クレジットカードの超ブラック経験がある場合、「もうカードは諦めるしかない」と不安や諦めを感じている人が多いのではないでしょうか。長期延滞や債務整理などの金融事故を経験した「超ブラック」状態だと、どこに申込んでも審査で落とされる現実に直面しやすいものです。
「超ブラック」な状態の場合、クレジットカードの審査は通過できないというのが原則です。ただ、ブラックリストに載ったからというだけで、必ずしもクレジットカードを作れないわけではありません。
すべてのカード会社が厳格な審査をしているわけではなく、信用情報に寛容な消費者金融系や、デポジット型(保証金式)など審査基準が柔軟な商品を選ぶことで、発行できる可能性は十分にあります。
- 審査が不安な人:ACマスターカード、楽天カード
- すぐにカードが欲しい人:セゾンカードインターナショナル、三菱UFJカードVIASOカード、PayPayカード
- 主婦や学生などの人:学生専用ライフカード、イオンカードセレクト、エポスカード
この記事では、いわゆる超ブラック経験者でも申込みが可能なクレジットカードの選び方や、具体的なおすすめカード、審査通過のコツをわかりやすく紹介します。
- 超ブラック経験者が検討可能なクレジットカードおすすめ8選
- ACマスターカード
- PayPayカード
- 三菱UFJカードVIASOカード
- 楽天カード
- イオンカードセレクト
- 学生専用ライフカード
- セゾンカードインターナショナル
- エポスカード
- 超ブラックとは?クレジットカードは作れるのか
- 超ブラックとは現在も債務を抱えている状態
- 検討可能なクレジットカードはある
- 超ブラック経験者向け!カードの選び方
- 審査が柔軟なカード会社を選ぶ
- 保証金を担保するデポジット型を選ぶ
- 入会キャンペーンも狙い目
- 超ブラック経験者が審査を通過するコツ
- 自分の信用情報を確認する
- キャッシング枠なしで申込みをする
- 申込むクレジットカードは1枚に絞る
- 収入が安定したタイミングで申込む
- 記載漏れや虚偽申告はNG
- 年会費無料のクレジットカードを選ぶ
- 固定電話の番号を記入する
- 自分の信用情報を確認する方法
- JICCの確認方法
- CICの確認方法
- KSCの確認方法
- 超ブラックな人がクレジットカードを作るときの注意点
- 審査なしのクレジットカードは存在しない
- 「誰でもOK」など甘い言葉につられてはいけない
- ブラックリスト解消後はクレジットヒストリーを積み上げる
- ブラックリストに載る原因
- スマホ本体の分割払いを滞納した
- クレジットカードを強制退会になった
- 債務整理を行なった
- 短期間に複数のクレジットカードに申込んだ
- 過払い金請求をした
- ブラックリストに載ると何ができなくなる?
- クレジットカードやローンの審査に通らない
- クレジットカードが使えなくなる
- 賃貸の入居審査に通りにくい
- モバイル端末の分割購入ができない
- 保証人になれない
- ブラックリストはどのくらいの期間で解消される?
- ブラックリストの掲載理由と掲載期間
- 「社内ブラック」は解消されない
- 超ブラックな信用情報を回復させる方法
- 延滞・借入を整理して返済計画を立てる
- 利用限度額の見直し
- 安定した収入・職業状態を確保する
- 信用情報を確認して誤記録を訂正する
- 超ブラックに関するよくある質問
- ブラック解除はいつ?何年待つ?
- 結婚・苗字変更で解除される?
- 任意整理・自己破産・完済後はどうなる?
- 収入が不安定な状況でも申込めるカードはある?
- 家族カード・デビットなどで代用できる?
- まとめ
超ブラック経験者が検討可能なクレジットカードおすすめ8選
「超ブラック」の状態の場合、どのクレジットカードでも審査を通過するのは非常に難しいでしょう。しかし、どうしてもクレジットカードが必要な人に向けて、審査に自信がなくても申込みやすいクレジットカードを紹介します。
| 審査が不安な人 | ACマスターカード、楽天カード |
|---|---|
| すぐにカードが欲しい人 | セゾンカードインターナショナル、三菱UFJカードVIASOカード、PayPayカード |
| 主婦や学生などの人 | 学生専用ライフカード、イオンカードセレクト、エポスカード |
ACマスターカード
| カード名 | ACマスターカード |
|---|---|
| 国際ブランド | Mastercard |
| 申込条件 | 20歳以上・安定した収入と返済能力がある人(パート・アルバイト可) |
| 年会費 | 無料 |
| 家族カード | ✕ |
| ETCカード | ✕ |
| ポイント名 | ポイント付与なし |
| ポイント還元率 | キャッシュバック0.25% |
| 交換可能マイル | ✕ |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | ✕ |
| ショッピング保険 | ✕ |
| 付帯電子マネー | ✕ |
| スマホ決済 | Apple Pay・Google Pay |
| 発行期間 | 最短即日 |
消費者金融「アコム」は独自の審査基準により、一般的な銀行系カードに比べて審査が柔軟です。パート・アルバイトでも安定した収入があれば申込めます。
年会費は永年無料で、即日発行も可能です。自動契約機(むじんくん)を利用するとカードをその日のうちに受け取れるため、急ぎの場面でも安心です。申込みから発行まですべてオンラインで完結します。
毎月の利用額に対して、自動的に0.25%キャッシュバックされます。毎月の請求額から差し引かれるため、ポイント交換の手間がかかりません。
PayPayカード
| カード名 | PayPayカード |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB |
| 申込条件 | 満18歳以上 |
| 年会費 | 本会員・家族カードともに永年無料 |
| 家族カード | 〇 |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | PayPayポイント |
| ポイント還元率 | 1.0%(条件達成で最大5.0%) |
| 交換可能マイル | ✕ |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | ✕ |
| ショッピング保険 | ✕ |
| 付帯電子マネー | - |
| スマホ決済 | PayPay、Apple Pay、Google Pay、QUICPay |
| 発行期間 | 最短5分(申込+審査) |
PayPayカードは新規会員の獲得に積極的で、学生・主婦・パート層にも間口を広げています。過去に延滞歴があっても審査に通る可能性はあるでしょう。
