行手数料が必要ですが、ゴールドカード以上と楽天ビジネスカードは手数料がかかりません。
楽天カードのWeb明細書は、過去15カ月前に遡って確認ができます。期間内に削除される心配はありませんが、確定申告で使用する場合は早めに印刷をして保管しておきましょう。
楽天ビジネスカードの申し込み方法
ビジネスカードが申し込めるのは、「楽天プレミアムカード会員」のみです。カードを保有していない人は、ビジネスカードとの同時申し込みを検討しましょう。申し込みから到着までの流れを解説します。
楽天プレミアムカードと同時申し込みが可能
PCから「楽天ビジネスカードの申し込みページ」にアクセスし、「楽天ビジネスカードのお申込み」のボタンをクリックします。
「楽天プレミアムカード・楽天ビジネスカードの同時お申し込み」のページが表示されるため、必要事項を入力しましょう。カードの申し込み完了後は、メールに「カード申し込み受付ID」が配信されます。
このページから同時申込する場合、既に「楽天銀行カード」を保有している人は、楽天プレミアムカードへの切り替えができません。楽天銀行カードを一旦解約してから、申し込みの手続きを行う必要があります。
申し込みから5営業日程度で「返信用封筒」と「詳細書類」が届くため、2週間以内を目安に必要書類を同封して返送します。その後「入会審査」が行われ、審査をクリアした人にのみカードが発送される流れです。
手元に届くまで、少なくとも2週間はかかると見ておきましょう。
楽天カードから楽天プレミアムカードに切り替えをして、楽天ビジネスカードに新規入会すると、もれなく3000円相当の楽天ポイントが進呈されます。
楽天プレミアムカードの新規入会キャンペーン(期間限定)も行われているため、申し込み前に公式サイトをチェックしましょう。
必要書類
ビジネスカードは個人向けカードよりも提出書類が多く、不備があると発行手続きに時間がかかってしまいます。内容をしっかり確認した上で返送しましょう。
個人事業主の場合、申し込み後に「楽天ビジネスカードについての案内(1部)」「返信用封筒(1部)」「預金口座振替依頼書(2部)」が手元に届きます。内容確認後、「預金口座振替依頼書」を同封して返送しましょう。
法人代表者の場合は、「楽天ビジネスカードについての案内(1部)」「返信用封筒(1部)」「法人名義預金口座からの支払いに関する同意書(1部)」「預金口座振替依頼書(2部)」が届くため、以下の書類を同封して返送します。
・法人名義預金口座からの支払いに関する同意書
・預金口座振替依頼書
・6カ月以内の商業登記簿謄本
・3カ月以内の法人登記印の印鑑証明書
楽天カードの支払い口座に指定できる銀行は公式サイトに掲載されています。楽天銀行やゆうちょ銀行、大手メガバンクのほか、地方銀行にも対応しています。
発行状況を確認する方法
楽天カードに必要書類が到着した後、約2週間でカードが手元に届きますが、長引く場合は、「専用Webページ」で発送状況を確認しましょう。
画面上で、「カード申し込み受付ID」「生年月日」「電話番号(下4桁)」を入力し、「発行状況の確認」をクリックします。発行の手順は、6段階のステップに分かれており、未完了の部分は「グレー表示」です。
カード申し込み受付IDが不明な場合は、「楽天カードコンタクトセンター」に発行状況を問い合わせましょう。
楽天ビジネスカードのデメリット
楽天ビジネスカードはポイントが貯まりやすく、付帯特典も豪華ですが、いくつかの弱点があります。申し込み前に、「カードの利用可能枠」が十分かどうかも確認した方がよいでしょう。
利用可能額は楽天プレミアムカードとの合算
「利用可能枠(額)」とは、そのカードで決済できる上限額のことです。利用可能枠を超えての支払いはできず、支払い日(楽天カードは翌月27日)にカード保有者の金融機関口座から利用額が引き落とされると、その分だけ利用可能枠が回復する仕組みです。
楽天ビジネスカードの利用可能枠は最高300万円ですが、楽天プレミアムカードとの「合算」です。さらに、利用可能枠は必ずしも300万円に設定されるとは限らず、人によっては200万円や100万円になる可能性があります。
例えば、利用可能枠が200万円の場合、楽天プレミアムカードで50万円の決済をすれば、支払い日までは150万円までしか使えません。会社の経費は個人の支出よりも大きくなりやすく、場合によっては限度額にすぐに到達してしまうでしょう。
1枚しか発行できない
他社発行のビジネスカードには、主契約のビジネスカードに付随して「追加カード」が発行できるものがあります。本カードは「代表者」、追加カードは「従業員」が使うようにすれば、経費の支払いが一本化できます。
残念ながら、楽天ビジネスカードの発行は1人につき1枚です。複数の法人を経営している場合でも複数枚の発行は認められていません。
従業員用のビジネスカードを発行したい場合は、楽天カード以外を検討した方がよいでしょう。「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」は、追加カードが最大9枚まで無料発行できます。
まとめ
楽天ビジネスカードを発行すると、プライベート用と仕事用の支払いがきっちり分けられます。年会費が2200円(税込)と手頃なので、「コストをあまりかけずにカードを持ちたい」という事業者に向いているでしょう。
親カードにあたる「楽天プレミアムカード」は、個人が自分で申し込みできる楽天カードの最高ランクです。プライオリティ・パスをはじめとする豪華な特典が付帯しており、日常でも旅先でも優越感が味わえます。
プレミアムカードを保有していない人は、ビジネスカードとの同時申し込みが可能です。お得な入会キャンペーンがないかチェックしましょう。