クレジットカードは何枚も申し込める?
「異なる国際ブランドのカードを複数枚持ちたい」「用途ごとにカードを使い分けたい」などの理由から、カードの複数持ちを希望する人がいます。日本では1人につき何枚までカードが申し込めるのでしょうか?
1人が持てる総カード枚数に上限はない
クレジットカードの保有枚数に上限はありません。カード会社の審査に通りさえすれば、1人で何枚でもカードが保有できます。
JCBが行った「クレジットカードによる総合調査(2020年度)」によると、1人あたりのカードの平均保有枚数は3枚、平均携帯枚数は2枚という結果です。
カードを複数枚持つと、各カードの特典やメリットが享受できます。複数持ちをしている人の多くは、状況や用途に応じて「メインカード」と「サブカード」を使い分けているようです。
参考:【クレジットカードによる総合調査】2020年度版 調査結果レポート
原則同じ種類のカードは複数持てない
同じカード会社で複数のカードを申し込むことは可能ですが、原則的に「同じ種類のカード」は持つことができません。
例えば、JCBには「JCBオリジナルシリーズ」と呼ばれるラインナップがあります。JCBオリジナルシリーズは1人1枚が原則で、2枚目のカードは「JCBオリジナルシリーズ以外」の提携カードから選ぶ必要があります。
一方で、「楽天カード」「MUFGカード」「三井住友カード」などは、同一カードの2枚持ちが可能です。2枚目のカードは1枚目と異なる国際ブランドを選択するのがルールで、カードによっては年会費の割引が受けられる場合もあります。
短期間で複数申し込みは審査落ちしやすい
短期間で複数枚のカードを申し込む行為は「多重申し込み」と呼ばれます。発行できるカード枚数の上限は決まっていないものの、多重申し込みは審査落ちしやすく、今後の入会審査でも不利になる可能性があります。
カード会社は申し込み状況を把握している
クレジットカードを短期間に2枚、3枚と申し込むと「審査落ち」する確率が高まります。多重申し込みの事実は「信用情報機関」を通して、多くのカード会社に共有されています。「カード会社が違うから何枚申し込んでも大丈夫だろう」という考えは捨てましょう。
日本には以下の三つの信用情報機関があり、ほとんどのカード会社はCICまたはJICCに加盟しています。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)
信用情報機関は、加盟会社から提供される「クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報」を管理・保存する機関です。加盟会社は、消費者がクレジットやローンを申し込んだ際にこれらの情報を照会して、審査材料の一つにしています。
審査に落ちると再申し込みしにくい
消費者がカードの入会申し込みをすると、カード会社は信用情報機関の情報を基に、個人の情報や支払い能力を調査します(入会審査)。
CICの場合、カード会社が照会をした履歴は「申込情報」として、信用情報に記録されます。「申込情報が多い個人=申し込みを繰り返している」と判断される点に注意しましょう。申し込み情報は照会日から6カ月間は消えません。
また、カードを契約した事実は「クレジット情報」として、契約期間中および契約終了後から5年は保存されます。
多重申し込みで審査に落ちた場合、次のカード会社の審査にも落ちやすくなります。審査落ちの事実は信用情報に記録されませんが、「契約情報がないのに申込情報だけがある」という状態は、印象がよいものではありません。
カードを複数枚申し込みたい場合は、6カ月経過して情報が完全に消えてからにしましょう。
考えられる審査落ちの理由は?