年会費は無料でポイント還元率は1%です。電子マネーにも対応しており、PayPay利用者やスマホ決済を重視する人にとって便利に使えるカードです。
審査基準は公表されていませんが、18歳以上で安定した収入があり、本人認証が可能な携帯電話を持っていれば申込みができます。
三菱UFJカードVIASOカード
| カード名 | 三菱UFJカードVIASOカード |
|---|---|
| 国際ブランド | Mastercard(マイメロディ、浦和レッズコラボなどはVisaも選択可) |
| 申込条件 | 18歳以上・本人または配偶者に安定収入がある/学生可(高校生除く) |
| 年会費 | 永年無料 |
| 家族カード | 〇 |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | VIASOポイント |
| ポイント還元率 | 0.5%~1.0%(一部加盟店やETCで2倍) |
| 交換可能マイル | ✕ |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円(利用付帯) |
| ショッピング保険 | 年間限度額100万円 |
| 付帯電子マネー | QUICPay・Apple Pay(QUICPay)・Mastercard® |
| スマホ決済 | Apple Pay |
| 発行期間 | 最短翌営業日 |
学生でも申込みやすい銀行系のクレジットカードです。ポイント還元率も高く、年会費も無料です。スマートフォンの利用料金をクレジットカード払いにしておけば、ポイントは2倍になります。
最短で翌日にカードの発行が可能です。審査の状況によりますが、通常は3日~1週間後にカードが届きます。
VIASOポイントは特別な手続きをしなくても自動的にキャッシュバックされるため、うっかりポイントを失効してしまう心配もありません。
楽天カード
| カード名 | 楽天カード |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB・American Express |
| 申込条件 | 18歳以上(高校生不可) |
| 年会費 | 永年無料 |
| 家族カード | 〇 |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | 楽天ポイント(1ポイント=1円) |
| ポイント還元率 | 1.0%~(SPU/Super Point Upで最大3.0%以上) |
| 交換可能マイル | ANA・JALマイルへ交換対応 |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
| ショッピング保険 | ✕ |
| 付帯電子マネー | 楽天Edy・QUICPay・Apple Pay・Google Pay |
| スマホ決済 | 楽天ペイ・Apple Pay・Google Pay |
| 発行期間 | 通常1週間~10日程度 |
流通系で申込件数が多く、主婦・学生・非正規雇用者など、属性に不安がある人にも発行が可能です。
年会費は永年無料です。楽天市場とも連携しており、キャンペーン中はポイント還元率も高くなるため、楽天ユーザーの人には特におすすめです。
楽天Edy、QUICPay、Apple Pay、Google Payなど、さまざまな電子マネーやスマホ決済にも対応しており、便利に利用できます。
イオンカードセレクト
| カード名 | イオンカードセレクト |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB |
| 申込条件 | 18歳以上(高校生不可)、イオン銀行口座必須 |
| 年会費 | 永年無料 |
| 家族カード | 〇 |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | WAON POINT/電子マネーWAON |
| ポイント還元率 | 基本0.5%~イオンで最大1.0% |
| 交換可能マイル | JALマイレージバンクなど |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | ✕ |
| ショッピング保険 | 年間50万円 |
| 付帯電子マネー | WAON、イオンiD |
| スマホ決済 | AEON Pay、Apple Pay、イオンiD |
| 発行期間 | 最短5分 |
イオンカードセレクトは、主婦や年金受給者、パートも申込みが可能な流通系クレジットカードで、新規顧客の獲得のために柔軟な審査を行なっています。
WAON一体型で、イオンでの利用に特化した優待が多数あります。また、年会費は無料のため、長く利用できるのも特徴です。
クレジットカード自体が届くまでは数日かかりますが、スマートフォンでApple PayやイオンiDの設定が済めば即日支払いに利用できます。
学生専用ライフカード
| カード名 | 学生専用ライフカード |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB |
| 申込条件 | 18歳~25歳以下の大学・大学院・短期大学・専門学校在学者、高校生は進学予定で1月以降申込可 |
| 年会費 | 永年無料 |
| 家族カード | ✕ |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | LIFEサンクスポイント |
| ポイント還元率 | 0.5~1.5% |
| 交換可能マイル | ANAマイル |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円、自動付帯(在学中のみ) |
| ショッピング保険 | ✕ |
| 付帯電子マネー | Apple Pay・Google Pay・楽天Edy・iD、nanaco・モバイルSuica |
| スマホ決済 | Apple Pay・Google Pay |
| 発行期間 | 最短2営業日 |
学生に特化した専用クレジットカードで、学生ならではの特典があります。年会費は卒業後も無料で利用できます。
海外利用に対しては総額の4%がキャッシュバックされるため、留学や海外旅行を予定している学生にとって非常に便利なカードです。
学生専用の設計で、利用限度額も最大30万円と控えめなので、ブラック経験者でも安心して利用できる仕様です。
セゾンカードインターナショナル
| カード名 | セゾンカードインターナショナル |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB |
| 申込条件 | 18歳以上(高校生除く)本人名義で連絡可能な人 |
| 年会費 | 無料 |
| 家族カード | 〇・無料・最大4枚 |
| ETCカード | 〇・無料・最大5枚 |
| ポイント名 | 永久不滅ポイント |
| ポイント還元率 | 0.5% |
| 交換可能マイル | JAL・ANAマイル |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | ✕ |
| ショッピング保険 | オンラインプロテクション |
| 付帯電子マネー | ✕ |
| スマホ決済 | Apple Pay、Google Pay、QUICPay、Suica、PASMO |
| 発行期間 | 最短5分~即日 |
流通系のクレジットカードのなかでも特に審査がやさしい部類に入り、初めてカードを作る人や収入や属性に不安がある人にも利用しやすいのが特徴です。
提携する金融機関に決済口座を持っていることが条件になりますが、パートやアルバイト、主婦、学生でも申込めるなど、柔軟な審査基準が設けられています。
原則としてナンバーレスのデジタルカードが発行されるため、申込みからわずか5分で発行でき、すぐにネットショッピングや電子マネー決済を利用したい人にも便利です。
エポスカード
| カード名 | エポスカード |
|---|---|
| 国際ブランド | Visa |
| 申込条件 | 日本国内在住の満18歳以上(高校生を除く) |
| 年会費 | 永年無料 |
| 家族カード | ✕ |
| ETCカード | 〇 |
| ポイント名 | エポスポイント |
| ポイント還元率 | 0.5% |
| 交換可能マイル | JAL・ANAマイル |
| 国内旅行傷害保険 | ✕ |
| 海外旅行傷害保険 | 最高3,000万円(利用付帯) |
| ショッピング保険 | ✕ |
| 付帯電子マネー | モバイルSuica・楽天Edy |
| スマホ決済 | Apple Pay(QUICPay)、Google Pay、EPOS PAY、PayPay、d払い、楽天Pay |
| 発行期間 | 最短即日 |
エポスカードはマルイ系列の流通系クレジットカードで、主婦や学生、パートでも審査に通る例が比較的多い点が大きな魅力です。
申込条件は満18歳以上とシンプルで、年会費は永年無料です。入会後すぐに使い始められる即日発行サービスもあり、利便性の高さから幅広いユーザーに支持されています。
ポイントは、公共料金の支払いやインターネットショッピング時の割引に使用可能です。審査も申込みから最短30分ほどで終わるケースもあり、カードを早く手に入れたい人にも適しています。
超ブラックとは?クレジットカードは作れるのか
超ブラックは現在進行形の債務と事故情報が重なる状態のことで、超ブラックになるとクレジットカードの審査通過が難しくなります。
まずはその理由と、超ブラックでもクレジットカードを作れるのかどうかについて見ていきましょう。
超ブラックとは現在も債務を抱えている状態
超ブラックとは、単に過去に金融事故を起こして信用情報に事故情報が記録されている、いわゆる「ブラックリスト入り」している状態よりさらに深刻で、現在も借金を抱えている状態のことを指します。
クレジットカード会社や消費者金融などの貸金業者は、申込者の返済能力を判断するために信用情報機関を通じて借入・返済・延滞などの情報を照会し、審査に用いています。そのため、金融事故の履歴がある人は「ブラックリストに載っている」と一般的に呼ばれ、審査で大きく不利になるのです。
「ブラックリスト」は通称であり、実際には延滞や債務整理などの「事故情報」が信用情報に登録されている状態を指し、登録期間中は各種ローンやクレジットカードの新規利用が制限されやすくなります。
「超ブラック」は、事故情報があるだけでなく、現在も多額の債務を抱え、借入総額が総量規制の上限(年収の3分の1)に達しているなど、返済余力がきわめて乏しいと見なされる深刻な状態で、現実的には審査通過がほぼ見込めないのが実情です。
総量規制とは貸付総額を年収の3分の1とする仕組みのこと
総量規制は、貸金業法という法律に基づいて設けられた制度で、貸金業者が個人に貸付できる金額の上限を「年収の3分の1まで」に制限しています。これは、多重債務や返済不能に陥ることを回避するための措置です。
対象となる貸金業者には、消費者金融・事業者金融・クレジットカード会社などのノンバンクの個人向けローンやキャッシングが含まれ、複数社からの借入合計で上限が判定されます。なお、クレジットカードのショッピング利用は総量規制の対象外です。
例えば年収600万円の人なら、貸金業者からの借入上限は200万円までとなり、複数社からの借入の合計がこの枠を超えている場合は新たな貸付ができません。総量規制には例外もあり、住宅ローンや自動車ローン、一部の事業者向け融資は対象外とされています。
検討可能なクレジットカードはある
ブラックリストに掲載されている場合は、通常はクレジットカード会社の審査が通りません。事故情報が信用情報機関に記録されているので、カード会社は貸し倒れリスクを嫌い、申込みした時点で否決されるケースが大半です。しかし、まったく可能性がないわけではありません。
軽微な延滞の過去や事故から数年経過しているケースでは、審査基準がやや緩やかなカードやキャッシング枠なしのカードなら審査が通る可能性があります。また、ブラック状態から解消されて一定期間が経過すると、信用情報が更新されてカードの申込みが可能となることもあります。
超ブラック経験者向け!カードの選び方
クレジットカードの審査に不安を抱える「超ブラック」経験者でも、工夫次第で発行のチャンスを掴むことができます。ポイントとなるのは、以下の3点です。
審査が柔軟なカード会社を選ぶ
クレジットカードは大きく分けて「銀行系」「交通系」「信販系」「流通系」「消費者金融系」の5種類に分類されます。 それぞれのカード会社は、発行元の特徴に応じた審査基準を持っており、同じクレジットカードであっても審査の通りやすさは大きく違います。
一般的に、銀行系や信販系はステータス性が高い分、審査基準も厳格であり、信用情報が低い人には通過がほぼ不可能に近いとされています。そのため、超ブラック経験者がこれらのカードに申込むのは現実的ではありません。
一方で、流通系(スーパーやコンビニ、ショッピングモール系が発行するカード)や消費者金融系は、比較的柔軟な審査を行なう傾向があるため、超ブラックの人でもチャンスがあります。特に、消費者金融系カードは「与信の柔軟性」が高いとされ、過去に金融事故がある人でも通る可能性があるのが大きな特徴です。
審査基準のおもな違い
クレジットカードの審査では、過去の取引履歴(クレジットヒストリー)・現在の借入状況・資産や収入といった要素が評価対象になります。 具体的には、延滞や自己破産の履歴は厳格にチェックされ、同時に安定した収入や返済能力があるかどうかも重要なポイントとなります。
ただし、審査基準は公式には公開されていません。 そのため、過去の実例や利用者の声をもとに「どのタイプのカードが通りやすいか」を把握する必要があります。