多重申し込みをすると、なぜ審査落ちする可能性が高まるのでしょうか?個人のクレジットやローンの状況にもよりますが、考えられる主な理由は二つあります。
お金に困っている人のように見える
短期間の多重申し込みをすると、カード会社に「お金に困っている人」と見なされます。貸し倒れを恐れるカード会社は「返済能力のない人」に対してはカードを発行しません。
支払いが翌月以降に先延ばしできるクレジットカードは、手元にお金がなくても支払いが可能です。カードを短期間に複数枚申し込むのは、「手元に自由に使えるお金がないから」ともいえるでしょう。
カードのキャッシング機能を使えば「現金の借り入れ」が可能です。お金に困っている人は複数枚のカードを併用して、「月々の返済額を他社のキャッシングで返す」という行為に走ります。
人によっては利息の付くキャッシングを利用せず、業者を通してカードのショッピング枠を「現金化」する人もいるようです。「カードの多重申し込み=多重債務者」と認識されやすいことを覚えておきましょう。
特典目当ての入会を繰り返すと思われる
クレジットカードに新規入会すると、ポイントやキャッシュバックなどの「入会特典」が享受できます。カードを継続利用する意思がないのにもかかわらず、入会特典目当てでカードを申し込む人は、カード会社にとっての「招かざる客」です。
カード会社の主な収入源には「カード年会費」「カード加盟店から支払われる決済手数料」「分割払いやリボ払いで得られる手数料」などが含まれます。消費者がカードを利用してこそ、カード会社は利益を確保できるというわけです。
年会費無料のカードの場合、利用する意思のない人にカードを発行しても、自社の利益にはつながりません。逆に、入会特典やICチップ付きカードを発行するコストで損をしてしまいます。
2枚まとめて発行申し込みできるカード
「カードを2枚発行して、目的別に使い分けたい」という人は、同時発行に対応しているカードを選びましょう。多重申し込みや入会特典目当てと疑われる心配がない上に、年会費の割引も受けられます。
三井住友カードのデュアル発行
三井住友カードでは、同一種類のカードで異なる国際ブランドのカードを2枚つくる「デュアル発行」が可能です。例えば、1枚目にVISAの三井住友カードを保有している人は、2枚目にMastercardの三井住友カードが発行できます。
デュアル発行のメリットは、2枚のカードで得たポイントが合算できることです。管理がラクになるのに加え、ポイントが効率よく貯まります。二つの国際ブランドのカードがあれば、片方が使えないときの備えにもなるでしょう。
三井住友カードのデュアル発行では「年会費の優待」が受けられます。「三井住友カード ゴールド(NL)」の年会費は5500円(税込)ですが、デュアル発行では2枚目が半額以下の2200円(税込)です。
なお、デュアル発行の場合、「VISAのカード」が特典付与の対象となります。2枚あるからといって、入会特典やキャンペーンが2回受けられるわけではありません。
入会時に同時申し込みができる
三井住友カードの数あるラインナップで、デュアル発行ができるのは三井住友が独自に発行している一部のプロパーカードのみで、「ANA VISA Suicaカード」や「ANA VISA Suicaカード」といった提携カードは対象外です。
1枚目にVISAまたはMastercardのいずれかを保有している場合、同一カード名で異なるカードブランドを申し込むと、自動的にデュアル発行が適用されます。
新規入会時にデュアル発行を希望する場合は、申し込みの際に希望のカードブランドを選択する欄で「VISAカードとマスターカード(2枚)」を選択しましょう。
独自基準で審査するカードもある
カード会社の中には「独自の基準」で審査を行うところもあります。一度審査落ちしている人は、他社に再度申し込んでも審査に通ることは少ないですが、独自基準を設けている会社ではカードが発行できる可能性があります。
ライフカード
「ライフカード」は、「日本国内に住む18歳以上(高校生を除く)で電話連絡が可能な人」あれば誰でも申し込みができます。独自の基準に基づいて審査を行うため、学生や主婦(夫)、他社カードに落ちてしまった人でもカードを持てる可能性があるでしょう。
もっともベーシックなライフカードは年会費が永年無料です。カードの不正利用を補償する「カード会員保障制度」が付いており、安心して買い物が楽しめます。
カード利用では1000円につき1ポイントの「LIFEサンクスプレゼント」が貯まります。期間中の利用金額に応じて次年度のポイントの付与率が変わる「ステージ制プログラム」が導入されているため、カードの利用額が多い人に有利です。
「入会初年度ポイント1.5倍」「お誕生月ポイント3倍」などのボーナスも充実しており、賢く使えばポイントがどんどん貯まるでしょう。
カードの国際ブランドは、VISA・Mastercard・JCBより選択ができます。
ライフカード<年会費無料> | クレジットカードはライフカード
ACマスターカード
「ACマスターカード」は、消費者金融のアコムが発行する年会費無料のカードです。一般的なクレジットカードは「安定継続収入」があることを前提に発行されますが、ACカードはパートやアルバイトでも申し込みができます。
Webサイトで申し込むと最短20分(※)で審査結果が表示され、自動契約機を使えば即日の受け取りが可能です。「審査に通るか不安」という人はWebサイトの「3秒診断」を試してみましょう。
ACマスターカードは「リボ払い専用カード」です。店舗で一括払いを選んでも、支払いは全てリボ払いになります。リボ手数料を払いたくない人は、毎月20日までの利用額を「翌月6日」までに支払いましょう。
(※)お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
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まとめ
1人が持てるカード枚数に上限はありませんが、多重申し込みは審査落ちの原因になります。同じ時期に複数枚のカードを申し込みたい場合は、三井住友銀行の「デュアル発行」を検討しましょう。楽天カードやMUFGカードにも同様のサービスがあります。
一度審査に落ちてしまった人は、再度申し込みをする前に「どのカード会社に申し込むか」をよく考える必要があります。やみくもに申し込みを続ければ、多重申し込みの履歴が増えるだけです。
どうしてもカードをつくりたい人は「独自基準で発行しているカード会社」を選びましょう。それほど急いでいない人は、6カ月の期間をあけてから再チャレンジするのがベターです。