一般的に、「銀行系」「信販系」「交通系」はクレジットヒストリーを強く重視するため、信用情報に傷のある超ブラック経験者にはきわめて不利です。過去の金融事故を理由に、申込み段階でほぼ拒否される可能性が高いとされています。
一方、「消費者金融系」のカードは、過去よりも現在を重視する傾向があり、今の収入や返済実績に問題がなければ審査に通りやすいと考えられています。そのため、クレジットカード 超ブラック経験者にとっては有力な選択肢の一つとなります。
保証金を担保するデポジット型を選ぶ
デポジット型クレジットカードは、利用者が事前に「保証金(デポジット)」を預け、その金額が利用限度額となる仕組みです。例えば5万円を保証金として預ければ、その範囲内で最大5万円まで利用することができます。
この形式では、保証金が担保として存在するため、カード会社にとって貸し倒れリスクがほぼなく、審査が非常に柔軟です。通常のクレジットカードでは門前払いになりがちな「超ブラック」経験者でも、発行されやすいのが大きなメリットといえます。
さらに、デポジット型カードを利用して延滞なく支払いを続ければ、信用情報にポジティブな履歴が積み上がります。これにより信用度を回復させ、将来的には年会費無料や一般的な流通系・消費者金融系の通常クレジットカードへとステップアップできる可能性も開けてきます。
つまり、超ブラック状態から再びクレジットカードを持ちたい人にとって、デポジット型はリスタートのための現実的で安全な方法といえるでしょう。
入会キャンペーンも狙い目
クレジットカード会社が入会キャンペーンを実施している時期は、会員獲得数を増やすことが目的のため、通常よりも審査基準がやや柔軟になるケースがあります。 特に大型のキャンペーンでは、新規顧客の母数を増やすために、普段なら対象になりにくい層も審査に通るチャンスが大きくなります。
また、ポイントの大量付与やキャッシュバックといった特典が用意されている時期は、カード会社が顧客層拡大を図っているサインです。 そのため、非正規雇用の人や主婦、さらに過去に審査落ちを経験した人であっても対象に含まれやすく、挑戦しやすいタイミングだといえます。
超ブラックの状態であっても、このキャンペーン時期を狙えばカード取得の可能性が通常より大幅に広がります。 逆に、キャンペーンが行なわれていない時期に申込んでも成功率は低くなるため、申込みの「タイミング」を意識することが、カードを入手する近道になるのです。
超ブラック経験者が審査を通過するコツ
クレジットカード審査では、一つひとつの要素が評価対象です。ほんの少しでも「信用できる申込者」と見なされる工夫をすることが、審査通過のカギになります。審査を通過するためには、特に以下の7点に注意しましょう。
自分の信用情報を確認する
「自分はまだブラックリストに載っているはず」と思い込んでいても、実際には事故情報がすでに削除されていたり、誤った情報が残っていたりするケースもないわけでありません。CICやJICCなどの信用情報機関から情報を開示することで、自分の正確な信用状況を把握できます。
正確な信用情報に基づけば、自分にどの程度の信用回復が必要なのか、いつクレジットカードやローンの申込みを再開できるのかを判断できるようになります。例えば、延滞や債務整理から5年以上が経過している場合、すでに事故情報が消えていることもあり、そのタイミングで年会費無料カードや審査基準のやさしいカードに挑戦できる可能性があります。
逆に、まだ事故情報が残っている段階で申込んでも、審査落ちを繰り返すだけになり、信用情報に「申込履歴」という新たな傷を残しかねません。だからこそ、まずは自分の信用情報を確認し、現状を正しく理解することが超ブラック経験者にとっての最初の一歩になるのです。
キャッシング枠なしで申込みをする
キャッシング枠は貸金業法に基づく審査が必要となり、ショッピング枠よりも審査基準が厳しく設定されています。 そのため、枠を希望せずに申込むことで審査対象が限定され、全体のハードルが下がり、超ブラックでも通過しやすくなる傾向があります。
また、キャッシング枠を希望しないことで、年収証明が不要となるため、審査上の負担も軽減されます。もしキャッシングを利用する予定がないのであれば、無理に枠をつけず「ショッピング枠のみ」で申込んだほうが有利です。
さらに、キャッシング枠はカードが発行されたあとでも追加申請が可能な場合が多いため、最初から欲張らずに「枠なし」でカードを作り、日常の買い物や公共料金の決済などで信用をコツコツ積み重ねることが得策です。一定期間にわたり延滞なく利用実績を積めば、その実績をもとにキャッシング枠を申請できる可能性が広がります。
つまり、まずは「カードを発行して利用実績を積む」ことを最優先にし、キャッシング枠はあとから追加するのが超ブラック経験者にとって最善といえるでしょう。
申込むクレジットカードは1枚に絞る
複数のカードを短期間で同時に申込むと、信用情報機関に「多重申込」として記録され、カード会社の審査が一気に厳しくなります。 その結果、どのカードも通過できずに全滅する可能性が高まるのです。
さらに、金融機関から「お金に困って複数のカードを一度に必要としている」と判断され、信用評価が下がるリスクもあります。 特に超ブラック経験者の場合、すでにネガティブ情報を持たれているため、多重申込は致命的なマイナス材料となりかねません。
したがって、申込みは必ず1枚に絞り、審査結果が出てから次を検討するのが鉄則です。 この方法なら、申込履歴のリスクを避けながら、審査通過の可能性を少しでも高めることができます。
超ブラック経験者にとって重要なのは「一発で通る確率を上げる申込み方」です。焦らず、ターゲットを絞って戦略的に申込むことが、クレジットカード発行への最短ルートといえるでしょう。
収入が安定したタイミングで申込む
収入が安定しているかどうかは、クレジットカード審査での大きな評価材料です。 正社員として継続的に働いていたり、長期雇用の形態で安定収入を得ていたりする場合、過去に事故情報があっても「返済能力は十分にある」と判断され、審査が通りやすくなる傾向があります。
一方で、収入が不安定な状況や無職の状態で申込む場合は、返済能力に不安があると判断されやすく、審査落ちのリスクが格段に高まります。特に超ブラック経験者は、ただでさえ厳しい目で見られるため、不安定な収入状況での審査突破は困難だと考えたほうがよいでしょう。
したがって、カード申込みは一時的に収入が途切れている時期ではなく、安定した収入を得られているタイミングに行なうことが賢明です。無駄に審査落ちを繰り返すリスクを回避し、クレジットカード発行のチャンスを掴むことができます。
記載漏れや虚偽申告はNG
クレジットカードの申込書には、勤務先や年収、住所など、審査に直結する情報を正しく記載する必要があります。記載漏れや誤りがあると、カード会社は申込者の返済能力や信用度を正確に判断できず、審査落ちの大きな原因になるため注意が必要です。
また、なかには「少しでも審査を通りやすくしたい」という思いから、実際より高い年収を記入したり、架空の勤務先を記載したりするケースもあります。しかし、虚偽申告は必ず審査過程で発覚し、信用が著しく損なわれる行為です。
さらに、記載内容に不備があると審査が遅延するケースや、本人確認ができずにカードが発行されない可能性もあります。特に「住所の記載間違い」や「勤務先の電話番号誤記載」などは、単純なミスであっても結果的にマイナス評価につながるため要注意です。
超ブラック経験者が審査通過を目指すなら、申込前に入力内容を何度も確認し、正確で偽りのない情報を提出することが最も重要な第一歩といえるでしょう。
年会費無料のクレジットカードを選ぶ
年会費無料のカードは幅広い層に向けて提供されているため、カード会社としても柔軟な審査基準を設けているケースが多いことが特徴です。
また、「維持コストがゼロ」であるため、無理なく保有し続けられるのも大きなメリット。余分な支出の負担がないため、使った分だけコツコツと返済して利用実績を積んでいけるでしょう。
なお、クレジットカードの年会費を延滞した場合も、延滞扱いとして信用情報に登録されてしまいます。できる限りリスクを減らすという点でも、年会費無料のカードは超ブラック経験者でも「挑戦しやすい入口」として最適であるといえます。
固定電話の番号を記入する
携帯電話の番号だけでも申込みは可能ですが、固定電話を持っているならその番号も記入しておきましょう。
固定電話番号は、カード会社にとって連絡が取りやすい安心材料となり、審査でプラス評価につながる可能性があります。固定電話を持っているということは「一定の住所に安定して居住している」と判断されやすく、申込者への信頼感を高める働きがあるのです。
また、固定電話は住所との関連性が高いため、申込者の居住実態を証明する手段としても有効です。 特に「転居を繰り返している」「勤務先が不安定」といった状況にある超ブラック経験者にとっては、住所と電話番号が紐づいている事実は信用度アップの後押しとなります。
超ブラック経験者がクレジットカードに挑戦する際は、携帯番号にくわえて固定電話番号も併記することで、少しでもプラス評価を積み上げていくことが重要といえるでしょう。
自分の信用情報を確認する方法
クレジットカードの審査に挑戦する前に、まずは自分の信用情報を確認することが不可欠です。ここでは、JICC・CIC・KSCの信用情報機関ごとに、情報開示の申請方法を紹介します。
JICCの確認方法
JICC(日本信用情報機構)は、中小の消費者金融・貸金業者・クレジット会社などから提供された信用情報を管理している機関です。携帯端末の分割払い契約やカードローンの利用履歴など、生活に密接した幅広い取引情報が登録されています。
超ブラック経験者の場合、ここに延滞や債務整理の記録が残っているケースが多いため、必ずチェックしておきたい機関の一つです。
スマホアプリから確認する
最も手軽なのが、JICC専用のスマホアプリで信用情報を開示する方法です。アプリをダウンロード後、「信用情報開示の申込」を選んで手続きを始めます。
- マイナンバーカード・運転免許証・健康保険証などの本人確認書類2点を提出
- 氏名や生年月日など必要事項を入力し、手数料1,000円(データ)・1,300円(郵送)を支払う
- 開示結果はアプリ上で確認でき、希望すれば自宅に郵送で受け取ることも可能
スマホ一つで完結するため、忙しい人でも短時間で自分の信用情報を把握できるメリットがあります。マイナンバーカードを使用すれば、スマホで開示結果を受け取れます。
郵送で申込む
紙ベースの方法で確認したい人は、郵送による申込みが可能です。
- JICC公式サイトから「信用情報開示申込書」をダウンロード・印刷し、必要事項を記入
- 本人確認書類(運転免許証など)を同封し、手数料1,300円分の支払い証明を添付して郵送
- 申込みから約10日程度で、本人限定受取郵便として信用情報開示報告書が届く
時間はかかりますが、紙の報告書として手元に残るため、何度でも見返せる点がメリットです。
CICの確認方法
CICは日本の指定信用情報機関の一つで、おもにクレジットカード会社やローン会社が加盟しています。
クレジットカードの利用履歴、返済の延滞履歴、キャッシングの利用状況などが記録・管理されており、クレジットカード審査では必ずチェックされる重要な情報源です。
インターネットで申込む
2025年9月現在、インターネットによる開示請求は一時的に休止しています。再開予定は2025年10月9日です。
郵送で申込む
じっくり確認したい場合は、郵送による申込みも可能です。
- CIC公式サイトから「信用情報開示申込書」をダウンロード・記入
- 事前購入した手数料500円(インターネット開示休止中のみ)の開示利用券と本人確認書類などの必要書類を同封
- CICの郵送開示センターに送付
10日後を目安に「信用情報開示報告書」が簡易書留で届きます。紙ベースで手元に残せるため、何度でも見返したい人には便利な方法といえるでしょう。
KSCの確認方法
KSC(全国銀行個人信用情報センター)は、全国銀行協会が運営する信用情報機関で、おもに銀行からの借入や返済状況を管理しています。
銀行系のカードローンや住宅ローン、奨学金といった情報が登録されているため、銀行系カードを申込む際には必ずチェックされるデータベースです。
インターネットで申込む
KSCの公式サイトからオンラインで信用情報の開示請求が可能です。
- メールアドレスを登録し、本人情報(氏名・住所・生年月日など)を入力
- マイナンバーカードなどにより本人認証を行なう
- 登録メールアドレスに送られたURLから手数料1,000円(税込)を支払う
手続きを完了すると、最短3〜5営業日で信用情報開示報告書がPDFでダウンロードできるようになります。スピーディーに確認できるため、銀行系のカードローン利用歴などを今すぐ知りたい人に有効です。
郵送で申込む
紙ベースで信用情報を確認したい場合は、郵送による開示請求も可能です。
- KSC公式サイトから「信用情報開示申込書」を入手
- 氏名・住所・連絡先などを記入
- 運転免許証や保険証などの本人確認書類を同封
- 本人開示・申告手続利用券を同封して郵送(1,679円~1,800円。コンビニによって異なる)
申込みから1週間程度で、信用情報開示報告書が簡易書留で自宅に届きます。郵送方式は紙の報告書として残せるため、複数回確認したい人や記録を手元に置いておきたい場合に便利です。
超ブラックな人がクレジットカードを作るときの注意点
超ブラック状態の人はどんな点に注意し、どのように行動すればよいのでしょうか?ここでは、「審査なしのカードは存在しない」ことや、「誰でもOK」という甘い誘いに乗る危険性、そしてブラックリスト解消後に信用を積み上げるためのステップについて詳しく解説します。
審査なしのクレジットカードは存在しない
クレジットカードは後払い方式の決済手段であるため、カード会社は必ず申込者の返済能力を確認します。 その理由は、利用者が立て替え払いを受けた代金をきちんと返済できるかどうかを判断しなければならないからです。
また、割賦販売法に基づいて、カード会社は「支払い可能見込額の調査(審査)」を行なうことが義務付けられています。 法律上、審査をせずにクレジットカードを発行することはできません。したがって、完全に審査をスキップして作れるクレジットカードは実在しないのです。
さらに、インターネット上で「審査なし」と宣伝されている商品の多くは、実際にはプリペイドカードやデビットカードです。これらは利用者が自分の口座に入金した金額の範囲内、または即時引き落としでしか使えない仕組みであり、クレジットカード本来の「後払い」機能とは異なります。
「誰でもOK」など甘い言葉につられてはいけない
クレジットカードの発行には割賦販売法で審査が義務付けられているため、無審査でカードを発行することは違法です。 そのため「誰でも作れる」「審査なしで即発行」と宣伝する業者は、そもそも正規のクレジットカード会社ではなく、違法業者である可能性がきわめて高いといえます。
また、違法業者を利用すると、過剰な利息や高額な手数料を要求されるなど、深刻なトラブルに巻き込まれるリスクが大きいのが実情です。最悪の場合、個人情報を悪用される危険性すらあるため、信用できない業者からは絶対に申込まないことが鉄則です。
ブラックリスト解消後はクレジットヒストリーを積み上げる
ブラックリストが解除された直後は、事故情報が削除される一方で、過去の利用履歴もほとんど残っていない「スーパーホワイト」と呼ばれる状態になります。 この状態では金融事故のマイナス情報はなくなっているものの、カード会社から見ると「信用実績が不明」であり、返済能力を推し量れないため、審査に慎重にならざるを得ません。
そのため、信用回復のカギは新しいクレジットヒストリー(クレヒス)を着実に積み上げることにあります。具体的には、以下のような方法が有効です。
- 公共料金や保険料をカード払いにする
- スマホ本体を分割払いにする
- 決して延滞せず良好な取引履歴を残す
こうして少額でも問題なく利用実績を積み重ねていけば、信用情報にポジティブな履歴が反映され、将来より上位のカードや銀行系カードを目指すことも可能になります。
ブラックリストに載る原因
ブラックリスト入りの原因にはさまざまなものがありますが、代表的な例としては次のようなケースが挙げられます。
こうした行動や状況が原因となり、以後のカード審査やローン申込みに大きな影響がおよびます。ここからは、それぞれの具体例を詳しく解説していきます。
スマホ本体の分割払いを滞納した
スマホ本体の分割払い契約はれっきとした「クレジット契約」に該当するため、支払いを滞納すると信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に「異動情報(事故情報)」として記録されます。
この時点で「金融ブラックリスト入り」となり、以後のクレジットカードやローンの申込みに大きな影響をおよぼします。
なお、スマホ本体の代金を利用料金と一緒に払っていた場合、滞納が2〜3ヶ月以上におよぶと、携帯各社が利用している共通のブラックリストにも「不払い者情報」として登録される恐れがあります。
この状態になると、他社での携帯電話新規契約や端末購入の分割払いもできなくなり、生活に直接支障をきたすことになります。
クレジットカードを強制退会になった
クレジットカードの強制解約とは、長期間の支払い延滞やカード利用規約違反などによって、カード会社から一方的に契約を解除されることを指します。例えば、延滞が3ヶ月以上続いたり、カードの不正利用が疑われたりすると、強制的に会員資格を失うことになります。
また、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を手に入れる「クレジットカードの現金化」を行なった場合も、強制退会処分になる可能性が高いでしょう。
この強制解約の記録は、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に「事故情報」として登録されます。期間中は他のクレジットカード申込みやローン審査に大きな影響を与え、ほぼ審査に通らない状態に陥ります。
債務整理を行なった
債務整理とは、法的に借金の減額や免除を行なう手続きの総称で、おもに「任意整理」「個人再生」「自己破産」などが該当します。債務整理を弁護士などに依頼すると、その時点で弁護士から貸金業者や金融機関に「受任通知」が送付されます。
受任通知を受け取った債権者(金融機関、貸金業者など)は、その情報を各信用情報機関(JICC、CIC、KSCなど)へ報告。信用情報機関は受け取った情報を「事故情報」として登録され、この時点で債務整理の事実が金融業界全体に共有されることになり、いわゆるブラックリストに載った状態となります。
金融機関やクレジットカード会社は新たなローンやカード申込み時に必ず信用情報を照会するため、「返済能力に重大な懸念あり」と判断され、審査通過が非常に難しくなります。
短期間に複数のクレジットカードに申込んだ
短期間に複数枚のクレジットカードを申込むと、その履歴が信用情報機関に記録され、カード会社に対して「資金繰りが苦しいのでは」「返済能力が低いのでは」と疑念を持たれやすくなります。たとえ延滞や債務整理をしていなくても、この行動が原因で審査に落ちやすくなるのです。
このような状態は俗に 「申込ブラック」 と呼ばれます。申込ブラックになると、通常6ヶ月から1年程度は新規カードやローンの審査に通過しにくくなるため、計画的な申込みが必要です。
さらに、短期間での頻繁な申込みは不正利用を疑われ、カード会社に敬遠される要因となります。特に超ブラックに近い状態の人にとっては、審査に不利な条件が重なるため、その影響はきわめて大きいといえるでしょう。
過払い金請求をした
過払い金請求自体は借金の返済能力と直接関係がなく、完済済みの借金に対して行なった場合には、信用情報に事故情報として登録されないのが一般的です。 そのため、借金をすでに全額返済してから過払い金請求を行なった場合には、ブラックリストに載る心配は不要です。
しかし注意すべきは、借金が残っている状態で過払い金請求を行なったケースです。返還された過払い金を差し引いても残債がゼロにならない場合には、弁護士や司法書士が債権者と交渉する「任意整理」と同じ扱いになり、信用情報に事故情報として登録されてしまいます。
この場合は「債務整理」と見なされ、ブラックリスト入りの原因となり、クレジットカード 超ブラック状態に陥ることすらあります。
ブラックリストに載ると何ができなくなる?
一度ブラックリストに登録されてしまうと、単にクレジットカードが作れないだけでは済みません。信用情報に事故歴が残っている間は、日常生活や将来設計に大きな制約が発生します。具体的には、以下のような不便や制限が代表例です。
それぞれについて、具体的に解説していきます。
クレジットカードやローンの審査に通らない
ブラックリストに登録されている間は、信用情報機関の事故情報を参照するクレジットカード会社や金融機関から「返済能力が不十分でリスクが高い」と判断されます。 そのため、新規のクレジットカードやカードローンはほとんど審査に通らなくなります。
また、影響はクレジットカードに限られず、住宅ローンや自動車ローンといった高額の借入も含め、あらゆるローン審査の通過率が極端に下がる点も重要です。
結果として、マイホーム購入や車の買い替えといったライフプランにも大きな支障をきたします。資金調達の選択肢自体が大きく制限されるため、現金で一括購入できるものしか購入できないなど、生活の利便性と資金繰りの自由度を著しく下げてしまうでしょう。
クレジットカードが使えなくなる
長期間の支払い延滞や債務整理を行なった場合、カード会社は契約者の信用に重大な問題があると判断し、クレジットカードの利用ができなくなることがあります。一度強制解約になると、そのカードはただちに利用できなくなります。
さらに、すでに所持している他のカードも安心はできません。カード会社は定期的に会員の信用情報をチェックしているため、ブラックリスト登録が判明した時点で利用停止や強制解約などの措置が取られる可能性があります。
くわえて、信用情報機関に事故情報が登録されると、新規のクレジットカード契約ができなくなります。このためブラックリストに載った状態では、新規申込みはもちろん、審査に通ること自体が非常に困難になります。
賃貸の入居審査に通りにくい
賃貸物件の入居審査では、最も重視されるのは「家賃を支払い続けられるかどうか」です。ブラックリストに登録されている人は、過去に延滞や未払いといった記録があるため、家主や管理会社から「家賃を滞納するのではないか」と不安視されやすくなります。
また、賃貸契約の審査においても不利に働くため、物件を自由に選べない、保証人を立てなければ入居できない、といった制限を受けることになるでしょう。
保証会社の利用が必須になっている賃貸物件では、保証会社が入居者の信用情報をチェックします。そのため信用情報に事故歴が残っていると保証会社の審査で落ちるケースが多く、そのまま入居審査も不合格となる可能性が高いのです。
モバイル端末の分割購入ができない
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を分割払いで購入する契約は、実質的にクレジット契約の一形態です。 そのため契約時には必ず信用情報機関に照会が行なわれ、利用者の返済能力や過去の支払い履歴が参照されます。
もしすでにブラックリストに登録されている場合、信用情報に「延滞」「債務整理」などの事故情報が残っているため、分割購入の審査に通りません。 その結果、端末代金は分割ではなく「一括払い」を求められるのが一般的です。
これは大きなハードルとなり、最新機種を購入しようとする場合に資金面で大きな負担が発生します。ブラック状態の人にとっては、通信契約自体はできても「端末を分割で持つ」という選択肢が奪われてしまうのです。
保証人になれない
保証人や連帯保証人は、債務者が返済不能となった場合に代わりに借金を返済しなければならない存在です。 そのため金融機関は、保証人の返済能力や信用力を厳しくチェックします。
このとき、ブラックリストに登録されている人の信用情報は保証人審査でも必ず参照されます。 ブラック状態にある人は過去に重大な延滞や債務整理をしていると判断されるため、信用状況が不十分と見なされ、保証人として認められません。
その結果、住宅ローンや奨学金、自動車ローンなど、保証人が必要な契約に支障が生じます。 ブラックリスト登録者が保証人になれないため、家族がローンを組もうとした際に保証人を立てられず、契約自体が成立しにくくなるケースもあります。
ブラックリストはどのくらいの期間で解消される?
ブラックリストの掲載期間は信用情報機関や登録理由によって異なり、5年〜10年程度が目安とされています。しかし、すべてのケースが時間経過で消えるわけではありません。ここでは、掲載理由ごとの登録期間と、厄介な社内ブラックの実態について詳しく解説していきます。
ブラックリストの掲載理由と掲載期間
ブラックリストに掲載される理由はおもに延滞や債務整理であり、その登録期間は信用情報機関ごとに異なりますが、おおむね5~10年間です。例えばクレジットカードの利用にかかるブラックリストの掲載期間は以下のようになります。
- 61日以上の延滞 … 約5年間記録が残る
- 債務整理(任意整理・個人再生など) … 約5年間記録が残る
- 自己破産 … 最大で7年程度(信用情報機関によっては差があります)
この期間が経過すると、事故情報は信用情報から自動的に削除されます。 ただし、削除されたからといってすぐに信用が完全に回復するわけではなく、カード会社からは「取引履歴がほとんどない状態=スーパーホワイト」と見なされ、再び審査に慎重になられる可能性があります。
「社内ブラック」は解消されない
社内ブラックとは、信用情報機関に登録されるブラックリストとは別に、金融機関やクレジットカード会社、消費者金融会社が自社内で独自に保管・管理している事故情報のことです。
過去に延滞や債務整理、不正利用などがあった場合、会社によってはその記録を「問題顧客」として社内に保管しておくことがあります。この情報は、外部の信用情報機関(CIC・JICC・KSC)には共有されず、本人が情報開示を行なっても確認できません。
一度社内ブラックに登録されてしまうと、その金融機関における新規クレジットカードの発行、ローン契約、追加融資の申込みが拒否される可能性が高いといわれています。しかもこの社内ブラックには解消期限がなく、事実上「半永久的に続く」ケースすら存在します。
超ブラックな信用情報を回復させる方法
「超ブラック」と呼ばれるような深刻な状態に陥ってしまっても、信用情報は一生回復しないわけではありません。延滞や債務整理といったネガティブな情報は一定期間で抹消され、その後の行動次第で再び信用を積み上げることが可能です。
信用情報を回復させるためには、以下の手段が効果的です。
延滞・借入を整理して返済計画を立てる
まずは現在の借入状況を正確に把握し、特に延滞中の支払いを最優先で解消することが重要です。延滞情報は信用情報機関に「事故情報」として登録され、放置すればするほどブラックリスト状態が長引きます。小額でも継続的に返済し、延滞を解消する姿勢を示すことが信用回復の第一歩です。
また、返済を完了した場合や、やむを得ず債務整理を行なった場合、一定期間が経過すれば信用情報は改善されます。通常、延滞や任意整理・個人再生であれば5年、自己破産の場合は最大10年で事故情報は削除されるため、その後は新規のクレジットカードやローンに挑戦できる可能性が高まります。
くわえて、複数の金融機関から借入をしている「多重債務」の状態は、金融機関からの評価を大きく下げます。可能であれば借入件数を減らし、一本化(債務をまとめること)を検討することで、返済状況が整理され、信用情報の改善スピードも速くなります。
利用限度額の見直し
カードの利用限度額を適切に見直すことは、信用回復に効果的な方法の一つです。限度額が高すぎると「多額の借入が一度に発生するリスクがある」と判断されるケースがあるため、あえて低めに設定することで金融機関に安心感を与えることができます。
限度額の削減やカード数の最適化は、日々の利用状況を安定させるうえでもプラスに働きます。不必要なリスクを軽減し、計画的にカードを使って返済を続けることで、信用評価は少しずつ改善されていくでしょう。
また、利用していないクレジットカードは早めに解約することも重要です。未使用でも「信用枠」として残ってしまうため、複数のカードを抱えている状態は「多重債務予備軍」と見なされかねません。カード枚数を絞り無駄な信用枠を減らすことで、健全な資金管理能力を示すことができます。
安定した収入・職業状態を確保する
クレジットカードやローンの審査では「収入の安定性」が非常に重視されます。パートやアルバイトといった非正規雇用よりも、正社員や長期的に雇用が保証される働き方のほうが、返済能力が高いと見なされ、審査で有利になります。
また、収入が安定していることを証明できれば、ブラックリスト解消後の審査通過率は格段に上がります。金融機関は「毎月安定した給与があり、継続して返済できるか」を最も重視するため、収入証明を提示できる状態を整えることが不可欠です。
さらに、勤務先の信用力や勤務年数も審査材料になります。同じ職場で長く働いていること自体が「経済的にも生活的にも安定している」と判断されるためです。反対に、転職直後は勤続年数が短いため、審査上マイナスに働くことがあるので、新規カードの申込みタイミングは慎重に検討する必要があります。
信用情報を確認して誤記録を訂正する
CICやJICC、KSCといった指定信用情報機関に開示請求を行ない、自分の信用情報を正しく把握することが第一歩です。事故情報がまだ残っているのか、それともすでに削除されているのかを確認することで、今の自分の立ち位置を明確にできます。
また、信用情報には誤記録が含まれているケースもあります。例えば、すでに完済しているのに「延滞中」と記載されていたり、解消済みの債務整理が削除されずに残っていたりするケースもゼロではありません。
もしそのような誤りを発見した場合は、各信用情報機関に訂正の申立てを行なうことで、情報を修正してもらうことが可能です。誤記録が残っていると、本来なら通過できる審査に落ちてしまうこともあり得るため、確認と訂正は信用回復に直結する行動といえるのです。
超ブラックに関するよくある質問
超ブラック状態にある人にとって、最も気になるのは「いつまでブラックが続くのか」「結婚や環境の変化で解消されるのか」といった疑問ではないでしょうか。
ここでは、ブラック解除の期間や結婚・苗字変更の影響、任意整理・自己破産・完済後の扱い、また代用手段として利用できるカードの種類など、超ブラックな人がよく抱く代表的な質問に答えていきます。
ブラック解除はいつ?何年待つ?
ブラックリストに載る原因によって、信用情報に登録される期間は異なります。目安は以下のとおりです。
- 支払い遅延(61日以上の延滞) … 5年
- 債務整理(任意整理や個人再生) … 5年
- 自己破産 … 最大で10年
- クレジットカードの強制解約や代位弁済 … 5年
つまり、軽度のトラブルなら5年、自己破産のような重いケースでは最大10年程度でブラック状態が解除されるのが一般的です。
結婚・苗字変更で解除される?
信用情報は、氏名・生年月日・住所・電話番号など複数の情報が紐づけられています。結婚によって苗字が変わった場合、新しい氏名での信用情報には何も掲載されていません。
しかし、クレジットカードの審査をする場合、原則として旧姓でも信用情報を取得します。そのため、旧姓でブラックリストに載っていれば、新しい氏名でもクレジットカードを作ることはできません。
「苗字を変えれば新しい信用として扱ってもらえる」というのは誤解であり、実際にはカード会社や金融機関は過去の記録を確実に追跡可能です。なお、旧姓を申告しなかった場合は虚偽申告ととらえられることもあるため、申込み時の本人情報は正直に記載しましょう。
任意整理・自己破産・完済後はどうなる?
任意整理や自己破産を行なった場合、また延滞を解消して完済した場合でも、信用情報には「事故情報」として一定期間記録が残ります。この間は金融取引に大きな制限がかかり、新規のクレジットカード申込みやローン審査にほぼ通らない状態が続きます。いわゆる「超ブラック」状態です。
しかし、一定期間が経過すれば事故情報は信用情報から削除され、信用の回復が始まります。 ただし削除直後は「スーパーホワイト」と呼ばれる実績のない状態となり、カード会社は慎重に審査を行なうケースが多いため、すぐにハイステータスカードを持つことは難しいのが現実です。
そのため、事故情報が消えたあとは年会費無料カードやデポジット型カードなど、柔軟な審査基準のカードから利用を始め、少額決済を期日通りに返済することで信用実績を積み重ねることが大切です。
収入が不安定な状況でも申込めるカードはある?
原則として、たとえ無職でもクレジットカードに申込むことはできます。その場合、職業欄には「無職」「専業主婦(夫)」「年金受給者」などのように記載します。
しかし、収入が不安定な場合、年収証明が必要なクレジットカードや銀行系など審査が厳しいカードはどうしても通りにくいのが現実です。ブラック状態の人にとっては、なおさら審査の壁は高くなります。
ただし例外的に、審査基準が比較的柔軟なクレジットカードや、保証金を預けることで発行される「デポジット型カード」があります。これらは担保や柔軟な基準がある分、収入が安定していなくても発行される可能性も低くはありません。
家族カード・デビットなどで代用できる?
超ブラックの人でも、家族名義のクレジットカードに紐づいた「家族カード」を利用すれば、クレジット決済が可能です。
この場合、あくまで信用審査を受けているのは家族本人であり、利用者自身の信用情報が問われるわけではありません。そのため、自分では新規カードを作れなくても、家族の信用を借りてカードを持つことができます。
また、銀行口座と直結しているデビットカードも有効な代替手段です。 デビットカードは利用金額が即時に銀行口座から引き落とされる仕組みのため、審査に通らなくても発行できます。ネットショッピングや公共料金の支払いなど、クレジットカードと同じような使い方が可能で、日常生活における利便性は大きく改善するでしょう。
ただし重要なのは、これらの手段は「自分の信用情報を回復させるものではない」という点です。家族カードを使っていても、その履歴は本人の信用情報には反映されず、デビットカードの利用もクレヒスとしては積み上がりません。
まとめ
超ブラックとは、現在進行形の多額の債務と信用情報に事故情報が重なり、返済能力がほぼない深刻な状態を指します。原則として超ブラックのままで審査に通るクレジットカードはありません。
信用情報から事故情報が消えたあとは、取引履歴が一切ない「スーパーホワイト」といわれる状態になります。このままだと多くの銀行系や信販系カードの審査はほぼ不可能ですが、流通系や消費者金融系カードでは審査が比較的柔軟で、発行の可能性がわずかに残ります。
まずは「なぜクレジットカードを作りたいのか」「なぜ超ブラックと呼ばれる状況に陥ったのか」を自問自答し、生活や資金管理の在り方を見直すことが重要です。そのうえで、債務を整理し収入を安定させ、審査通過のポイントを参考にしながら、クレジットカード発行にチャレンジしてみましょう。
クレジットカードの審査に関しては、こちらの記事も参考にしてください。




















